アメリカ旅行を家族や友達とグループで計画している場合は、出発前にESTAの申請が必要です。
ESTA(エスタ)とは、米国ビザ免除プログラム(VWP)の一環として導入された電子渡航認証システムです。
アメリカへ90日以内の観光や短期商用(ビジネス)目的で入国する渡航者を対象としています。
ESTAには、家族や友達とグループでまとめて申請する際に便利な「グループ申請」という申請方法があります。
本記事では家族や夫婦など、複数人でグループ申請をする方法を徹底解説します。
ESTAグループ申請の手順、必要書類、申請費用、注意点など、家族全員が安心して渡航できるような情報をお届けします。
ESTA(エスタ)のグループ申請とは?
ESTAを申請する方法には、「個人申請」と「グループ申請」の2つがあります。
グループ申請とは、家族や友達などが団体でアメリカに旅行する際に、全員がESTAを同時に申請できる制度のことです。
1人1人がそれぞれESTAを取得することもできますが、グループ申請をすれば申請を一括で行うことができるため大変便利です。
個人申請とグループ申請の違い
ESTAの個人申請では、1申請につき1人分しか申請することができません。
しかし、グループ申請では代表者1名が全員分の個人情報を入力することで、1回の申請でグループ全員分の申請を行うことができます。
なお、個人で申請を行う場合は本人申請が基本ですが、グループ申請の場合は代表者がメンバーの代理申請を行うことができます。
そのため、予め代表者を決めておき、全員分のパスポートなどの必要書類と個人情報を集めておくと良いでしょう。
グループ申請をするメリットとデメリット
ESTAのグループ申請は、家族、友達、ビジネスの同行者など複数人で旅行する際に便利です。
グループ申請(家族申請)の方法にはメリットとデメリットがあるので紹介していきます。
グループ申請のメリット
- 申請料金を一括で支払える
グループ全体の申請料金を一括で支払うことができます。
そのため、支払いの手間や時間が節約できます。
- 申請情報を一括で管理できる
審査結果や承認ステータスなど、グループ全員の情報を一つのアカウントで一括管理
できるため、管理が簡単です。
グループ申請のデメリット
- 審査は個別で行われる
申請はグループとして行いますが、各人の情報は独立して審査されます。
そのため、グループの中で結果にばらつきが出る可能性があります。
例えば、グループ内の一部の人が承認される一方で、他の人が却下されることもあり得ます。
- 情報の変更が大変
グループ申請が完了した後に参加者が変わったり、追加・キャンセルが生じた場合、対応が煩雑になる可能性があります。
- 全員分を同時に申請しなければならない
申請の際に、グループ全員の申請を同時に行う必要があります。
そのため、一人でも必要な書類などを忘れてしまうとグループ申請を終えることができなくなってしまいます。
ESTAのグループ申請は手続きや管理が効率的になる一方で、却下リスクや個別の審査を考慮する必要もあります。
したがって、申請前にこれらのメリットとデメリットをしっかりと把握し、最も適した方法で申請を行うことが重要です。
ESTAグループ申請(家族申請)の申請料金と支払い方法
ESTAグループ申請(家族申請)の1人当たりの申請費用は、個人で申請した時と変わらず21ドル(約3,000円)です。
申請費用の内訳は以下の通りです。
1人当たりの料金内訳 | 価格 |
---|---|
申請料 | 7ドル |
承認料 | 14ドル |
合計 | 21ドル |
家族での申請の場合、保護者や親権者が未成年の子供の申請料も含めて支払うことが可能です。
ESTAグループ申請費用の支払い方法
<支払い方法>
ESTA申請の支払いはオンラインのみで完了します。
ESTA支払い方法 | |
---|---|
クレジットカード | VISA、MasterCard、American Express、Discover(JCBを含む)でのみ 支払いすることができます。 クレジットカードでの支払いは、通常、申請直後に承認されます。 |
デビットカード | 一部のデビットカードも受け付けられていますが、 クレジットカードに比べて承認に時間がかかる場合があるので、 申請の際は余裕を持ったスケジュールで行うことを推奨します。 |
<注意点>
申請時には、カード情報を正確に入力することが重要です。
誤った情報を入力すると、申請が棄却される可能性があります。
