ビザとパスポートの違いとは?ビザ(査証)についてわかりやすく解説

海外へ渡航するためには有効なパスポートが必要です。
また、渡航先や滞在期間、滞在目的によってはパスポートに加えてビザ(査証)が必要になるケースもあります。

しかし、パスポートとビザの違いをしっかりと答えられる人は少ないのではないでしょうか。

そこで本記事では、パスポートとビザの役割や発行機関の違いを解説していきます。
また、アメリカのビザを例として、ビザの種類やビザ申請の流れについても紹介していきます。

そもそもビザ(査証)とは?

ビザ(査証)とは、渡航先の国の政府が旅行者の入国を認める「入国許可証」としての役割を持っているものです。

渡航先の国が渡航者の身元を調査し、自国の治安に悪い影響を与える可能性が無いかを審査します。
そのため、ビザが必要になるのは、主に入国審査の際です。

つまり、上記のことをまとめると、ビザとは「渡航先の国から発行される入国許可証」であると言えます。

また、ビザの発行機関は渡航先の国です。

基本的には、在外公館(日本国内にある各国の大使館・総領事館)がこの役割を担っています。
そのため、ビザの申請をする際は、在外公館に対して行います。

ビザとパスポートの違い

ビザとパスポートはよく混同されがちですが、実は全く違う役割を持っています。

以下で、ビザとパスポートの違いを明らかにしたいと思います。

まずは、パスポートについておさらいしましょう。

パスポートとは世界中で通用する「身分証明書」です。

海外では日本の運転免許証などは身分証明書とは認められないので、パスポートは日本国外で自分の身元を証明できるほぼ唯一の証明書となります。
そのため、出入国審査を含む海外旅行中の様々な場面でパスポートが必要になります。

パスポートは主に以下のような場合に必要になります。

  1. 空港で出入国審査を受けるとき
  2. ビザ(査証)を申請するとき
  3. 国際線の飛行機にチェックインするとき
  4. 海外でホテルにチェックインするとき
  5. 海外で警察官などから身分証明書の提示を求められたとき

上記のことをまとめると、パスポートとは「自国政府から発行される身分証明書」であると言えます。

また、パスポートの発行機関(発行元)は自国の政府です。

日本の場合、外務省がパスポートの発行機関です。
ただし、外務省は管轄をしているのみで、実際にパスポートの申請や更新などの業務を担当しているのは、都道府県の申請窓口です。

つまり、ビザとパスポートは、役割、発行機関、申請方法、必要になる場面がそれぞれ違うということです。

これらの違いを表でまとめると以下のようになります。

ビザ パスポート
役割 渡航先の国の政府が旅行者の入国を認める
「入国許可証」としての役割
自分の名前や年齢、国籍などを証明するための身分証明書としての役割
発行機関 渡航先の国の政府 日本政府(外務省)
申請方法 在外公館(日本国内にある各国の大使館・
総領事館)に申請する
都道府県の申請窓口に申請する
必要になる場面 入国審査 海外旅行中の様々な場面

ビザの取得が免除される条件

ここまで、ビザとパスポートの違いについて解説してきました。

ビザの役割は「入国許可証」であると紹介したため、これから海外旅行に行く予定の方は、ビザを取得する必要があると思うかもしれません。

しかし、日本のパスポートは大変信頼されているため、一定の条件を満たせば「ビザ無し渡航」を許可してくれる国がたくさんあります。

ビザ取得免除の条件は国ごとに様々ですが、渡航目的と滞在日数が条件になることが多く、観光目的で短期間の滞在であれば、多くの国でビザの取得が免除されます。

例えばアメリカでは、観光目的で90日以内の短期滞在であればビザの取得が免除されます。
ただし、その代わりに事前にESTA(エスタ)という電子渡航認証の取得が義務付けられています。

日本のパスポート所有者がビザなし渡航できる国とその条件については、以下の記事で詳しく解説していますので、併せてご確認ください。
日本人がビザなしで渡航可能な国・地域

