ESTAで永住権取得はできない! 正しい永住権申請の方法

アメリカでの永住権の獲得を目指して渡航する方は、ビザ免除プログラム(VWP)の一環であるESTAを利用して渡航することはできません。理由は、ビザ免除プログラム(VWP)は「移住する意思がない方」向けの観光・ビジネス用のアメリカ渡航システムだからです。この記事では、永住権を獲得することを目指している方必見の内容になっています。

永住権とは

アメリカの永住権は、外国からの移民の地位の一種で、出身国の国籍を有したままアメリカでの「居住する権利」と「労働する権利」が与えられるものです
グリーンカードとしても知られている永住者カードが与えられることで初めて永住権を獲得できたことになります。
また、定期的に更新を行うことで無期限で米国滞在が許可されます。

永住権を獲得した方は、アメリカの州法や現地法で保護されアメリカ国内のどこにでも移住することができるように
なります。
しかし、永住権を獲得した方はアメリカ国税庁へ収入に比例した税金を納めなければなりません。
アメリカの徴兵制度によって、18歳〜25歳の男子には徴兵の義務が発生します。

ESTAで永住権は取れる?

導入でもご説明しましたが、ESTAを利用して渡航しても永住権は取れません
主な理由は、2つあります。

1つ目は査証免除プログラム(VWP)は移住する意思がない方向けの渡航システムであるからです。ESTA申請を行う際に、滞在目的が明確でないとなりません。
また、以下の表のパターンのどれかに当てはまらないと渡航拒否されます。

①アメリカでの観光目的の旅行
休暇や娯楽、友人や親族の訪問・同窓会等の社交・ボランティアのような報酬を伴わない活動、音楽やスポーツイベントの参加
②アメリカでのビジネス目的の渡航
取引先との交渉や会合・科学や教育、専門分野の会議の出席・契約・財産の処理
③第三国への渡航 アメリカで乗り継ぎをしなければならない場合(トランジット)

2つ目の理由は、滞在可能時間の問題です。ESTAは許可される連続滞在可能な日数が90日間しかありません。永住権の取得には少なくとも1年以上はかかります。ESTAで渡航した場合、アメリカに90日以上滞在することは違法です。

そのため、永住権を取る場合にはESTAはご活用いただけません。

ESTAとビザの違い

ESTA(エスタ)は90日以内の期間アメリカに滞在可能な「電子渡航認証システム」です。渡航目的は非常に限られています。しかし、比較的安価で取得までに時間がかからないことから、一般的な観光やビジネスの交渉等の短期滞在にピッタリな制度です。

一方、ビザはアメリカで長期滞在することが認められる「査証」です。アルバイトを含む就労や、留学など滞在目的に応じて取得すべきビザの種類は変わります。

90日以内の滞在でも留学や就労を目的とする場合には該当するビザの取得が必要になります。下記にESTAとビザの大まかな違いの表を作成しました。

ESTA(エスタ) ビザ
滞在期間 最大90日 6か月~10年
※ビザの種類によって異なる
渡航目的 一般的な観光・短期ビジネス
(契約・交渉など)
就労・転勤・留学・結婚など
多岐にわたる
価格 21米ドル 160米ドル~
※ビザの種類によって異なる

永住権を取得する方法

アメリカの永住権を獲得する方法として、まずアメリカのビザを取らなければなりません
永住権を獲得するまでの期間は少なくとも1年はかかります。そのため、長期的に米国滞在できるビザの申請が必須です。
永住権を獲得するために取得するビザとして一般的なものは以下の2種類です。