また、支払いが正常に処理されない場合は、ESTAの承認が得られない可能性があるため注意が必要です。
ネット環境などに左右される場合もあるので環境を整えた状態で申請を行うようにしましょう。
また、支払いは、代表者一人が全員分の支払いを負担することになります。
家族の場合は家族カードを使用することも可能です。
ESTAの申請費用とお支払方法については、以下の記事もご確認ください。
ESTA(エスタ)申請と支払い方法について
【注意】赤ちゃんや子供もESTA申請が必要です
次の章でグループ申請の流れについて解説しますが、先に押さえておくべき重要なポイントがあります。
それは、「ESTAは年齢に関わらず、全ての渡航者が取得しなければならない」ということです。
つまり、赤ちゃんや小さな子供であっても、両親や親権者が代理でESTAを申請する必要があります。
特に、赤ちゃんのESTA申請は忘れがちですので注意が必要です。
たとえ赤ちゃんであっても、ESTAを申請していなければアメリカへの入国は認められません。
家族を代表してグループ申請を行う方は、赤ちゃんや子供の分も忘れずに申請するようにしてください。
申請の流れは成人と同じなので、特別な手続きは不要です。
なお、赤ちゃんや小さな子供が、片方の親同伴で米国へ入国しようとするときは、ESTAに加えて、もう片方の親からの渡航同意書も必要になる場合があります。
これは、離婚後の子どもの連れ去りや犯罪組織による誘拐を防ぐためのものです。
提出が常に必要なわけではありませんが、入国審査官が要求した場合に備えて準備しておくようにしましょう。
ESTAグループ申請の方法を解説
ここからは、ESTAのグループ申請の方法を解説していきます。
ESTAのグループ申請は以下の手順で行います。
- ESTA公式サイトにアクセス
- 表示言語を日本語に変更
- 「グループによる申請」をクリック
- グループ代表者の情報を入力
- メールアドレスの確認
- 申請者情報の登録
- ESTA申請費用の支払い
- ESTA申請IDとグループIDの共有
ESTA公式アプリからはグループ申請できません
2023年6月にESTA公式アプリがリリースされ、アプリからESTA申請ができるようになっています。
しかし、2024年3月19日現在、ESTA公式アプリはグループ申請に対応していません。
アプリからESTAを申請する場合は、個人申請を人数分繰り返す必要があります。
ESTAのグループ申請を行いたい場合は、ESTA公式サイトから申請をするようにしましょう。
ESTAグループ申請前の下準備
まず、ESTAのグループ申請手続きに必要なものは以下の通りです。
- 申請者全員分のパスポート情報
パスポート(旅券)はアメリカで自分の身分を証明する国際的な身分証明書です。
ESTA申請の際にも必要になるので、グループ全員分のパスポートを用意しましょう。
- 支払いに使用するクレジットカードまたはデビットカード
支払いは代表者が全員分を一括して行うことも、代表者以外のクレジットカードで行うことも可能です。
また、申請者とクレジットカードの名義人が一致していなくても審査には影響しません。
- 申請者全員分の個人情報が記載されている書類
ESTAのグループ申請には全員分の名前、住所、性別、生年月日などの入力が必要になります。
事前に全員分の個人情報をまとめた書類を用意しておくと、手間を最小限に抑えられます。
ESTA公式サイトにアクセス
準備ができた方は、ESTA公式サイトにアクセスしましょう。
表示言語を日本語に変更
まずは、右上にある「Change Language」を選択して表示言語を日本語に切り替えます。
グループによる申請をクリック
次に、画面中央の「グループによる申請」をクリックしましょう。
その後表示されるポップアップで「確認して続行」を選択し、次のステップに進みます。
グループ代表者の情報を入力
まず、グループの代表者の情報を入力します。
- 名前
- 生年月日
- 電子メールアドレス
は入力必須項目です。
ESTAは米国税関・国境警備局(CBP)が管轄するため、情報は全て英語で入力する必要があります。
なお、「組織」という項目には代表者の勤務先である会社や団体の名前を記載しますが、任意事項で
すので空欄でも構いません。
情報が入力できたら、右下の「操作の継続」をクリックして次に進みます。
メールアドレスの確認
入力したメールアドレスにこのように4桁のパスワードが送られてきます。
メールアドレスを確認するために行っているものです。