次の章では、ビザ取得免除の代わりに必要となる、各国の電子渡航認証システムについて解説していきます。

様々な電子渡航認証システムについて

前章で、一定の条件を満たせばビザなしでの渡航が認められることがあると解説しました。

ただし、ビザ(査証)の取得が免除されても、「電子渡航認証」というものの取得を義務付けている国があります。

そこで本章では、各国の電子渡航認証システムを紹介していきます。

ESTA(エスタ)

ESTAとは、アメリカが導入している電子渡航認証システムです。

米国政府が定めるビザ免除プログラム参加国の国籍を有していること、米国での滞在期間が90日以内であること、渡航目的が観光か短期商用であることなどが申請の条件となっています。

ESTAと米国ビザの役割はほとんど同じであるため、これらが混同されることがありますが、ビザの免除を受ける代わりに取得するのがESTAです。

「簡易版ビザ」と考えるとイメージしやすいかもしれません。

例えば、米国ビザを取得するためには必要書類を準備し、米国大使館での面接をパスする必要がありますが、ESTAはパスポートとクレジットカードさえあれば、スマホで簡単に申請を行うことができます。

ESTAの申請はコチラ

なお、米国本土への渡航だけでなく、ハワイやグアムなどへの渡航の際にもESTAの申請が必要です。

以下の記事でESTAのシステムや申請方法について分かりやすく解説していますので、こちらの記事もご確認ください。
ESTA(エスタ)とは?システムや申請方法を分かりやすく解説

ETA(イータ)

ETA(ETAS)とは、オーストラリアが導入している電子渡航認証システムのことです。

オーストラリアでの滞在期間が3か月以内であり、渡航目的が観光か商用である場合に申請することができ、観光を目的とする「観光用ETA(ETAS)」と商用を目的とする「短期商用ETA(ETAS)」が用意されています。

以下の記事で、ETA(イータ)のシステムや申請方法について詳しく解説しています。
オーストラリアの電子渡航許可「ETA(イータ)」を徹底解説します

ETIAS(エティアス)

ETIASとは、EU諸国が2025年から導入する予定の電子渡航認証システムのことです。

滞在期間が90日以内で、渡航目的が観光の場合に申請することができるようになります。
ETIASの対象となる国は「シェンゲン協定加盟国」です。
現在、シェンゲン協定加盟国は27ヵ国あり、フランスやドイツ、イタリアなどが参加しています。

以下の記事でETIAS(エティアス)について分かりやすく解説していますので、こちらの記事も併せてご確認ください。
ETIAS(エティアス)をわかりやすく解説

ビザにはどんな種類がある?

次は、ビザについて細かく紹介していきます。
上述の通りビザには、渡航目的、滞在期間などによって様々な種類があります。

本章では、アメリカビザを例として、ビザの種類を紹介していきます。

アメリカ以外の国のビザについては、以下の記事をご確認ください。

韓国
韓国のビザ(査証)について最新の渡航情報とともに解説します!

中国
中国ビザの申請の仕方とは?概要と申請の流れを徹底解説

インド
インドのビザ(査証)にはどのような種類があるのか詳しく解説

アメリカビザは大きく分けて「移民ビザ」と「非移民ビザ」の2つに分類することができます。

「移民ビザ」とは、アメリカでの永住を希望する外国人が対象になるビザです。

移民ビザを取得することができれば、米国での自由な就労と自由な生活が認められます。
米国籍者と結婚した人を対象とする婚約者ビザ(Kビザ)などが移民ビザに該当します。

「非移民ビザ」とは、アメリカへの一時的な入国や滞在を希望する場合に申請するビザです。
観光や留学などのためにアメリカへ渡航するようなケースで取得されることが多いです。

非移民ビザはそれぞれの種類によって、就労の可否や活動の範囲、有効期間や滞在可能期間などに違いがあるため、自分の状況に合ったビザを申請しなければなりません。

移民ビザの種類

米国ビザのうち、移民ビザにカウントされるのは主に以下の2種類です。

家族に基づく移民ビザ

このビザは、米国市民・米国永住者の家族や親族が対象となるものです。
米国国籍者または永住権保有者の配偶者や子供、兄弟姉妹などが米国に移住するようなケースで適用されます。

Kビザ(婚約者ビザ/配偶者ビザ)