H-1ビザ・Lビザ
現地での就労を経験している場合
Kビザ
国際結婚等で家族でアメリカに移住する場合

就労ビザの種類

就労ビザには様々な種類があります。主要な2種類の就労ビザについて紹介していきます。

H‐1ビザ
H‐1ビザは米国の企業で専門的な知識を活用して就労している人
またはこれから就労する人に向けられたビザです。
特定分野で学士以上の学位を持っている職務に就いている人または
これから行う職務と完全に一致している分野での経験が6年以上の方が取得できるビザです。
Lビザ
Lビザは米国内の多国籍企業で海外からアメリカに転勤する場合取得できるビザです。
別名企業内転勤ビザと言われています。
ビザ取得の対象者は
・米国内の関連企業に転勤する従業員
・管理職以上のポジションであるまたは、専門知識を持つ方
・ビザを申請する直前3年以内に最低1年以上米国外で経営管理や管理職
特殊技能職員として勤務した方

就労ビザから永住権の申請方法

就労ビザでアメリカに入国後、就労を経験した方が永住権(グリーンカード)を取得するためには所属している、
または所属する予定の企業が永住権申請者のスポンサーとなり、手続きをしていかなければなりません。
永住権を取得していくステップは5段階に分けられ、最初の3ステップは主に企業の審査を行います。

①規定給料の設定

規定給料の設定とは、永住権申請者に対して支払われる給料を決める事です。
労働局に対して給与設定を提示し、業務内容や、所在地(場所や州によって賃金に差があるため)
役職、必要条件等の要素から妥当な給料が提示されているかを考え、決めるものになります。
このステップで重要な部分は、後述する④の「I‐140の申請(審査)」で申請者のスポンサーとなる企業が規定給料をしっかり支払えるだけの経済的な能力があるかを証明しなければならないことです

②人材募集広告

人材募集の広告を約一か月間行い、広告に対する反応を見ます。企業側は、この募集広告を行うことで既存のアメリカ人では十分な労働力が得られない事を証明しなければなりません。

③「Labor Certificationの取得」

「Labor Certification」とは、次の段階に進むために労働局から提出される許可証のことです。
この申請はすべてインターネット上で行われ、審査には5〜7か月と長期間かかります。
許可証が出なかった場合は「audit」と呼ばれる質問用紙が届きます。
「audit」は企業側がどのように募集広告を行ったか、どのような調査をして該当の職務に合う
アメリカ人の人材が見つからなかったと判断したのかに関する質問に答える用紙です。
また、募集の条件が業務において必須であることを証明する書類も添付する必要があります。

④「I‐140の審査」

「I‐140の審査」は①で述べた通りスポンサーの企業に給料を支払うだけの経済能力があるかどうかが
カギになります。
申請者が現在その企業で働いており、すでに既定の給料が支払われている場合、認可される可能性は高いです。
しかし、申請者の既定の給料が支払われていない、もしくはまだ企業で働いていない場合は企業の純利益が既定の
給料額以上にあるかどうかが判断対象になります。
純利益が既定の給料以上であれば認可の許可がおりる可能性は高いです。
しかし、規定に満たない場合は認可が下りません。

現在の給料と企業の純利益が規定に達していなかったとしても、会社自体に既定の給料を支払えるだけの資産がある
場合は認可が出る可能性が高いです。この場合、会社の資産表で判断されることが多いです。

⑤「I‐485またはConsular Processingの審査」

I‐485とConsular Processingは、どちらも永住者へとステータス変更を行う手続きの書類です。大きな違いはI‐485はアメリカ国内で、Consular Processingはアメリカ以外の国の米国領事館経由で申請を行うことのみです。

最も重要なのはPriority Dateと呼ばれる毎月更新される移民局が労働許可申請を受け付けた日付のことです。
後述しますが、就労ビザから永住権を取得するには「EB‐2」と「EB‐3」の二種類のカテゴリーがあります。EB‐2は修士号を持っているか、学士号+ 5年間の職務経験のある人が当てはまります。
EB‐3は学士号を持っているか、2年以上の職務経験がある方が対象です。
EB‐2に該当する方はPriority Dateに関係なく2年から2年半でグリーンカードを取得することができます。
しかし、EB‐3の場合は申請者の優先日(Priority Date)の順番が回ってくるまで待たなくてはなりません。
現在は一月で約2か月分のPriority Date1が進んでいきます。
そのため、優先日を待つ時間だけでも3年半ほどかかります。またペースが早く会ったり遅くなったりするため、
一概にどれほど待つかはわからないということです。