メールが届かない場合は、メールアドレスが間違っているか、迷惑メールフォルダに転送されている可能性があります。
申請者情報の登録
次に、ESTAを申請するグループ全員の申請を行います。
「新規の申請者を追加」をクリックし、申請情報を入力します。
その際に、メンバーの個人情報に間違いがないことをしっかり確認してから、2人目の入力に進みましょう。
ESTA申請費用の支払い
グループ全員分の情報が登録出来たら、次は人数分のESTA申請費用を支払います。
上記画面の「免責事項」にチェックを付け、「今すぐ支払う」をクリックしてください。
先述の通り、グループ申請の1人あたりの申請費用は、個人申請の場合と変わらず21ドルです。
ESTA申請IDとグループIDの共有
全員分の申請が完了したら、それぞれの申請者個人に対応している「申請ID」と、グループ申請全体に対応している「グループID」が登録したメールアドレス宛に送信されます。
申請IDとグループIDはそれぞれ自分のESTAの登録状況を確認する際に使用しますので、必ず保管しておきましょう。
またグループIDは、申請内容の更新や申請料金の確認の際にも必要になります。
家族でのグループ申請時、誰か一人の申請を忘れるなどの手違いが生じることがあります。
その場合は速やかに個人申請をしましょう。グループ内で一人だけグループIDを付与されていなくても、アメリカ入国審査には何も影響はありませんので、ご安心ください。
以上が、ESTAのグループ申請の流れになります。
ESTAの審査は、通常3日(72時間)以内に完了すると言われています。
申請の状況を確認する方法
グループ申請の審査状況はESTA公式サイトで確認できます。
こちらの手順に従って操作すると、ステータスの確認画面が表示されます。
この画面で「認証は承認されました」と表示されていたら、申請は完了です。
それ以外の文言が表示された場合は、何らかの原因で申請が拒否されているか保留になっています。
以下の記事に従って対応をしましょう。
ESTAが承認されない場合の対処法をの対処法を分かりやすく解説
ESTAのグループ申請が難しくて出来ない方へ
ESTA申請には2つの方法があります。
一つ目は、上記で解説したようにESTA公式サイトから自分で申請する方法です。
この方法は、かかるお金が申請料金のみのため、経済的にお得です。
しかし、デメリットとして、入力情報に間違いがあったり、万が一渡航認証拒否された場合には、全て自己責任になってしまいます。
二つ目の方法は、ESTA申請代行サービスを使う方法です。
この方法は、ESTAの申請に必要な情報と申請代行料を支払うことでESTA申請の専門家が自分の代わりにESTA申請を行ってくれるサービスです。
このサービスのメリットは2点あります。
1つ目は、申請手続きをプロが行ってくれるという点です。
よほどアメリカに行き慣れている人でない限り、ESTA申請をミスなく終わらせるのは難しいです。
ESTAには多くのルールがありますし、英語表記での記入になるので打ち間違いなどは非常に起きやすいです。
しかし、代行サービスを利用することでミスを防ぎ、ESTAの承認確率を高めることができます。
2つ目は、時間的な自由が確保できる点です。
旅行前は、パスポートの有効期限の確認や渡航準備、旅行の計画など、何かと忙しくESTAの申請を忘れてしまいがちです。
しかし、ESTA申請代行を利用することで、申請のし忘れをなくすことができるだけでなく、時間的自由も得ることができます。
ESTA申請代行サービスについて詳しくは以下の記事もご確認ください。
信頼できるESTA申請代行サービスの選び方を分かりやすく解説
ESTAのグループ申請でよくあるトラブルと対処法
次は、グループ申請でよくあるトラブルとその対処法を解説していきます。
グループの中にESTA非対象国のメンバーがいる場合
ESTAは、ESTA対象国の国籍を有している方しか利用できません。
グループの中に日本国籍以外の方がいる場合は、ESTA対象国の国籍であるかを確認しましょう。
ESTAの対象国は以下の通りです。
上記の国以外の国籍を持つ方は、ESTAを申請することはできません。
この場合は、米国大使館・総領事館でビザを申請する必要があります。
米国ビザには渡米の目的ごとにさまざまな種類が用意されていますが、最もポピュラーなのは観光ビザ(Bビザ)です。
以下の記事で観光ビザ(Bビザ)の概要や取得方法を解説しています。
観光ビザ(Bビザ)の概要と取得方法を分かりやすく解説