アメリカ国籍を有する人と婚約し、アメリカでの永住を希望する外国人のためのビザです。
Kビザには1から4までの種類があり、K-1ビザは婚約者本人、K-3ビザはすでに婚姻関係にあるがまだ米国へ移住していない配偶者本人を対象としています。

また、K-2ビザはK-1ビザ保有者の子供、K-4ビザはK-3ビザ保有者の子供が対象となっています。

Kビザ(婚約者ビザ/配偶者ビザ)については、以下の記事で分かりやすく解説していますので、こちらの記事も併せてご確認ください。
Kビザ(婚約者ビザ/配偶者ビザ)をわかりやすく解説

非移民ビザの種類

米国ビザのうち、非移民ビザにカウントされるのは主に以下の16種類です。

Aビザ(外交ビザ/公用ビザ)

Aビザは、渡米目的が公用・外交である際に取得するビザです。
主に外交官など、政府関係者に発給されます。

また、Aビザは1から3までの分類がされています。
A-1ビザは政府関係者本人とその家族、A-2ビザはA-1ビザ保有者以外の政府関係者とその家族、A-3ビザはA-1ビザ、A-2ビザ保有者の秘書やその家族が対象になっています。

Bビザ(観光ビザ/商用ビザ)

Bビザは、アメリカへの渡航目的が観光や商用である場合に取得するビザです。
ESTAの渡航認証が不許可になった場合にも申請します。

BビザはB-1ビザとB-2ビザに分かれています。

B-1ビザは商用ビザとも呼ばれ、短期間の米国出張や会議への参加などのために申請することが多いです。
なお、商用ビザといっても、就労ビザではないので、報酬の受領を伴うような商行為はできません。

B-2ビザは観光ビザと呼ばれるように、米国観光のために申請するビザです。
毎年多くの申請があり、米国ビザの中ではもっともポピュラーなビザと言えます。

Bビザ(観光ビザ/商用ビザ)については、以下の記事で分かりやすく解説していますので、こちらの記事も併せてご確認ください。
Bビザ(観光ビザ/商用ビザ)をわかりやすく解説

Cビザ(トランジットビザ/通過ビザ)

Cビザは、米国内の空港で乗り換え・乗り継ぎをしなければならない場合に必要となるビザです。
トランジットビザと呼ばれることもあります。

なお、事前にESTAの認証を得ている場合やすでにBビザを取得しているような場合では不要です。

Cビザは3つに分かれており、C-1ビザは一般的な乗り継ぎや乗り換え、C-2ビザは国連本部関係者、C-3ビザは外国政府職員とその家族が対象とされています。

Cビザ(トランジットビザ/通過ビザ)については、以下の記事で分かりやすく解説していますので、こちらの記事も併せてご確認ください。
Cビザ(トランジットビザ/通過ビザ)をわかりやすく解説

Dビザ(クルービザ)

Dビザは、外国の船舶・飛行機の乗組員や乗務員を対象としたビザです。
外国船舶内で勤務する料理人や訓練生などもDビザの対象になります。

Eビザ(貿易駐在員ビザ/投資駐在員ビザ)

米国と友好通商条約を締結している国の国民にのみ認められるビザです。
日本は米国と友好通商条約を締結しているので、日本国籍を有する方はEビザを申請することができます。

Eビザは2種類に分けられており、E-1ビザ(貿易駐在員ビザ)は日米間の貿易を行うために渡米する人を対象としています。

E-2ビザ(投資駐在員ビザ)は、米国企業に投資をした投資家がその企業を成長させたり、指揮するために渡米するケースを対象としています。

Eビザ(貿易駐在員ビザ/投資駐在員ビザ)については、以下の記事で分かりやすく解説していますので、こちらの記事も併せてご確認ください。
Eビザ(貿易駐在員ビザ/投資駐在員ビザ)をわかりやすく解説

Fビザ(留学ビザ)

Fビザは、米国の大学や大学院、語学学校などに留学する場合に必要になるビザです。

Fビザにも2つの区分があり、F-1ビザは学生本人、F-2ビザは学生の同行家族に発給されます。
「留学ビザ」と言えば、一般的にはこのFビザを指すことが多いです。

Fビザ(留学ビザ)については、以下の記事で分かりやすく解説していますので、こちらの記事も併せてご確認ください。
Fビザ(留学ビザ)をわかりやすく解説

Gビザ(国際機関ビザ)

