アメリカにはどのような種類のビザ(査証)があるのか、一覧でご紹介!

皆さんは、アメリカにどのようなビザがあるのかご存じですか?

ビザ(査証)は、各国へ外国人が入国する際に、滞在時にどのような事をするのか、またその外国人は安全なのかを判断するために、大切な制度です。

そのため、各国では、様々な種類のビザが設けられています。

本記事では、いくつもあるビザの中でアメリカでは、どのようなビザがあるのか、各米国ビザの概要を含めて解説していきます。
ぜひ、ご覧ください。

アメリカビザ(査証)の種類について

アメリカには、大きく分けて「非移民ビザ」と「移民ビザ」の2種類のビザがあります。

非移民ビザは、移住することを目的としていない中・長期的な観光や就労の際に取得するビザです。
移民ビザは、アメリカでの永住を考えている方やアメリカ人の配偶者や親がいる方が取得可能です。

ビザの種類を一覧でまとめたのでご確認ください。

アメリカビザ一覧
非移民ビザ・Aビザ
・Bビザ
・Cビザ
・Dビザ
・Eビザ
・Fビザ
・Gビザ
・Hビザ
・Iビザ
・Jビザ
・Kビザ
・Lビザ
・Mビザ
・Oビザ
・Pビザ
・Qビザ
・Rビザ
移民ビザ・CR-1ビザ
・IR-1ビザ

以下では、「非移民ビザ」と「移民ビザ」について詳しく解説していきます。

非移民ビザ

非移民ビザとは、就労をはじめ、中・長期間アメリカでの滞在を行う方が取得するビザになります。
また、アメリカ側の企業などから報酬を伴うビジネスとして入国する際も非移民ビザの取得が必要です。

では、非移民ビザについて細かく解説していきます。

Aビザ(外交・公用ビザ)、Gビザ(国際機関ビザ)

公務での渡米を目的とする外国政府職員が取得するビザ(査証)です。

取得する際は、移民法で定められた外交ビザ(Aビザ)の取得要件を満たしていなければなりません。また、A-1又はA-2ビザで渡米する場合は、渡米目的が自国の政府に関する公務である必要があります。
また、国際機関の職員で公務としてアメリカへ入国する際は、Gビザ(国際機関ビザ)を取得することができます。

なお、観光ビザ(Bビザ)もしくはビザ免除プログラム(ESTA)を利用したビザなしでの渡航はできないため、注意しましょう。

Bビザ(商用/観光ビザ)

Bビザは、商用を渡航目的とした際に取得するB–1ビザ(商用)と、観光や治療が渡航目的の際に取得するB-2ビザ(観光)があります。

B-1ビザとB-2ビザは、多くの場合、B-1/B-2と表記され、1つのビザとして発給されます。

B-1ビザは、取引先との会合、科学や教育など専門分野の会議への参加、契約交渉が利用可能な渡航目的として含まれています。
一方、B-2ビザは、観光、友人や親族への訪問、治療、娯楽や休養を目的とする際に、取得が可能です。

Cビザ(通過ビザ)

外国籍の方が、アメリカを経由して第三国へ渡航するにはCビザ(通過ビザ)取得が必要です。
しかし、ビザ免除プログラム(ESTA)の利用が可能な渡航者に関しては、Cビザを取得する必要はありません。

アメリカを経由する際に、アメリカ国内を旅行する場合やトランジットエリアから一時的に出る場合は、CビザではなくBビザの取得を行いましょう。

Dビザ(クルー)

アメリカに入港又は着陸する船舶や飛行機内で業務を行う乗務員は、Dビザ(クルー)を取得する必要があります。
通常、アメリカやその海域を通過する飛行機又は船舶の乗員は、通過(C-1)とクルー(D)を組み合わせたC-1/Dビザ(通過/クルー)を利用しています。
ただし、状況に応じて、Dビザのみが必要な場合があります。

なお、フライトなどの合間に個人的な理由でアメリカへ入国する乗員は、B-1/B-2ビザの取得が必要となります。C-1/D及びB-1/B-2ビザを同時に申請する場合は、1つ分のビザ申請料金のみのお支払いとなります。

Eビザ(貿易駐在員・投資駐在員ビザ)

