アメリカに家族旅行に行きたいと思っている方は多いと思います。特に円安やアメリカの物価の高騰を考慮すると、具体的にどのくらいの予算が必要になるのかわからず、踏ん切りがつかないという人も多いと思います。
そんな方に向けて、家族4人でアメリカ旅行する場合に掛かる費用を解説していきたいと思います。
家族4人で7日間アメリカ旅行する際の費用
家族4人でアメリカ旅行をする際にかかる費用を大まかに表でご紹介します。各項目についての解説は下記をご覧ください。
家族4人でアメリカ旅行する際にかかる費用 | |
---|---|
ESTAの申請料金 (申請代行サービスを利用) |
37,460円 |
パスポート代 | 49,000円 ※16,000円×2人 11,000円×1人 6,000円×1人 |
航空券の料金 | 522,804円 ※130,701円×4人 |
海外旅行保険費 | 9,720円 ※2,430円×4人 |
データ通信費 | 7,350円 ※1,825円×4人 |
宿泊費 | 72,564円 ※36,282円×2部屋 |
移動費 | 約52,000円 |
レジャー・アクティビティ費 | 約40,000円 |
食費 | 約210,000円 |
買い物・お土産代 | 約20,000円 |
合計 | 1,012,198円 |
一日あたりの出費 | 約144,600円 (一人当たり約36,360円) |
航空券の料金
アメリカまでの航空券はエコノミークラスで一人当たり13万円ほどかかります。
そのため、家族4人で行くとなると、50万円以上の出費になる計算です。
しかし、航空券の価格は以下の要因により変動します。
- 時期
- 航空会社
- 直行便か乗り継ぎ便か
- 座席のクラス
によって異なります。航空費を安く抑えたい方はLCC(Low Cost Carrier:格安航空)を利用するのがおすすめです。
特に東京からロサンゼルスへの旅行を考えている方には、LCCのZipAirが運行しているため観光のオフシーズンなどは一人当たり8万円ほどで航空券を購入できる時もあります。
航空券の費用を抑えたい場合には、旅行のオフシーズンにLCCの乗り継ぎ便を購入することをお勧めします。また、価格以外で航空券を購入する時に考慮するべき点は以下の通りです。
子供が小さいうちは直行便がおすすめ
家族でアメリカ旅行する際に、子供連れの場合はなるべく空き時間を作らないようにする必要があります。飽きてしまったり、暇になってしまうと子どもの機嫌が悪くなることがあり、結果的に家族旅行が台無しになってしまうという事もあります。
そのため、子どもが小さいうちは直行便を選ぶ事をおすすめします。
一方で、子どもが成長している家族の場合は、乗り継ぎ便の航空券を購入しても問題ありません。大きくなるとそこまで機嫌を損ねたりする事もなく、乗り継ぎのちょっとした空き時間で少し観光する事も可能です。
前泊しなくても十分出発時刻に間に合うこと
地方にお住まいの方の場合、前乗りしないと間に合わないような出発時刻の航空券はなるべく避けましょう。余計に宿泊費がかかってしまうだけでなく、着替えなどの荷物も増えてしまいがちです。また、飛行時間は9時間から10時間ほどあるため、機内で眠れる時間帯にすることも重要です。
幸いアメリカへの航空券は基本的に午後発のものが多いため、それほど気にする必要はないかもしれません。
子供用運賃があること
JALやANAなどのフルサービスを提供している航空会社の航空券の価格は、
- 大人料金
- 2歳から11歳までの小児料金(大人料金の約75%ほど)
- 0歳~1歳までの幼児料金(大人料金の約10%)
の3種類となっています。0〜1歳児の料金の場合、大人料金の10%ほどで乗れる代わりに座席の用意はなく、大人が膝の上に抱える必要があります。
しかし、一部のLCC(格安航空会社)では「U6 Standard料金」というものがあり、6歳以下の子どもは格安の料金で飛行機に乗ることができます。
ZipAirなどがこのような料金プランを展開していますので、子どもがまだ小さい家族の方はぜひ利用する事をおすすめします。
ESTAの申請料金
アメリカ渡航前はホテルや航空券の予約、荷物のパッキング、旅行予定の計画など何かと大変です。家族で一緒に渡航される際には、全員分の申請を行うのは非常に時間がかかる作業となります。
申請の手間を省きたい場合には、ESTA申請代行サービスを利用することをおすすめします。
申請料金に加え、代行手数料が必要ですが、ESTA申請から取得まで全て代わりに行ってもらう事ができます。
ESTAは必須です!