グループの中に二重国籍のメンバーがいる場合
二重国籍の方であっても、どちらかの国籍が上述の「ESTA対象国」である場合は、ESTAを申請することができます。
例えば、中国人(ESTA非対象国)と日本人(ESTA対象国)の間に生まれた子供は、日本国籍者としてESTAを申請することができます。
申請の際は、「今現在、あなたはどこか他の国の市民あるいは国民ですか?」の質問に「はい」と答えるのを忘れないようにしましょう。
また、両方の国籍がESTA対象国である方は、どちらの国籍を使ってESTAを申請してもかまいません。
例えば、韓国人(ESTA対象国)と日本人(ESTA対象国)の間に生まれた子供は、日本のパスポートでも、韓国のパスポートでもESTAを申請することができます。
イラン、シリア、イラク、スーダン、北朝鮮との二重国籍の方は注意が必要です。
これらの国籍を有している方は、たとえもう片方の国籍がESTA対象国であったとしても、ESTAを申請することができません。この場合は、米国ビザの申請を検討しましょう。
二重国籍の方のESTA申請については、以下の記事で詳しく解説していますので、こちらの記事も併せてご確認ください。
二重国籍を所持している方のESTA申請を分かりやすく解説
ESTAの有効期限が切れているメンバーがいる場合
ESTAの有効期限は2年間です。
グループの中にESTAの有効期限が切れているメンバーがいる場合は、再申請が必要になります。
グループ全員がESTAを初めて申請する場合は問題ありませんが、以前にESTAを取得したことがあるメンバーがいる場合は、まず有効期限を確認する必要があります。
グループ申請の有効期限の確認方法は少し複雑な手続きが必要になります。
以下の記事で詳しく解説していますので、ご確認ください。
ESTAの有効期限を確認する方法を分かりやすく解説
また、ESTAには更新の手続きが存在しないため、有効期限が切れている場合は再申請を行う必要があります。
再申請の方法については以下の記事で詳しく解説しています。
ESTAを再申請する方法を分かりやすく解説
グループ申請が完了した後にメンバーが増えた場合
一緒にアメリカへ行く予定のメンバーでグループ申請を行い、無事に全員分の申請が認証されたが、その後に新たなメンバーが増えたという場合、このグループにもう一人追加することはできるでしょうか?
結論から言うと、グループ申請完了後に新しい申請を追加することはできません。
ESTAのグループ申請は、全員分の申請を同時に送信する必要があるからです。
この場合、新たに加わったメンバーは個別にESTA申請を行う必要があります。
グループ申請でも個人申請でも、ESTAの効力に違いはありません。
グループ申請が完了した後にメンバーが減った場合
逆に、一緒にアメリカへ行く予定のメンバーでグループ申請を行い、無事に全員分の申請が認証されたが、メンバーの一人が渡米できなくなってしまったという場合は、特に必要な手続きはありません。
グループ申請はあくまで、複数人の申請を一括して行うことができるという制度にすぎません。
そのため、グループのメンバー全員で入国する必要もありません。
残ったメンバーは通常通りESTAを利用してアメリカへ入国することができます。
一部のメンバーの申請が却下された場合
グループの一部の人だけの申請が却下されてしまうこともあります。
このような場合は、まず申請が却下されてしまった原因を突き止めましょう。
ESTA申請が却下される主な理由には、申請内容の不備や過去の渡航歴が挙げられます。
以下の記事で申請が却下される理由について詳しく解説しているので、まずは何が原因で却下されてしまったのかを突き止めましょう。
ESTA(エスタ)申請が却下される理由を解説
却下されてしまった原因が判明した後は、ESTAの再申請か米国ビザの申請を行いましょう。
ただし、ESTAの再申請は、認証が拒否された時点から24時間以上経過していなければ行えませんので注意が必要です。
以下の記事でESTAが拒否された後の対処法について詳しく解説していますので、この記事にしたがって対処をしてください。
ESTAの申請が却下されたときの対処法
なお、ESTA申請却下の理由が、適格性質問に「はい」と回答してしまったことであり、かつ、申請者が赤ちゃんや小さな子供である場合は、CBP(アメリカ合衆国税関・国境警備局)に問い合わせをすることで、審査結果を見直してもらえる可能性があります。