NATO(北大西洋条約機構)などの国際機関に所属している人物に発給されるビザです。
NATOビザ、国際機関ビザと呼ばれます。

Hビザ(就労ビザ)

米国での一時的な就労を希望する場合に取得するビザです。
一般的に「就労ビザ」と言えばHビザのことを指しています。

Hビザは主に3つに区分されており、H-1Bビザは専門的な知識や経験を有する人物、H-2Aビザは一時的にサービス業に従事する人物が対象になります。

またH-2Bビザは新規プロジェクトの立ち上げなど、一時的に労働力が必要になる場合に適用があります。

Iビザ(報道関係者ビザ)

アメリカでの滞在目的が、現地の報道や映画の撮影などの場合に必要となるビザです。
ジャーナリストや映画監督、撮影クルーなどが対象となります。

Jビザ(交流訪問者ビザ)

教育・科学・芸術の分野での交流の促進を目的として設けられたビザです。
医師や研究者、教師などがこのビザの対象となります。

Jビザ(交流訪問者ビザ)については、以下の記事で分かりやすく解説していますので、こちらの記事も併せてご確認ください。
Jビザ(交流訪問者ビザ)をわかりやすく解説

Lビザ(企業内転勤用ビザ)

Lビザは、企業内の転勤で米国へ赴任する人を対象としたビザです。
米国内の支社や関係会社への異動の際に利用されます。

L-1Aビザは幹部や管理職として米国企業へ赴任する場合に適用されます。

また、L-1Bビザは、専門的な知識や経験を認められた人が米国企業へ赴任するケースで取得します。

Lビザ(企業内転勤用ビザ)については、以下の記事で分かりやすく解説していますので、こちらの記事も併せてご確認ください。
Lビザ(企業内転勤用ビザ)をわかりやすく解説

Mビザ(専門学生ビザ/職業訓練生ビザ)

米国へ渡って高度な技術を習得することを目的とする場合に必要になるビザです。
航空機のパイロットになるための養成学校やダンススクールに通う場合などにMビザが必要になります。

一般的な学問や語学の習得を目的とする場合は、MビザではなくFビザ(留学ビザ)の対象です。

Oビザ(特別技能者ビザ)

特定の分野において特別な技能を有する者を対象としたビザです。
分野ごとにO-1ビザからO-3ビザまで用意されています。

O-1Aビザは教育・スポーツ・ビジネスに関する分野、O-1Bビザは芸術・映画に関する分野が対象とされています。

そして、O-1ビザ・O-2ビザ保有者の同行家族が、O-3ビザの対象になります。

Pビザ(芸術・スポーツ特別技能保持者ビザ)

渡米目的が、国際的なスポーツの大会やイベントへの出場である場合に取得するビザです。

P-1ビザからP-3ビザまでの3種類があります。
P-1Aビザはスポーツ選手、P-1Bビザはサーカス団などのエンターテイメントグループに所属する人が取得できます。

また、P-2ビザは芸能人や芸術家などが対象で、P-3ビザは文化的・民族的なパフォーマンスをする人を対象にしています。

Qビザ(国際交流ビザ)

自国の伝統や文化を広めるためにアメリカへ入国する場合に必要になるビザです。
Qビザを取得するためには、米国法務長官が認定する国際的文化交流プログラムに参加していなければなりません。

Rビザ(宗教活動家ビザ)

米国での滞在目的が宗教活動である場合に必要となるビザです。
ここでいう「宗教活動」とは、人道的な支援を目的とするものでなければなりません。

ビザの原則的発給基準

本章からは、実際にビザを申請・取得する方法について解説していきます。

ビザ申請に必要な書類や申請の流れを見る前に、まずビザを発給してもらうための基準を確認しておきましょう。

この基準を事前に確認しておくことで、ビザの申請を認めてもらうために必要な物が何か分かり、手続きをスムーズに進めることができます。

ただし、前章ではアメリカビザを例にビザの種類を紹介しましたが、アメリカ政府はビザの発給基準を明らかにしていません。
そこで、本章では日本のビザ発給基準を参考として紹介します。