Eビザとは、日本をはじめとするアメリカと通商航海条約を締結している国の貿易商や投資家又は、オーストラリア専門職のためのビザ(査証)です。

なお、Eビザの取得には、「主にアメリカと条約参加国の間で、適格な活動においてサービスや技術の貿易を含む実質的な貿易を行うこと。」、「相当額の資本を投資した企業の事業を発展させ、指揮すること。」、「オーストラリアの国民であり、専門的な職業に従事していること。」のうちいずれかに該当している必要があります。

Fビザ、Mビザ(学生ビザ)

アメリカでは、学業を目的とした渡米を行う方を歓迎しており、ビザ申請前に、学生ビザの申請者は学校もしくはプログラムへの受入れ及び承認を受けている必要があります。

F-1ビザは、最も一般的な学生ビザです、アメリカ国内の認定大学、私立高等学校、許可された英語プログラムなどで教育を受けることを希望する方が取得できます。

また、M-1ビザは、アメリカの機関で非学術的もしくは職業的な教育や研修を受ける事を計画して渡米する方が取得可能なビザです。

H,L,O,P,Q(就労ビザ)

アメリカで報酬を伴う就労を行う場合は、就労ビザの取得が必要です。

アメリカには以下のような就労ビザがあります。

アメリカの就労ビザ
種類 内容
H-1B
(特殊技能職)
事前に取り決められた専門職に就くために渡米する方が
取得可能なビザです。
H-1B1
(自由貿易協定専門家)
チリ及びシンガポールとの間で締結された地涌貿易協定によって、
資格を有するチリ及びシンガポール国籍の方は、特定の状況の下で、
H-1B1ビザを取得し、米国で就労することが可能です。
H-2A
(季節農業労働者)
アメリカ人労働者を確保できないため、一時的に農作業に就く目的で
渡米する外国人を米国の雇用主が雇用するためのビザです。
H-2B
(熟練・非熟練労働者)
アメリカ人労働者が不足している職業に一時的または季節的に就く目的で
渡米する方が取得可能なビザです。
H-3
(研修生)
大学院教育やトレーニング以外のあらゆる分野で、
雇用主が行う最長2年間の研修を受ける目的で渡米する方が取得可能なビザです。
H-4
(同行家族)
有効な Hビザの保有者の配偶者および未婚の子ども(21歳未満)が取得可能なビザです。
ただし、このビザを取得した方は米国滞在中に就労を行うことができません。
L-1
(企業内転勤者)
多国籍企業の従業員が、米国内の親会社、支社、系列会社、子会社へ
一時的に転勤する際に取得可能なビザです。
ブランケットL-1 比較的大規模で複数の業種を扱い、多くの関連事業を持つ既存の会社で、
企業内転勤となる多数の駐在員のためのビザが必要な企業が取得可能なビザです。
L-2
(同行家族)
有効なLビザの保有者の配偶者および未婚の子ども(21歳未満)が取得可能なビザです。
O 科学、芸術、教育、ビジネス、スポーツにおける卓越した能力の持ち主、
または映画やテレビ番組の製作において卓越した業績を挙げた人ならびに、
それらの遂行に必要な補助的な業務を行なう人に発給されます。
O-2
(同行家族)
米国では得られない技能や経験を有し、競技や公演に不可欠な役割を担うアスリートや
エンターテイメント業界の方は、O-1ビザ保有者に同行するためのO-2ビザの申請をすることができます。
P
(芸術家、芸能人)
米国で公演・活動するために渡米する特定のアスリート、芸能人、芸術家
および不可欠な補助的業務を行なう人に発給されます。
P-2
(芸術家、芸能人)
米国内の組織または団体と他の一つまたは複数の外国との間で、芸術家や芸能人を一時的に交換することを
目的とした相互交換プログラムに参加する個人またはグループの芸術家
または芸能人が米国に入国するためのビザです。
P-3
(芸術家、芸能人)
文化的にユニークなプログラムの下で、
公演・指導・稽古を行なう個人またはグループの芸術家
または芸能人が米国に入国するためのビザです。
Q 実務研修、雇用、および訪問者の自国の歴史・文化・伝統の普及を目的とした
国際文化交流プログラムに参加するために渡米する人に発給されます。