適格性質問では、犯罪歴や過去のオーバーステイ歴などについて尋ねられますが、産まれたばかりの赤ちゃんや小さな子供に犯罪歴やオーバーステイ歴があるとは考えにくいです。
そのため、誤って「はい」と回答した場合は、CBPの問い合わせフォームを通じてその旨とその理由を伝えることで、審査結果の修正を求めることができます。
ただし、絶対に修正してもらえるというものではないので、修正が認められなかった場合は、ESTAの再申請か米国ビザの申請を行いましょう。
申請の送信後にメールアドレスの変更が必要になった場合
基本的にESTA申請情報の送信後に情報を変更することはできません。
しかし、メールアドレスは申請の送信後であっても変更することができます。
以下の記事を参考にして、メールアドレスの変更手続きを行いましょう。
メールアドレスの変更方法を解説
グループメンバーのESTAが紛失した場合
ESTAの申請完了ページではESTAをコピーしておくことを推奨していますが、コピーを紛失しても問題ありません。
ESTAはオンライン上で管理されているためです。
パスポートさえあれば、ESTAのコピーが無くてもアメリカへ入国することが可能です。
また、コピーを紛失してしまった場合でも、ステータス確認画面から何度でも印刷することが可能です。
以下の記事でステータス確認画面からESTAを印刷する方法を解説しています。
PC・スマホでESTAを印刷する方法
グループ申請の代表者になったときの注意点
グループ申請は複数人の申請を一括で完了できるというメリットがある分、グループの代表者の負担も大きくなりがちです。
そこで、代表者に選ばれた方が注意するべき点をまとめました。
個人情報の取り扱い
ESTA申請の際には、グループ全員分のパスポート情報や住所、連絡先などの個人情報が必要です。
グループ申請の際は、代表者の手元にこれらの個人情報が集まることになりますので、管理には要注意です。
メールやLINE等で送ってもらう場合は、情報が漏洩しないように細心の注意を払いましょう。
また、カフェや公共施設のフリーWi-Fiを介して申請するのも危険です。
パスポート本体を借りる、または情報を書いたメモをもらう場合は、厳重な保管場所を用意しましょう。
不特定多数の人の往来があるような場所は危険です。
金庫や鍵付きロッカーなどが保管に適しています。
入力ミス、誤字・脱字
ESTAの審査では、入力内容の精査までは行われません。
そのため、入力ミス、誤字・脱字、スペルミスがあっても、その情報のまま認証されてしまうことがあります。
この場合、空港での航空会社へのチェックインの際に、情報の不備を理由に搭乗拒否をされる可能性があります。
また、現地での入国審査の際にも、別室での聞き取りをされたり、最悪の場合入国を拒否される可能性もあります。
このような事態を避けるために、情報入力時は、必ずダブルチェックを行いましょう。
申請に関する情報の共有
ESTAの申請に関する情報は、できるだけメンバーと共有しましょう。
情報を頻繁に共有することで、予期せぬトラブルにも対応しやすくなります。
また、無事に全員分の認証が得られたときは、コピーを渡しておきましょう。
コピーがなくてもESTAを利用してアメリカへ入国することはできますが、万が一に備えて持っておくのがおすすめです。
また、紙のコピーを取っておけば、有効期限の確認が簡単にできるようになるというメリットもあります。
グループIDの取り扱い
グループ申請では、グループIDが非常に重要です。
申請時はもちろんですが、審査結果を確認する際にも必要になります。
万が一分からなくなってしまっても、IDを検索する方法はありますが、IDが自身のメールアドレスに送信されてきたときにスクリーンショットを撮影したり、メモを取るなどして対策するのが良いでしょう。
また、ほかのメンバーにも共有しておきましょう。
審査料金の取り扱い
ESTAの申請には、個人・グループどちらでも一人当たり21ドルがかかります。
また、人数の多いグループ申請の場合は、それだけ代表者の負担も大きくなります。
多くの場合は、代表者が立て替えて支払うことになると思いますが、料金についてトラブルにならないように注意しましょう。
事前にESTAの申請には料金がかかること、一人当たり21ドルであることを伝えてから申請に取り掛かりましょう。
ESTAの申請情報を入力するときのコツ
この章では、ESTAの申請情報をミスなく入力するためのコツを紹介します。
あらかじめ入力するテキストを用意しておく