ESTAとは、Electronic System for Travel Authorization(電子渡航認証)のことで、アメリカにビザ無しで渡航する際には申請が必須になります。ESTAの申請は子供から大人まで必ず取得しなければならないものなので、取得忘れが無いように注意しましょう。
ESTAの申請条件には
- 滞在期間が90日以内であること
- 渡航目的は観光・商用・トランジットのいずれか
などといった条件があります。ESTAについての詳しい解説は「ESTAとは?システムや取得条件について解説」を参考にしてください。
海外旅行保険代
海外旅行保険の料金は、1週間アメリカに滞在する場合、一人当たりおよそ2500円から3000円ほどです。渡航先のアメリカでの怪我や病気に備えて加入しておきましょう。ただし、各保険会社によって、料金や補償内容が異なりますので注意しましょう。
海外旅行保険はクレカ付帯でカバー
クレジットカードを持っている方は、海外旅行保険が付帯している場合があります。
海外旅行保険を契約する前に、付帯している海外旅行保険の内容を確認し、不安であれば契約するようにしましょう。
クレジットカードに付帯している保険は無料のため、お財布にも優しい選択肢です。
データ通信費用
アメリカで日本にいるときのようにインターネットを使いたい場合は、ポケットWi-FiやeSIMの利用を検討しましょう。
現在はスマホで、目的地へのルート案内や人気レストランの検索、写真撮影などを行うため、旅行には必須の持ち物となっています。
ポケットWi-Fi、eSIM、SIMカードのメリットとデメリットは以下の様になっています。
メリット | デメリット | 料金 | |
---|---|---|---|
ポケットWi-Fi | ①到着後、すぐに使える ②複数人でシェアできる ③多機種で接続できる |
①充電する必要がある ②受け渡しが面倒 ③破損・紛失する可能性 |
1,000円/日 |
eSIM | ①紛失・破損の心配がない ②設定が簡単 ③到着後、すぐに使える ④充電不要 |
①使えるスマホが限定される ②電話番号が使えない |
990円/月 (1GBのプラン) |
SIMカード | ①充電不要 ②かさばらない ③プランが豊富 |
①設定必要
②ピンが必要 ③SIMフリー・SIMロックが解除されたものが 必要 ④紛失の可能性が高い |
2,000円/枚 |
団体での行動にはポケットWi-Fiがおすすめ
ポケットWi-Fiは、1台持っていれば家族全員で利用する事ができます。そのため、団体行動するのが多い旅行プランの家族にはおすすめです。
アメリカに旅行する場合、1台当たりのレンタル料金は1日当たり1000円ほどです。
SIMフリー端末利用者にはSIMカードがおすすめ
SIMカードはAmazonや楽天、Yahooショッピングなどで2000円ほどで購入することができます。クーポンやセールなどでより安くする事ができるため、他の方法と比較すると安く購入することができます。
しかし、SIMカードは非常に小さいため、紛失の可能性が高いです。また特殊な設定を行う必要もあるため、機械が苦手な方にはおすすめできません。
個別行動があるならeSIMがおすすめ
eSIMはスマホに内蔵されているSIMカードを入れ替える必要がなく、現地に到着してすぐにインターネットに接続することができます。また、1台のスマホで日本とアメリカ両方のネットワークを利用する事ができる「デュアルSIM」にすることができます。
デュアルSIMにしておくことで、日本に帰国した際もスムーズにネットワーク環境を切り替えることができます。
宿泊費
アメリカへの4人家族旅行では、ツインルーム2部屋かファミリールーム1部屋の予約が一般的です。
ホテルの料金は、宿泊するホテルや部屋のランクによって異なりますので、どのホテルに泊まるかは、予算を考慮して慎重に選びましょう。
また、子供連れの場合はホテルの価格だけでなく、周辺の治安や子供向けサービスを考慮してホテルを選ぶことも重要です。できれば4つ星以上、最低でも3つ星のホテルを選ぶことをおすすめします。
宿泊費用の目安(1泊あたり) | ||
---|---|---|
ツインルーム2部屋 | ファミリールームのみ | |