以上が就労ビザから永住権を取得する方法になります。
永住権獲得まで非常に長い期間をアメリカで過ごさなくてはなりません。
一日でも早く永住権を獲得したい方は、なるべく早く行動を開始しましょう。
まずは、就労ビザを取りその後段階を踏んでから永住権の獲得に移っていきましょう。

婚約者ビザを使って永住権(グリーンカード)を取得する

結婚を機にアメリカに移住する方はKビザもしくは、CR‐1ビザの2種類が永住権取得までに適しています。

Kビザ(婚約者ビザ)は米国籍者の婚約者と結婚し、米国で永住を希望する方向けに設けられました。
K‐1ビザの取得には4つの条件を満たさなくてはなりません。

・どちらかが米国国籍を持っていること

・双方友法的に結婚できる状況にあり、未婚であること

・お互いが実際に直接あったことのある人であること

・婚約者ビザを取得し、米国入国後90日以内に結婚しなければならない

※アメリカでの永住が目的でない場合、婚約者ビザを取る必要はありません。

 アメリカで挙式を上げ、その後米国外の自身の居住国へ帰国する場合は、観光ビザ(B‐2ビザ)または、
渡航要件が満たされているなら、ESTA(エスタ)をご利用できます。

K‐3ビザ、CR-1ビザは、結婚をすでに行われている方向けのビザです。結婚後2年未満の方はCR-1ビザ、2年以上の方はIR-1ビザで渡航しましょう。

移民ビザ CR‐1ビザ 婚姻2年未満の方に与えられる2年間有効なビザ
IR‐1ビザ 婚姻2年以上の方に与えられる10年間有効なビザ
非移民ビザ K-1ビザ アメリカ国籍の方の婚約者に与えられる非移民ビザ

渡米後、90日以内に入籍、永住権の申請が行える。
アメリカ国籍の方の配偶者に与えられる非移民ビザ
K‐3ビザ アメリカ国籍の方の配偶者に与えられる非移民ビザ

永住権と同時に申請を行うことができる。
K-3ビザが永住権より早く下りた場合に、K‐3ビザを使って渡米する。

また、婚前か結婚後かによって永住権の取得方法に違いが生じます。下記に流れを記載しますので、是非参考にしてください。

結婚前に渡米し、アメリカで永住権を得る場合

アメリカ国籍保持者と婚約中であり、渡米してから永住権申請を行いたい方は非移民ビザを取得しましょう。
結婚目的での非移民ビザは主に「K‐1ビザ(婚約者ビザ)」「K‐3ビザ(配偶者ビザ)」で、アメリカ市民との結婚を機にアメリカでの永住を目指す外国人を対象者としています。

K‐1ビザの申請者はアメリカで市民権を持つものに限られています。また、K-1ビザはアメリカ市民が外国人婚約者のために取得する制度になっています。

そのため、アメリカに移住して90日以内に結婚することが条件に盛り込まれています。

K-3 ビザはアメリカ市民とすでに結婚している方と21歳未満の未婚の子供が対象です。アメリカに渡航してから永住権の申請を行うことを目指します。

下記にKビザ取得までの流れを記載、解説いたします。

① I‐129(請願書)の記入と提出
Kビザの申請は、アメリカ市民が自分の外国人婚約者のためにUSCIS(米国移民局)へ請願書を提出するところから
始まります。「I‐129」はアメリカ国内にあるUSCIS(米国移民局)へ直接送付しなければなりません。日本国内の
米国大使館や領事館では受け付けてませんので気を付けましょう。申請が受領されるまでにかかる時間は個人の状況によって変化します。USCIS(米国移民局)の公式ホームページでは請願書に記載のある「請願書番号」を入力することで自身の申請状況の詳細が確認できますので是非ご活用ください。