上記の「ESTAグループ申請前の下準備」で、グループ申請を行う前に、パスポート情報、クレジットカード、個人情報が記載されている書類を用意しておくことをお勧めしました。
もちろん、これらの情報があればグループ申請は問題なく完了できるのですが、さらにおすすめの方法があります。
それは、「入力する情報をテキストに起こしておく」ということです。
というのも、ESTAの申請サイトの仕様上、一定期間操作のない状態が続くとタイムアウトになってしまうことがあります。
一度タイムアウトになってしまうと、それまで入力していた情報はすべて消えてしまい、再度やり直しになります。
しかし、タイムアウトにならないように急いで入力すると、入力ミスをしてしまう可能性は高くなります。
そこで、入力する情報をあらかじめテキストに起こしておくことによって、コピーアンドペーストで入力できるようにしておくのです。
テキストに起こす際に、他の人にダブルチェックをしてもらうのもおすすめです。
ここまで慎重にやれば、入力ミスはかなり減るでしょう。
パスポートの写真をあらかじめ撮影しておく
ESTAの申請は自分で情報を入力する方法でも行えますが、パスポートの写真をアップロードすることもできます。
この方法ならいちいち名前や生年月日を入力することなく、申請を行うことができます。
ただし、正確に情報が読み取られているかの確認は必ず確認するようにしましょう。
また、パスポートの写真をアップロードする場合にも、ちょっとしたコツがあります。
それは、あらかじめパスポート写真を撮影しておくということです。
パスポート写真のアップロード画面には、「カメラから」と「ギャラリーから」という2つの選択肢があります。
前者を選ぶとその場でパスポートの写真を撮影する画面に遷移しますが、後者を選べば自分が事前に撮影した画像を選択できます。
パスポートはカメラで撮影しようとすると、反射してなかなか上手く撮れません。
読み取りミスを防ぐためにも、事前に写真を撮影しておくのがおすすめです。
パスポートと申請画面の違いに注意する
ESTAの申請項目は、パスポートの項目と一致していないことがあります。
例えば、ESTAの申請画面には「パスポート番号」を入力する項目がありますが、この欄にはパスポートの「旅券番号/Passport No.」を記入しなければなりません。
このような紛らわしい項目について以下で解説を加えていきたいと思います。
「発行国」と「市民権・国籍」
ESTAの申請時には、「発行国」と「市民権・国籍」の入力を求められる項目があります。
「発行国」はパスポートの「発行国/Issuing country」に対応しています。
日本国が発行したパスポートを所有している場合は「JPN」と記載されています。
また、「市民権・国籍」はパスポートの「国籍/Nationality」に対応しています。
日本国籍の方は、「JAPAN」と記載されています。
「発行日」と「有効期限」
ESTAの申請時には、「発行日」と「有効期限」の入力を求められる項目があります。
「発行日」はパスポートの「発行年月日/Date of issue」に対応しています。
「2019年4月19日」に発行されたパスポートであれば、「19 APR 2019」と記載されています。
また、「有効期限」はパスポートの「有効期間満了日/Date of expiry」に対応しています。
発行されたのが「2019年4月19日」で、有効期限が10年のパスポートであれば、「19 APR 2029」と記載されています。
なお、「発行日」の欄に入力すると、隣の「有効期限」の欄にも自動的に10年後の日付が入力されるようになっています。
有効期限が5年間のパスポートを保有している方は、情報を訂正する必要がありますので、注意してください。
まとめ
グループでの米国渡航では、ESTA申請時にグループ申請をするのか個別で申請するのかのメリット・デメリットをよく理解してから選択しましょう。
また、ESTAの申請をする際に全員分のパスポートの有効期限やESTA取得済みの方がいるかどうかも確認してから、申請を行うようにしてください。
現在のアメリカ入国は入国審査が厳しくなっているものあり、グループでの米国入国の際もESTA申請時に申告した内容と入国審査時の回答が一致している必要があります。
グループ内で必ず渡航目的を統一してから入国審査に臨みましょう。
複数人のグループでの渡航は少人数での旅行よりもトラブルの数も多くなるので、事前に予習しておくことで、トラブルを減らしていきましょう。
以上、グループでのアメリカ渡航に関して解説しました。