アメリカ旅行の入国審査の流れは?よく聞かれる質問は?わかりやすく解説

アメリカ旅行をする方や出張でアメリカに訪れる方は入国審査の流れがわからず不安という方は多いのではないでしょうか?また、入国審査の際に英語が苦手なためしっかり回答出来るか不安という方も多いと思います。

この記事ではそのようなお悩みを解決するため、入国審査の準備から入国審査の流れ、また質問への回答例をわかりやすく解説していきます。

アメリカ入国審査

アメリカの入国審査は世界で最も厳しいとされています。その理由は不法入国者によるテロを未然に防ぐためです。

しかし、入国審査の手順を理解し、質問に対してしっかりと回答する事ができればスムーズに入国することができます。

そのために、

  1. 入国審査前の準備
  2. 入国審査の流れ
  3. 入国審査官からよく聞かれる質問

の3点について学んでいきましょう。

1.飛行機に乗る前に必要な準備と搭乗までの流れ

入国審査にあたって、飛行機に乗る前に必要な書類・手続きをしっかりと行っておく必要があります。下記の手順に従ってアメリカへの渡航の前に行うべきことを済ませましょう。

1-1.パスポートの確認

海外旅行に行く際の必需品であるパスポートには有効期限があります。パスポートに有効期限は顔写真ページの下部に記載されています。

パスポートの有効期限の確認方法

この有効期限は日本帰国時まで有効でなければなりません。そのため、ご自身の旅行計画と照らし合わせ、パスポートの有効期限がアメリカへの渡航当日から日本帰国日までをカバーしているかをお確かめください。

1-2.ESTAまたはビザの準備

アメリカへの渡航が90日以内で、目的が観光やビジネス(無給)であれば、ビザは不要です。その代わりに、アメリカまでの渡航を許可する「ESTA」が必要になります。ESTA申請については下記の記事を参考にしてください。

また、ESTAの申請条件に合わない方(例: 90日以上滞在する場合)はビザを取得する必要があります。アメリカビザは渡航目的に応じて取得すべき種類が異なります。下記の記事では、渡航目的別に取得すべきビザをわかりやすく解説していますので併せてご覧ください。

1-3.スムーズに入国審査が行える書類の準備

入国審査であらぬ疑いをかけられないように、以下のものを準備しておきましょう。

  • ESTAの渡航認証のコピー印刷
  • 宿泊先の予約確認書
  • ツアー予約確認書や支払い証明書(ツアーやパックでアメリカ旅行をする方)
  • 帰国便・往復便の予約確認書
  • 日本で勤務している事が証明できる書類 など

上記の書類は「帰国する意思があること」を入国審査官に提示する事ができる書類となっています。特に英語が苦手な方は、どれか一種類でも持っているだけで入国審査のスムーズさが変わりますので、持参していくことをおすすめします。

また最近、単身で女性がアメリカに渡航する際に、過度に露出度の高い服装であったり、高級ブランドの派手な服装をしていると不法就労を疑われ、入国拒否されてしまう事案が頻発しています。

女性が単身でアメリカに渡航する際には、服装に気を付けたり、上記の書類を持参するなどして不法就労する意思がないことを証明するようにしましょう。

1-4.「Visit Japan Web」の登録

「Visit Japan Web」は、海外から日本に帰国する際に、入国時に必要になる入国審査や税関検査などの手続きをWeb上で行う事のできるサービスです。日本のデジタル庁が配信しているため、セキュリティも万全となっています。

日本に帰国する前に登録しておくことで帰国時の手続きがスムーズになりますので、早めに登録しておきましょう。

登録手順は以下の通りです。

  1. Visit Japan Web登録サイトにアクセス
  2. 「利用を始める」をクリックし「新規アカウントを作成」(メールアドレスとパスワードを登録)
  3. ログインし利用者情報を入力
  4. 日本への帰国予定日と連絡先情報などを入力
  5. 入国審査(※日本人の方は入力する必要がありません。)
  6. 税関申告

1-5.航空会社のチェックイン

空港に到着後、まずは航空会社のカウンターか自動チェックイン端末でチェックインをしましょう。お持ちのスマートフォンからオンラインチェックインを行う事もできますので、混雑状況を見て利用しましょう。

また、乗り継ぎ便を利用する方は、一度荷物のピックアップが必要になります。時間が空いた時に経由する空港での荷物受け取り場所を確認しておくとスムーズに乗り継ぎできます。

1-6.荷物を預ける際の手続き

アメリカに旅行する際には、スーツケースやキャリーケース等の大きな荷物を持って行くことが一般的ですが、あまりに大きな荷物は飛行機内に持ち込むことができません。

そのため、航空会社に荷物を預ける必要があります。

預けられる荷物の重量制限等のルールは各航空会社によって異なりますので、公式ホームページやスタッフに確認しましょう。

また、アメリカに持ち込むことができる物品には制限があります。アメリカの税関申告書について解説している記事に免税範囲と持ち込み禁止物品について解説していますので、パッキングの際には参考にしてください。