日本国外務省は、ビザの原則的発給基準として以下の4つの要件を定めています。

1.申請人が有効な旅券を所持しており、本国への帰国または在留国への再入国の権利・資格が確保されていること

ビザ申請者が有効なパスポートを所持しているかどうかということです。

パスポートを持っていなかったり、有効期限が切れているような場合は、当然ビザを発給してもらうことはできません。

米国ビザの場合も同様の基準があると考えられますので、米国ビザを申請する際には、その前提として有効期限内のパスポートを用意する必要があります。

2.申請に係る提出書類が適正なものであること

ビザ申請の際に提出した書類に不備があった場合や虚偽の書類を提出した場合は、ビザは発給されないということです。

こちらの要件も米国ビザと同様と考えられます。

米国ビザの提出書類については後述しますが、この書類に不備があったり、虚偽の内容を記入したような場合には、米国大使館・総領事館での面接時にこの点を指摘され、ビザを取得することはできません。

3.申請人が日本において行おうとする活動または申請人の身分もしくは地位及び在留期間が、入管法に定める在留資格及び在留期間に適合すること

申請したビザの種類や目的と、本人の状況が合っていなければならないということです。

例えば、学生ではないのに学生ビザを申請したり、ビジネス目的なのに観光ビザを申請するようなことは認められません。

米国ビザの場合でも同様です。
申請しているビザの種類と、申請者の状況が本当に合致しているかを判断するために、米国大使館・総領事館での面接が行われます。

4.申請人が入管法第5条第1項各号のいずれにも該当しないこと

入管法第5条には、ビザ取得の欠格要件が列挙されています。

例えば、過去に犯罪歴があったり、感染力の強い感染症に感染している場合などは、ビザを利用して日本へ上陸できないとされています。

この点のみは、米国ビザと異なる可能性があります。
前科・犯罪歴・逮捕歴があっても、大使館での面接時に面接官を納得させ、アメリカへ入国しても問題ないと判断されれば、ビザが発給される可能性は十分にあります。

ビザ申請の流れ

それでは、次は実際にビザを申請する流れを紹介していきます。

本章でも、アメリカビザを例に解説していきます。
アメリカ以外の国のビザでも、大きな流れは変わりません。

ただし、ビザ発給の細かな条件や必要書類が異なる場合もありますので、申請の前に必ず大使館等のHPをご確認ください。

1.DS-160ビザ申請書を作成する

米国ビザは、「DS-160ビザ申請書」と呼ばれるオンラインフォームから申請を行います。

DS-160ビザ申請書には、氏名や住所などの個人情報や申請するビザの種類などを記入します。

なお、この手続きには、有効期限内でICチップ内蔵のパスポートと証明写真が必要になります。
DS-160ビザ申請書への記入を始める前に準備しておくようにしましょう。

2.ビザ申請料金を支払う

次は、ビザの申請料金を支払います。

ビザの申請費用を支払うためには、ビザ申請公式サイトでアカウントを作成しなければなりませんので、まずは自分のプロファイルを作成しましょう。

そのあと、自分が申請するビザの種類を選択しますが、申請するビザの種類によって料金が異なることに注意しましょう。

例えば、Bビザ(観光日ビザ・商用ビザ)や学生ビザ(Fビザ/Mビザ)は185ドル(約2万7000円)、
Eビザ(貿易駐在員ビザ/投資駐在員ビザ)は315ドル(約4万6000円)が必要です。

支払い方法は、インターネットバンキング、クレジットカード、ATM支払いに対応しています。

ただし、ATM支払いは、「Pay Easy(ペイジー)」対応のATMからのみ可能になっています。
多くのATMはPay Easy(ペイジー)に対応していますが、ATM支払いを希望する方は念のため確認しておくようにしましょう。

また、学生ビザ(Fビザ/Mビザ)やJビザの申請をする場合は、「SEVIS費用」の支払いが必要になります。

「SEVIS」とは、米国内に滞在する留学生などの管理を強化するためのオンラインシステムのことです。
このシステムの費用はビザ申請者が負担することになっており、この費用のことをSEVIS費用と呼んでいます。