②I‐797(請願書許可通知)を受け取る
I‐797(請願書許可通知)はUSCIS(米国移民局)がアメリカ国籍の請願者または登録した弁護士に向けて届く書類で、請願書が許可されたことを通知するものです。I‐129(請願書)はNVC(国際ビザセンター)に転送され、外国人婚約者の居住地の大使館・沖縄米国総領事館に送られます。許可されたI-129(請願書)は通知日から数えて4か月目に失効します。

③在日米国大使館・沖縄総領事館からの指示書が届く
許可通知を受けてから約3週間後に大使館・総領事館から指示書が届きます。指示書は郵送またはeメールで届きますので内容をご確認ください。

④DS-160を提出する
ビザ申請者は指示書が届いた後DS-160をオンラインで提出しなければなりません。
「申請を行う場所」は東京か那覇を選択しましょう。
DS-160はビザ発給の手続きに必要になる書類です。発給資格があるかを検討する材料になるものです。
情報の入力が間違わないように丁寧に入力しましょう。

また、ビザ発給に必要になる大使館・領事館での面接にてDS‐160の確認ページのコピー印刷と申請ID、入力後に表示されるバーコードが必要になりますので当日までに保存しておきましょう。 

⑤申請者のプロフィール登録
ビザ申請者はオンライン上でのプロフィールの登録が必須です。要件に合わせた情報を入力してください。また、プロフィール情報を手直ししたい方は「プロフィールのアップデート」をクリックすることで再度入力しなおすことができます。

⑥必要書類の確認
在日米国大使館・総領事館での面接時に持参しなければならない書類の一覧です。
「在日米国大使館・総領事館 移民ビザ課」より書類の提出が求められた場合、指示に従って決められた日程・方法で書類の提出を行ってください。

・5㎝×5㎝の証明写真
直近6か月以内に撮影したもので、背景は白が推奨されています。
また、眼鏡をかけている方は眼鏡を外して撮った写真をご用意ください。

・パスポート
有効期限内のパスポートで、ビザ発行日から6か月以上有効なものをご準備ください。

・DS‐160確認ページのコピー

③で入力されたDS‐160の確認ページのカラーコピー印刷

・出生証明書
出生記録もしくは、戸籍謄本の原本または公式なコピーが必要になります。公式記録の写しであることを示すために、出生証明書には公式な記録管理を行っている人の捺印・署名のどちらかが必要です。

・財政証明
自身や自身の家族がアメリカで生活する際に生活保護を受ける必要がないことを示すために、収入があることを証明する書類です。申請者か米国籍の婚約者、アメリカ在住のスポンサーが経済的に自立し、家族を扶養できることが誰が見ても明らかであるものを提出してください。

・前婚が解消している証明
以前結婚されていた方は、婚姻関係が解消していることを証明する離婚証明書か死亡証明書の公式なコピーが必要です。

・婚約関係の証明書
請願者と申請者が正式な婚約関係であることを示す書類。
手紙や写真など、関係が証明できるものである必要があります。

・警察証明書
16歳以上の申請者は、居住したすべての国の警察証明書の原本もしくは、証明書の提出が必要です。
東京に居住している方は警視庁、その他の道府県に居住している方は各警察本部へお問い合わせの上、
警察証明書を入手してください。

日本の警察証明書は封が閉じられた状態でわたされます。開封すると無効になりますのでそのまま提出してください。

・裁判・拘置記録
裁判・拘置を受けたことのある申請者は裁判・拘置記録の原本または公式なコピーが必要になります。もし、釈放され恩赦や赦免を受けていても提出する義務があります。

・軍隊除隊記録
自衛隊といった軍隊に所属していたことのある方は、従事した兵役内容が記録された認証謄本を持参しましょう。
自衛隊の記録は各部隊に申請する事で入手することができます。