5つ星 | 26,000円~ | 35,000円~ |
4つ星 | 22,000円~ | 20,000円~ |
3つ星 | 17,000円~ | 17,000円~ |
家族旅行ではコンドミニアムもおすすめ
ホテルだけが家族宿泊の選択肢ではありません。
コンドミニアムも宿泊施設の一つで、ホテルとは異なり、リビングルームやベッドルームがあり、生活家電もそろっているため、自宅にいるかのような居心地の良い空間となっています。
また、各物件が独立している部屋となっているため、プライバシーを守ることができ、子連れ旅行にピッタリです。
加えて、コンドミニアムはホテルと比較して宿泊費も安いので宿泊費を抑えて、食事や観光、アクティビティにお金を回すことができます。
ただしデメリットとして、
- ホテルよりも受けられるサービスが少ない
- 手続きが複雑な場合がある
というデメリットが挙げられます。
サービスについて、コンドミニアムは自分で生活する部屋であるというのが大前提のため、料理や掃除、洗濯といった家事は自分で行わなければなりません。ホテルの場合は、同じ建物の中にレストランやジム、キッズスペースなどがあったり、ハウスクリーニングのサービスが受けられますが、コンドミニアムはそのようなサービスは一切ありません。
手続きについてですが、一部のコンドミニアムでは、キーの受け取り方法や入館方法については、ホテルを所有している会社に事前に連絡を取る必要があります。
ホテル予約は手続きが簡単ですから、気軽に宿泊したい方にとっては不便に感じるでしょう。
ホテルチップについて
アメリカのホテルに宿泊する際には、ハウスクリーニングをしてくれるスタッフに対してチップを渡す必要があります。
ホテルでのチップの相場は1ドルから5ドルです。具体的な金額は部屋のグレードで決めてしまって構いません。シングルなら1ドル、スイートなら5ドルといった具合です。
チップがハウスクリーニングスタッフの主な収入源であることもあるため、感謝の思いを込めてチップを渡しましょう。
交通費
アメリカは基本的に車社会であるため、移動の際にはタクシーやUberなどの配車サービスを使うのが一般的です。
アメリカのタクシーの料金は地域にもよりますが、初乗り料金は2.5ドルで、その後1/5マイル(約320m)ごとに50セントが加算されます。
さらに、運賃の15%から20%のチップと州税が加算されるため、1日当たり100ドルほど準備しておきましょう。
また、タクシー料金を事前に知りたい場合は「Taxi Fare Finder」を利用するのがおすすめです。
現在地から目的地までの料金を計算できるサイトで、位置情報を読み込むだけで利用する事ができます。
「Uber」や「Lyft」といった配車サービスは待ち時間が少なく、利便性が高いことで人気があります。
配車サービスのメリットとして、
- 事前に目的地を設定するため料金が明確
- チップを支払う必要がない
- アプリで配車を頼むため、気軽に利用できる
などといった点が挙げられます。
アメリカと日本を比較すると治安面での差があるため、安全に移動したい方や子連れの方はタクシーや配車サービスを利用する事をおすすめします。
レジャー・アクティビティ費
せっかくアメリカに来たのなら、現地のアクティビティを体験しましょう。
アクティビティによって料金が異なるため、一概に言えませんが、1日あたり35ドル〜40ドル分ほど用意しておくのがおすすめです。ただし、テーマパークや遊園地などは例外として100ドル以上かかります。ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートの費用については「アメリカ旅行ならディズニーワールドがおすすめ!必要な費用から節約方法まで解説」をご覧ください。
例として、アメリカの有名な観光地の料金をご紹介します。
観光地 | 費用 |
---|---|
自由の女神 王冠の展望台 | 子ども:12.30ドル 大人 :24.30ドル シニア:18.30ドル |
メトロポリタン美術館 | 子ども:無料 学生 :17ドル 大人 :22ドル シニア:22ドル |
リンカーン記念館 | 無料 |
ニューヨーク現代美術館(MoMA) | 一般:30ドル シニア・障がい者:32ドル 学生:17ドル 16歳以下:無料 |
ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート | 1dayチケット:大人 109ドル 子供 109ドル 2dayチケット:大人 214ドル 子供 102ドル |
ユニバーサル・スタジオ・ハリウッド | 大人:109ドル~129ドル 子供:103ドル~123ドル |
食費
アメリカ旅行では外食が多くなると思いますが、家族4人ならば、1日200ドル(約3万円)を予算に加えることをおすすめします。
アメリカの外食は日本と比較して値段設定が高めになっています。
朝食に1,500円、ランチに2,000円、ディナーに5,000円の合計約1万円を1人当たりの予算として考えておきましょう。
また、レストランではチップの支払いもあるため、少し高めに見込んでおく必要があります。
買い物・お土産費用
お土産代は人によってそれぞれ異なります。旅行前にお土産リストを作成し、誰に渡すかをメモして忘れないようにしましょう。
ただし、「牛肉及び、加工された牛肉製品」は関税によって日本に持ち込むことができません。下記のリストを参考に日本への持ち込みが禁止されているものは購入しないようにしましょう。
日本に持ち込みが禁止されているもの |
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牛生肉 |
ビーフジャーキー |
ソーセージ |
ハム |
アメリカ家族旅行費用の節約方法
これまで、アメリカ旅行の費用について解説しましたが、ここからはアメリカ旅行の節約術について解説していきたいと思います。
少しでも費用を抑えたいという方には必見の内容となっていますので、ぜひ参考にしてください。
1.航空券の節約方法
航空券は時期によって値段が変動します。基本的には、予約が早ければ早いほど安い傾向があるため、アメリカ旅行を計画したらすぐに航空券を予約してしまいましょう。
また、航空費をなるべく抑えたい方は、長期休みや観光シーズンを避け、6月や年末年始以外の冬季に旅行することをおすすめします。
フライト中に機内食やドリンクなどの提供が不必要な方は「LCC(Low Cost Carrier:格安航空)」を利用するのがおすすめです。一般的な航空会社と比較して20%~50%ほど安く航空券を購入することができます。
2.宿泊代の節約方法
宿泊代を節約したい方は、ホテル予約サイトを確認し、周辺のホテルの料金を比較してみましょう。また、一部のホテルでは会員制のプログラムを行っており、お得に宿泊できるクーポンや格安な部屋等が配信されます。最安値で宿泊したい場合には、「ホテル予約サイト」と「会員制プログラム」を利用してみましょう。
3.通信費の節約方法
旅行中にスマホで電話やインターネットを利用すると費用が高くなります。必要に応じてレンタルWi-FiやSIMカード、eSIMを使って通信費を節約しましょう。
大人数での旅行の場合は、レンタルWi-Fiを共有するのがおすすめです。
携帯可能なポケットWi-Fiは、一台契約するだけで家族全員でインターネットに接続する事ができます。
アメリカ旅行に5泊7日で行く場合、価格は7000円程度となるため、家族4人で使えば1人当たりの費用を節約することができます。
4.海外旅行保険の節約方法
海外旅行保険の節約方法として、クレジットカードに付帯している保険を使用するという方法があります。無料で利用できる保険もあり、保険料を節約する事ができます。
ただし、注意すべき点として「カードを持っているだけでは保険が適用されないケース」や「家族全員分がカバーされないケース」があります。
クレジットカード付帯の海外旅行保険を利用しようと思っている方は、まずクレジットカードの保険内容や条件を確認し、足りない部分を補う形で別の保険を契約するのがおすすめです。
まとめ
以上、家族4人でアメリカ旅行する際の費用について解説しました。
予算は家族によって、また滞在予定によっても異なります。そのため、まずは旅行計画を立ててから予算を算出するのがおすすめです。
節約可能な部分は最低限のサービスに留め、他の部分にお金を回すといった考え方も重要です。
家族でのアメリカ旅行がより良い思い出になるお手伝いが出来たら幸いです。