3.面接の予約をする

ビザ申請料金の支払いが完了した後は、面接の予約をします。

支払いの完了後、「面接予約申請」を選択し、面接の予約をします。
なお、予約が完了した後に表示される確認ページは面接の際に持参する必要があるので、印刷するようにしましょう。

面接場所は、在日米国大使館(東京)、在大阪・神戸米国総領事館、在札幌米国領事館、在福岡米国領事館、在沖縄米国総領事館の5か所の中から選択できます。
どこの会場でも面接内容は同じですので、自宅から近い会場を選択しましょう。

なお、面接予約の変更は5回まで認められますが、6回目以降の変更をするためには再度申請料金を支払わなければなりません。

4.米国大使館・総領事館で面接を受ける

続いて大使館・総領事館で面接を受けます。

面接時には、必要書類を全て持参しなければなりません。
必要書類に不足がある場合は、面接を受けることができない可能性もありますので注意するようにしましょう。

面接の際に必要になる書類は以下のようなものです。

  • 有効期限内のパスポート
  • 過去10年以内に発行されたパスポート(保有している場合のみ)
  • DS-160ビザ申請書の確認ページのコピー
  • 面接予約確認ページのコピー
  • 証明写真(1枚)

また、ビザ面接は基本的に英語で行われます。
英語に苦手意識のある方は、よく聞かれる質問だけでも練習しておくのがおすすめです。

なお、面接官によっては日本語に対応してくれる場合もあります。
英語での面接が不安な方は、日本語で面接ができないか尋ねてみましょう。

以下の記事で、大使館でのビザ面接のポイントやよく聞かれる質問を紹介していますので、こちらの記事もご確認ください。
大使館でのアメリカビザ面接対策について徹底解説

米国大使館・総領事館の住所・連絡先

以下が、米国大使館・総領事館の住所と連絡先です。ビザの面接は時間厳守です。
当日、道に迷って遅刻してしまうことがないように、事前に確認しておきましょう。

在日米国大使館(東京)

管轄地域 東京、千葉、福島、群馬、茨城、神奈川、 長野、山梨、新潟、埼玉、静岡、栃木、山形
住所 〒107-0052 東京都港区赤坂1-10-5
電話番号 03-3224-5000
FAX 03-3224-5856
メールアドレス support-japan@ustraveldocs.com
開館時間 月曜~金曜日 8時30分~12時00分、14時00分~17時30分
閉館日 土曜日、日曜日、日本と米国の祝日

在大阪・神戸米国総領事館

管轄地域 大阪、愛知、愛媛、福井、岐阜、広島、兵庫、石川、香川、高知、京都、三重、奈良、岡山、島根、滋賀、徳島、鳥取、富山、和歌山
住所 〒530‐8543 大阪府大阪市北区西天満2丁目11-5
電話番号 06-6315-5900
FAX 06-6315-5914
メールアドレス AOK@state.gov
開館時間 月曜日~金曜日 9時00分~12時00分、13時30分~15時30分
閉館日 土曜日、日曜日、日本と米国の祝日

在札幌米国領事館

管轄地域 北海道、青森、秋田、岩手、宮城
住所 〒064-0821 札幌市中央区北一条西28丁目
電話番号 011-641-1115
011-641-1116
011-641-1117
FAX 011-643-1283
メールアドレス SapporoACS@state.gov
開館時間 月曜~金曜日 8時30分〜17時30分
閉館日 土曜日、日曜日、日本と米国の祝日

在福岡米国領事館

管轄地域 福岡、鹿児島、熊本、宮崎、長﨑、大分、佐賀、山口
住所 〒810-0052 福岡県福岡市中央区大濠2-5-26
電話番号 092-751-9331
FAX 092-761-7116
メールアドレス FukuokaACS@state.gov
開館時間 月曜~金曜日 9時30分〜17時30分
閉館日 土曜日、日曜日、日本と米国の祝日

在沖縄米国総領事館

管轄地域 沖縄、奄美諸島、鹿児島の一部
住所 〒901-2104 沖縄県浦添市当山2−1−1
電話番号 0988-76-4211
FAX 0988-76-4243
メールアドレス Nahavet@state.gov
開館時間 月曜~金曜日 9時30分〜17時30分
閉館日 土曜日、日曜日、日本と米国の祝日