・健康診断書
アメリカ衛生局が指定した医療機関での健康診断の受診が義務付けられています。
2021年10月以降、新型コロナウィルスの予防接種完了が義務付けられました。

⑦申請料金のお支払い
書類提出がお済みの方は、ビザの申請料金の支払いが発生します。
支払い完了後は受付番号を保存しましょう。
ビザ申請料金は返金ができません。支払いが重複しないように決済の必要項目を確認しましょう。

⑧領事官との面接日時を予約する
⑤で登録したプロフィールにログインし、「面接予約」をクリックしましょう。
希望日時の設定を行い予約完了したことを確認出来たら「受付番号確認ページ」のコピーをしておきましょう。

⑨面接
Kビザ申請者は指定日時を確認し、在日米国大使館・総領事館へ訪れ面接を行いましょう。
面接日は長時間待つことが多いので、時間に余裕を持たせましょう。
面接後、Kビザの申請の結果が発表されます。追加で書類が必要になる場合は領事官から該当の書類と指定日が
伝えられますので、期限内に提出しましょう。

ビザの取得が出来た方は、約一週間後にビザが添付されたご自身のパスポートが届きます。
有効期限が間違っていないかを確認しましょう。

加えて、ビザを受け取った際に密封された封筒「Immigrant Visa Packet」が同梱されています。
この封筒は開けずにアメリカ入国時にCBP(米国国土安全保障省 税関・国境取締局)の入国審査官に提出しましょう。

※発給されたビザに「IV Docs in CCD」と印字されている場合はImmigrant Visa Packetが電子化されており、パスポートのみ届く場合もあります。この表記がある場合でもImmigrant Visa Packetが一緒に入っている場合がありますので
しっかり確認しましょう。

※ビザの発給が却下された場合は書面にて申請者に通知されます。

⑩渡米し90日以内に結婚する
K-1ビザが発行され、アメリカに渡航する際に90日以内にアメリカで結婚しなければならないという条件があります。K-1ビザは通常6か月が有効期限になります。結婚後はUSCISへ報告をしなければなりません。USCISへの報告が完了した段階で、条件付きで永住権(CF-1 法権付グリーンカード)が発給されます。
グリーンカードは通常半永久的にアメリカでの生活を保障するものですが、条件付きの場合は2年間アメリカで永住者として暮らすことができます。条件がなくすには、

・2年間同じ米国市民または永住者と生活している
・正式に結婚をしたが、伴侶に先立たれた
・正式な結婚をしたが、離婚や子人の取り消しによって結婚生活が終了した。
・正式な結婚をしたが、米国市民または永住者から虐待や苦難を強いられた。

のどれかに当てはまる必要があります。

結婚後にアメリカに渡航し永住権を得る場合

すでにアメリカ国籍者・永住権保持者と結婚している方は、移民ビザの「CR-1ビザ」・「IR‐1ビザ」の取得を目指しましょう。
結婚後2年未満の方は「CR‐1」、結婚後2年以上の方は「IR‐1」の移民ビザが取得できます。
どちらのビザも手続きに違いはありません。
移民ビザはアメリカに移住することを前提に取るビザです。
移民ビザの申請をし、日本の米国領事館・大使館にて面接を行い渡米してから永住権の発行を行うのが最もポピュラーな方法です。下記では永住権発行までの一連の流れをご紹介していきます。

①移民アメリカビザを取得するための嘆願書を提出する
まず初めに「フォーム I‐130」を提出しなければなりません。
「フォーム I‐130」はアメリカ国籍保持者が、非アメリカ国籍である自身の配偶者や家族がアメリカで生活できるようにグリーンカードを発給することを申請する書類です。
この書類は米国移民局(USCIS)にオンラインまたは郵送で提出することができます。
歎願申請料として、535米ドルを支払わなくてはなりません。米国移民局(USCIS)が書類を受け取り、入金が確認できますと、受領通知が届き、書類審査が始まります。審査には約2か月〜1年ほどかかります。