1-7.日本の出国審査とセキュリティチェック

飛行機に乗る前に、保安検査場でセキュリティチェックが行われます。上着や手荷物、電子機器(スマホ・PCなど)、液体、金属類をトレイの上に乗せ、金属探知機やスキャンなどで危険物を所持していないかチェックが行われます。

出国審査では一人ずつ職員がチェックするケースと、自動出国ゲートでチェックする場合の2種類があります。

出国検査とセキュリティチェックは出発時刻の1時間前までに済ませておきましょう。

1-8.飛行機へ搭乗

上記の全ての手続きが完了したら、あとは飛行機に搭乗するだけになります。国際線の場合、出発30分前までに搭乗口に到着しているように求められる事が多いため、時間に余裕をもって移動しましょう。

搭乗時刻となり、案内があったら係員の指示に従って飛行機に搭乗しましょう。

2.アメリカの入国審査の流れ

アメリカに到着したら、いよいよ入国審査が始まります。流れや手続きをしっかり把握し、スムーズに審査を受けることができるように準備しましょう。

2-1.入国審査場に向かう

アメリカの空港に到着したら、飛行機から降りて入国審査場に向かいます。

広いため、混乱してしまう事も多いと思いますが、「Immigration Control」や「Passport Control」と書かれた案内に従って進んでください。

入国審査場では、アメリカ国民かその他の国の国民なのかによって並ぶ列が異なります。

日本の方は「Non-U.S.Citizens(非居住者)」や「Visiter(訪問者)」と書かれた列に並び順番を待ちましょう。

アメリカの入国審査について

また、一部の空港では、自動で入国審査を行える端末「APC Kiosk」が設置されています。こちらは機械によって入国審査を行えるもので、日本語にも対応しています。

ただし、日本国籍の方がAPC Kioskを利用するには、2008年以降にアメリカに渡航歴があり、ESTAを所持している人のみです。

2-2.入国審査

外国人用の入国審査の列にならび、自分の順番が来たら係員によって入国審査へ誘導されます。まずパスポートの確認が行われます。事前にケースから出しておき、すぐに提出できるようにしておきましょう。

パスポートを提出する際には、入国審査官から下記のようなフレーズで質問されます。

質問例
May I see your Passport?
パスポートを見せてください。

または、「Passport please?」などといった簡単なフレーズになるかもしれません。

パスポートを提出する時の回答例は下記になります。

回答例
Here you are.
どうぞ、こちらです。

また、「This is my passport.」でも全く問題ありません。

ご家族で渡航された方は家族と一緒に入国審査を受けることができます。この際には、全員分のパスポートを一度に提出してしまって問題ありません。

2-3.本人確認「顔写真の撮影・指紋登録」

2004年9月からアメリカに入国する全ての旅行者は、本人確認のため顔写真の撮影と指紋登録を行う事が原則です。

顔写真の撮影の際には、顔全体がしっかり映るようにサングラスや帽子、マスクを外さなければなりません。その他の事項について係員からの指示があった場合は素直に従いましょう。

指紋登録に関しては、カウンター上にある専用の機器にて10本の指全てをスキャンします。また、2020年10月からロサンゼルス国際空港などの一部の空港では、過去にアメリカに入国したことがある方は指紋登録が不要になっています。

空港ごとにルールが異なる場合があるため、利用する空港の係員の指示に従ってください。

2-4.入国審査官からの質問に回答

入国審査では入国審査官との簡単な質疑応答があります。基本的には、旅行目的や滞在日数などといった質問がされます。単語での回答でも通じることが多いので、リラックスして対応しましょう。

3.入国審査官からよくされる質問

入国審査でよくされる質問について会話例をもとに解説していきたいと思います。回答の際に重要となるポイントは下記の通りです。

入国審査時の質疑応答のポイント
・はっきりと答える
・簡潔に回答する
・聞き取れなかった場合は聞き返す
・単語で回答しても良い

入国検査場は多くの人がいて混雑しているため、うまく聞き取れない事も多くあります。また、話しているスピードが早くて聞き取れないということもあります。

そういった場合には「Excuse me?」などと聞き返しましょう。

また、丁寧に聞き返したい場合には下記のフレーズを使ってみましょう。

丁寧な言葉で聞き返すときのフレーズ
Could you say that again?

入国審査官から良くされる質問と回答

入国審査では主に「渡航目的」「滞在期間」「滞在先」「職業」について質問されることが多いです。まずはそれぞれの質問と回答例について見ていきましょう。

渡航目的についての質問と回答例

質問 回答例
What is the purpose of your visit?
(アメリカに来た目的は何ですか?)
①I’m here for sightseeing.
(観光です。)
②Business.
(ビジネスです。)
③My purpose is study.
(留学です。)
④Holiday.
(休暇です。)
Are you here for business or sightseeing?
(あなたの渡航目的はビジネスですか?観光ですか?)

滞在期間についての質問と回答例

質問 回答例
How long are you going to stay?
(どれくらい滞在する予定ですか?)
実際に滞在する期間を回答。
①5 days.
(五日間です。)
②Until 28th April.
(4月28日までです。)
③For 2 month.
(2か月間です。)
How long will you stay in this country?
(この国にどのくらい滞在つもりですか?)
How many days are you staying?
(何日間滞在しますか?)