米国大使館・総領事館の休館日(2024年)

米国大使館・総領事館は日本の祝日とアメリカの祝日の両方が休館日になります。
また、日本の土日も休館日であるため注意が必要です。

2024年の休館日は以下の通りです。

祝日 日付
元日 1月1日(月)
成人の日 1月8日(月)
マーティン・ルーサー・キング牧師の日 1月15日(月)
建国記念日 2月12日(月)(振替休日)
ワシントン記念日 2月19日(月)
天皇誕生日 2月23日(金)
昭和の日 4月29日(火)
憲法記念日 5月3日(月)
みどりの日 5月4日(木)
こどもの日 5月6日(月)(振替休日)
戦没将兵追悼記念日(メモリアルデー) 5月27日(月)
ジューンティーンス 6月19日(水)
独立記念日 7月4日(火)
海の日 7月15日(月)
山の日 8月12日(月)
労働祭 9月2日(月)
敬老の日 9月16日(月)
コロンブスデー・体育の日 10月14日 (月)
退役軍人の日 11月11日(月)
勤労感謝の日・感謝祭 11月28日(木)
クリスマス 12月25日(水)

5.ビザを受け取る

面接が完了すれば、後は審査が無事に終わるのを待つだけです。
ただし、ビザの種類によって審査の期間は大きく異なりますので注意が必要です。

例えば、B-2ビザ(観光ビザ)は、面接終了からビザの受け取りまで2週間程度かかると言われています。

無事にビザの許可が下りると、ビザが付与されたパスポートを受け取ることができます。
この際、ビザの受け取り方法には、自宅への郵送と文書配達センターへ出向いての受け取りの2種類があります。

札幌・福岡・那覇の大使館・領事館へビザ申請をした方は、無料で自宅へ郵送してもらうことができます。
上記以外の大使館へビザ申請をした方は、郵送料として3,190円の支払いが必要です。

また、事前の受領予約をしておけば、文書配達センターへ自ら出向いて受け取ることも可能です。
ただし、文書配達センターは東京と大阪にしかなく、空いている時間も短いです。
文書配達センターでの受け取りを希望する方は、営業日や営業時間をしっかりと確認するようにしましょう。

米国ビザの受け取り方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
米国ビザの受け取り方法をわかりやすく解説

渡航先でビザをなくしてしまったら

最後に、ビザは無事に取得できたが、渡航先でビザを無くしてしまったというケースの対処法を紹介します。

多くの場合、ビザはパスポートにスタンプされるか、貼付されますので、まずはパスポートの失効手続きと再発行を行います。

海外でパスポートの失効手続きと再発行をする際は、渡航先の日本国在外公館(海外にある日本大使館・総領事館)に届出をします。
この際、現地の警察が発行した紛失届、日本国籍であることを証明できる書類などの提出が必要です。

パスポートが再発行されるまでの期間は、渡航先や手続きのタイミングによって異なりますが、最低でも1週間は必要です。

また、渡航先でパスポートとビザをなくしてしまったケースで、パスポートの再発行をせずに「帰国のための渡航書」を発行してもらい、日本へ帰国するという方法もあります。

ただし、帰国のための渡航書を発行してもらうためには、日本国籍であることを証明する書類(戸籍謄本、住民票、運転免許証等)、証明写真などが必要になります。

これからビザを取得して海外へ行く予定がある方は、上記の書類を忘れずに持参しましょう。

なお、帰国のための渡航書は、あくまで日本への帰国を認めるだけの書類ですので、他の国に立ち寄ることはできません。

まとめ

本記事はいかがでしたか?
ビザとパスポートの違いの解説から始まり、米国ビザの種類やビザ申請の方法について解説してきました。

ビザとパスポートの違いをもう一度まとめると以下のようになります。

「パスポートは自国政府から発行される身分証明書」であるのに対し、「ビザとは渡航先の国から発行される入国許可証」である。

また、米国ビザの種類とその申請の流れについても解説しました。
米国ビザには、さまざまな種類が存在します。ビザを申請する際には、自分の滞在目的に合ったビザを申請するようにしましょう。

関連記事