②国際ビザセンター(NVC)へ転送
米国移民局(USCIS)での審査が無事通過すると、国際ビザセンター(NVC)へ書類が転送されます。書類を受け取った国際ビザセンター(NVC)ではオンラインシステムに専用のケースが作成されます。ケースが作成されるとConsular Electronic Application Center(CEAC)からウェルカムレターが届き、申請者の書類の進捗状況や、重要なメッセージの受信、登録した情報の変更などを受け付けています。

③CEACへの転送が確認できた段階で「移民ビザ申請手数料(Immigrant Visa Application Processing Fee)」と「扶養証明書(Affidavit of Support Fee)」の支払いをしなければなりません。

④扶養証明書(フォーム I‐864)の記入
扶養証明書はフォーム I‐864とも呼ばれており、スポンサーとなった米国国籍の方がアメリカに永住する目的で来る申請者のために経済的援助の責任を負うことに同意する書類です。
スポンサーとなった方は扶養証明書を記入しなければなりませんが、もし収入が十分でない場合には、共同スポンサーとして別の人が記入することも可能です。扶養証明書には法的強制力があり、スポンサーの経済的責任は申請者がアメリカの市民権を得る、もしくは10年経過するまで続きます。

⑤財政能力証明書を集める
扶養証明書の提出を終えたら、扶養できることを証明するために提出する書類を集めなければなりません。
多くの場合は年収や貯蓄額で判断されるため、銀行口座通帳などを提出しましょう。

⑥ オンラインでビザ申請をする(DS‐260)
③の移民ビザ申請手数料を支払い終わり、CEACのマイページのステータスが「PAID」になっていることを確認してください。その後「フォームDS‐260」をオンラインで提出しましょう。「フォームDS‐260」は申請者の個人情報や家族情報が記載される書類です。記入漏れがないように確認してから提出しましょう。

後述しますが、大使館での面接にDS‐260のコピーの印刷が必要になります。提出後、CEACのマイページからいつでも印刷できます。必ず持っていきましょう。

⑦個人情報書類を集める
DS‐260の記入、提出が完了したらアメリカに渡航する予定の家族の情報が記載された書類を提出しなければなりません。個人情報の書類はビザの申請を後押しする情報として活用されます。下記に必要な書類をリストアップしますのでご参考にしてください。

・戸籍謄本
・マイナンバーカード
・犯罪証明書
・パスポート

⑧ 個人情報書類のスキャン
⑦の個人情報書類をすべてスキャンし電子化してください。この時に、一書類につき一ファイルで保存しなければならないことに注意しましょう。ファイル形式はPDFが元も適しています。また、書類を翻訳する必要はありません。この後に受ける面接が在日米国大使館のため、日本語でも問題ないです。

注意事項として、国際ビザセンター(NVC)からの書類提出指示があるまでは提出しないようにしましょう。

⑨スキャンした書類の提出
CEACのマイページにて、個人情報書類をオンラインで提出しましょう。ただし、面接では書類の原本の確認があるため、面接当日には忘れずに持参しましょう。

⑩面接前にしなければならないとこ
NVCが大使館での面接予定日を決めると、Appointment Letter(予約日の連絡)が届きます。記載された面接日までに以下の事を済ませておかなければなりません。

1.健康診断の実施
指定された病院で健康診断を行いましょう。診断結果は病院側が直接報告するか、未開封の封筒が渡されるので面接時に持参しましょう。結果が出るまでに五日ほどかかりますので、その場で渡されなくても焦らずに待ちましょう。

また、健康診断の結果の有効期限は半年です。面接日に合わせて健康診断の予約を行いましょう。

2.面接時に持参しなければならない書類
・封筒もしくはレターパック
面接の時にビザを貼るためパスポートを預けなければなりません。そのパスポート返送用の封筒もしくはレターパックです。自身の居住先の住所と内容物の欄に「書類」と書いておきましょう。