滞在先についての質問と回答例

質問 回答例
Where are you staying?
(滞在先はどこですか?)
宿泊先のホテル名・住所・滞在先を回答
①I am staying in ○○hotel.
(○○ホテルに泊まります。)
②At my friend’s place.
(友達の家です。)
③I’m going to stay in ××.
(××に泊まる予定です。)
④I will look for a hotel later.
(後で探す予定です。)
Where will you stay?
(滞在先はどこですか?)

職業についての質問と回答例

職業についての質問をされたときには、自分の職業の英単語を知っていなければなりません。下記の職業の英単語を確認してしっかり覚えましょう。

職業 英単語
会社員 a company employee for 会社名.
公務員 a public worker または a goverment worker
フリーランス a freelancer
学生 a student
自営業 self-employed
アルバイト a part-time worker
質問 回答例
What is your occupation?
(あなたの職業はなんですか?)
職業を回答
①I’m a sales person.
(営業職です。)
②I’m a company employee for ○○(会社名)
(私は○○の会社員です。)
③I’m a student.
(学生です。)
What do you do?
(あなたはどのような事をしていますか?→職業は何ですか?)
What’s your job?
(仕事は何ですか?)

また、「No job.」と回答すると不法就労の疑いを持たれる可能性があるため、「I’m a part-time worker.(アルバイトです。)」や「I’m a homemaker.(主婦(夫))です。」と回答するのが好ましいです。

h4:その他の質問

質問 回答例
質問 回答例
Do you have a return ticket?
(帰りの航空券は持っていますか?)
①Yes.
(はい。)
②Yes, here it is.
(はい、これです。)
First time in the States?
(アメリカに来るのは初めてですか?)
Have you ever been to the U.S.?
(今までにアメリカに来た事はありますか?)
How many times have you ever been to the States?
(今までに何回アメリカに来た事がありますか?)
アメリカに来た回数を回答
①Yes. First time.
(はい、初めてです。)
②No, it is the first time.
(いいえ、初めてです。)
③It is second times.
(これで二回目です。)
Are you traveling alone?
By yourself?
(一人でご旅行ですか?)
①I travel by myself.
(一人で旅行です。)
②With my friends.
(友達と一緒です。)
③I’m traveling with my family.
(家族と一緒に旅行をします。)
Where is your final destination?
(最終目的地はどこですか?)
都市名を回答
①New York
②Hollywood
③Miami

会話例:家族でニューヨークに旅行する場合

家族でニューヨークに旅行する場合の入港審査官との会話例

会話例:カップルでロサンゼルスの友人宅に宿泊する場合

カップルでロサンゼルスの友人宅に宿泊する場合の入港審査官との会話例

会話例:出張でシアトルに行く場合

出張でシアトルに行く場合の入港審査官との会話例

その他入国審査時について

税関申告書について

以前までは税関申告書はフライト中に配られ、機内で記入するのが一般的でした。しかし、現在は、税関申告をする方のみがアメリカの専用カウンターに行き記入する形式となっています。

税関申告書の書き方については下記の記事を参考にしてください。

I-94(出入国カード)について

「I-94」はアメリカに入国する際に出入国記録に関する情報を入国審査官に提出する書類です。以前までは紙での提出が求められていましたが、2013年4月から一部デジタル化されました。

そのため、現在飛行機や船舶を利用して、空路・海路でアメリカに入国する際にはI-94を提出する必要はありません。

ただし、メキシコやカナダ等から陸路でアメリカに入国する際にはI-94の提出が必要になります。詳しくは下記の記事をご覧ください。

預け荷物について

スーツケースやキャリーケースなどの大きな荷物は航空会社に一度預ける必要があります。この預け荷物はアメリカ運輸省(TSA:Transportation Security Admission)により、施錠しないことが求められています。

検査時に不審物の反応があった場合は、係員によって許可なく中身の調査が行われ、施錠されている場合は荷物の所有者、航空会社への通知なしに破壊され検査されることもあります。

そのため、荷物は施錠せずに預けるようにしてください。

防犯が心配な方は、「TSAロック」を装備したスーツケースの使用を推奨します。

TSAロック付きの場合は鍵をかけても問題ありません。

アメリカ入国審査にかかる時間

観光シーズンや連休期間は、アメリカ入国審査に時間がかかりがちです。

到着後の予定は十分に余裕を持ったスケジュールを立てましょう。

乗り継ぎがある場合は、少なくとも2時間、できれば3時間以上の余裕を見ておくことを推奨します。

アメリカ出国審査

アメリカからの出国時には、入国時のような審査や税関検査は行われません。荷物を預け、身体検査と手荷物検査を行うだけになります。

なお、陸路でメキシコやカナダから入国した方は、「I-94」の半券を提出する必要がありますので注意しましょう。

まとめ

以上、アメリカ旅行の入国審査について解説しました。アメリカの入国審査は世界で最も厳しいと言われていますが、正しい手順を理解しておくことで問題なく通過することができます。

この記事を参考に、快適なアメリカ入国が出来る手助けになったら幸いです。

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