Iビザ(報道関係者ビザ)

Iビザは、海外に本社がある外国の報道機関の代表が業務を行うために一時的に渡米するために必要となります。
また、報道、ラジオ、映画、出版に携わる、レポーター、撮影クルー、編集者や移民法で定める同種の職業に就く方など、その活動が外国報道機関の職務にとって不可欠な「外国報道機関の代表」がその職務を行う目的で渡米するためのビザです。

なお、時座免除プログラム(VWP)参加国の渡航者が、報道機関もしくはジャーナリストとしての職に就きながら外国報道機関の代表として一時的に米国への入国を希望する場合は、ビザ免除プログラムでビザを取得せずに渡米することも、ビジタービザ(B ビザ)で渡米することもできません。

Jビザ(交流訪問者ビザ)

J ビザは、教育、芸術、科学の分野における人材、知識、技術の交流を促進することを目的としており、参加者には、以下のような方が含まれています。

  • あらゆる学術レベルの学生
  • 企業、施設、機関で実地研修を受ける研修生
  • 小学校、中学校、高等学校、専門学校の教師
  • 大学レベルの機関で教育もしくは研究を行うために渡米する教授
  • 研究者
  • 医療および関連分野の研修員
  • 視察、会議、研究、研修、専門知識や技能の普及や実演、もしくは人材交流プログラムへの参加を目的として渡米する海外からの訪問者

上記に該当する方はJビザを取得しましょう。

Kビザ(婚約者ビザ)

Kビザとは、アメリカ国籍の方と婚約しており、結婚を行うために取得する必要のあるビザです。

なお、Kビザを利用して結婚した際は、結婚後に税関・国境取締局(DHS)及びUSCISに永住者へのステータス変更を行う必要があります。

Rビザ(宗教活動家ビザ)

Rビザとは、米国移民法に定義されているように、宗教的な立場で活動する事を目的として一時的に米国に入国することを求める外国籍の個人に該当するビザです。

宗教活動家とは、宗教的礼拝を行うことを公認された方、その宗派の一因が通常行うその他の職務を全うする方、宗教的職業に従事する方が含まれています。

移民ビザ

移民ビザは、主にアメリカでの永住権を獲得したいと考えている方を対象にしたビザです。
また、アメリカ人の配偶者や子どもも移民ビザの対象者として含まれています。

CR-1/IR-1ビザ(配偶者ビザ)

アメリカ人と結婚した方が取得可能なビザ(査証)になります。
CR-1ビザは、外国人の配偶者がアメリカへ入国した際、結婚してから2年未満の場合に、発給されるビザです。

このビザによって、申請者は条件付永住権のステータスを保有することが可能です。

一方、IR-1ビザは、ビザの発給日時点で結婚してから2年以上経過している際に、外国人配偶者に対して発給されます。

その他、アメリカビザについて詳しく知りたい方は在日米国大使館と領事館HPをご確認ください。

観光目的ならESTAの利用がおすすめ

アメリカには、政府により制定されているビザ免除プログラム(VWP)によって、ESTA(エスタ)が導入されています。

ビザ免除プログラムとは、日本を含むVWP対象国の国民が観光や報酬の伴わない商用を目的に、90日以内のアメリカ滞在を行う際に、ESTAを取得することによって、ビザなしでの渡米が可能になります。

ESTAは、ビザ(査証)とは異なり、申請から取得まで約72時間(3日)以内で処理が行われます。
そのため、アメリカ旅行を検討している方で、長期滞在を計画していない方は、ESTAを利用することをおすすめします。

ESTAについて詳しく知りたい方は、こちらをご参照ください。

いかがでしたでしょうか。
アメリカビザについて、簡潔に解説してきました。

アメリカだけでなく各国のビザは、渡航目的によって細かくビザ(査証)が設定されています。
特に就労ビザは、アメリカで就く職業によってビザの種類が大きく異なるため、注意して取得する必要があります。

また、観光や商用を目的とした渡航を検討している際は、長期滞在を計画していない場合、ESTAの取得がおすすめです。

この記事を参考に、少しでもビザについて理解して、自分の渡航目的に合った選択をしてみてください。

関連記事