・NVC Interview Letter
・パスポート
有効期限に注意しましょう。失効日までに半年以上の猶予があるものが望ましいです。
・パスポートの顔写真ページのコピー
・5㎝ × 5㎝サイズの証明写真 2枚
アメリカのパスポートのサイズの証明写真です。
・フォームDS‐260のコピー印刷
・戸籍謄本の原本・コピー・翻訳
(・健康診断書)

⑪面接
アメリカ大使館にて予定日に面接を行います。上記記載の書類を忘れないようにしましょう。この面接は、領事館のスタッフが移民アメリカビザを受け取ることに適しているかを判断するためのものです。正直に面接に答えましょう。
また、面接の手順の一環として、指紋の採取があります。

面接に出席しなければならない方は基本的には申請者のみになります。しかし、ほかに出席する必要のある人はNVCからの面接通知書に名前が記載されますので、ご同行頂く場合もございます。

面接に出られない場合は、できるだけ早い段階で大使館または領事館へ連絡する必要があります。連絡をしなかった場合はビザ申請が取り消される可能性があります。

また、日時を変更する必要がある場合は大使館公式ホームページから移民ビザ予約リクエストを行う必要があります。

⑫面接後
無事ビザが承認された場合は、パスポートとビザがどのように返還されるかの通知が来ます。パスポートが返還されたら、まず移民ビザが記載されているかを確認してください。

その後、記載されている情報に誤りがないかを確認しましょう。名前のスペルや経歴に間違いがあった場合は、早急に大使館・領事館に連絡してください。
誤りがない場合は、ビザに記載された有効期限までにアメリカ渡航をしましょう。

ただし、ビザはアメリカ入国を保障するものではありません。入国管理官や米国税関の職員、国境警備局の職員から
何か指示があった場合は、素直に従いましょう。渡航後は、永住権へ切り替えましょう。

以上がKビザ申請から永住権取得までの流れです。

CBP Global Entry Program(グローバルエントリープログラム)について

Global Entry Program(グローバルエントリープログラム)とはアメリカのCBP(米国国土安全保障省 税関・国境取締局)が開発した事前入国審査プログラムです。事前審査で米国に危険をもたらすリスクが低いと判断された旅行者が米国到着時に入国手続きが迅速かつ簡素化されます。アメリカ市民や、永住権を持っている方をはじめ、その他13カ国の国民が利用できます。Global Entry Program(グローバルエントリープログラム)を利用できる国の詳細は下記の表をご覧ください。

Global Entry Programの対象
・アメリカ市民
・アメリカで永住権を持つもの
・その他13カ国の国民
アルゼンチン   シンガポール
インド    スイス
台湾     韓国
オーストラリア ニュージーランド
コロンビア   メキシコ
ドイツ    パナマ
カナダ       

御覧のように、日本国籍の方はまだGlobal Entry Program(グローバルエントリープログラム)の対象者とはなっていません。

日本の渡航者はESTAの申請を行って入国前審査をしなければなりません。
しかし、永住権をお持ちの日本国籍の渡航者はこのプログラムを利用することができます。
そのため、上記のように永住権を取得した方はGEプログラムで面倒な手間なくアメリカに入国することができます。
このプログラムを利用するにはメンバー登録をする必要があります。
永住権をお持ちの方でこのプログラムを利用したい方は公式サイトにて登録申請をしましょう。

Global Entry Program(グローバルエントリープログラム)公式サイト
https://www.cbp.gov/travel/trusted-traveler-programs/global-entry

ESTAを利用して渡米しても、永住権の取得は取得できません。大きな理由として、ESTAは観光・ビジネス・トランジット用の渡航許可証であるため、永住権を目的として渡航することは移民法を犯すからです。永住権を取得する際には、この記事の方法を用いてビザの取得を目指しましょう。

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