日本には、外国人が滞在する際に取得する必要のある在留資格という制度があります。
在留資格とは、厳密にはビザ(査証)とは異なるのですが、ほとんどの場合ビザとして扱われています。
在留資格には、それぞれ定められた有効期限がいくつかあり、在留資格の取得時や更新毎に申請時の審査結果を基に決定がされます。
そのため、更新回数によって自動的に有効期限が長くなっていくわけではなく、申請時の申請者の状況や生活態度によって期間が変わります。
本記事では、在留資格の有効期限をどのように延長するのか、有効期限を伸ばすポイントを含めて解説していきます。
ぜひ、ご覧ください。
在留資格の有効期限を延長するには
日本に在留している外国人は、必ず在留資格を取得する必要があります。
在留資格は、永住権及び高度専門職2号を除き、それぞれに応じた在留期間が設けられています。そのため、在留期間の満了が近づいてきた際は、在留期間の更新(延長)を行う必要があります。
したがって、在留資格の有効期限を延長するには、在留期間を更新しなければならないということになります。
また、在留期間の更新をするためには、居住地域を管轄する地方出入国在留管理官署にて在留期間更新許可申請を行う必要があります。
ただし、短期滞在の在留資格を取得している場合は、原則として、人道上の真にやむをえない事情又はこれに相当する特別な事情がある場合に在留期間の更新が認められます。
例としては、病気の治療をする必要がある場合などになります。
ほとんどの場合、短期滞在の在留期間は更新できないため注意してください。
なお、永住権及び高度専門職2号を保持している外国人は在留期間が無制限のため、更新の必要性はありませんが、在留資格取得時に発行される在留カードには有効期限があるため、在留カードの更新をする必要があります。
更新をしないまま有効期限が切れてしまった場合、罰金などの処罰を受けてしまうため、必ず在留カードの更新をしましょう。
在留期間更新許可申請で重要視されるポイント
在留資格は、既に最長の在留期間を有していない場合、有効期限を前回の期間よりも伸ばすこと(長く設定される)が可能です。
在留期間更新許可申請で在留期間の更新が許可された際は、在留資格の新たな有効期限が設定されます。
各在留資格には、いくつかの有効期限が定められており、在留期間の更新を申請した際に、これまでの素行や税金などの納付義務をしっかり行っているかなどを審査され、その結果によって有効期限が決定します。
ここでは、在留資格の中で一般的に就労ビザとして取得されている「技術・人文知識・国際業務」について解説していきます。
「技術・人文知識・国際業務」を取得するには、学歴又は職歴と日本での業務内容に関連性がある必要があります。そのため、在留期間の更新を許可する際は、現在の業務内容が在留資格で可能な活動の範囲内のものか、学歴や職歴に関連した職種になっているかを確認します。また、申請者本人の素行、納税や入管法で定められている届出等の義務を果たしているかなど厳密に審査され、有効期限が決定されます。
下記で上記に加え申請許可のポイントの一例をまとめましたので、ご確認ください。
2.「技術・人文知識・国際業務」の要件を満たしている
(就いている職種が学歴や職歴に関連している)
3.素行が良い
(犯罪を犯していない、資格外活動許可を取得せずにアルバイトをしていたなど)
4.納税義務を果たしている
5.入管法上の届出等の義務を果たしている
(住居地の届出など)
6.生計を維持することが可能である
7.雇用・労働条件が適切である
8.社会保険に加入していること
資格外活動許可
資格外活動許可とは、現在保持している在留資格には当てはまらない収入を得る活動を行う際に必要となる許可です。
就労資格を有する方や留学生などが対象となっており、日本での滞在中にアルバイトなどの活動をする際に許可を得ることができます。
なお、永住者や定住者などの在留資格には就労活動の制限がないため、資格外活動許可は必要ありません。
資格外活動許可の要件は以下の通りです。
- 申請者が申請に係る活動に従事することにより現在保持している在留資格に係る活動が妨げられないこと
- 現在の在留資格に係る活動を行っていること
- 申請に係る活動が法別表第一の一の表又は二の表の在留資格の下蘭に掲げる活動(「特定技能」及び「技能実習」を除く)に該当すること
(包括許可については当該要件は求められません。) - 申請に係る活動が次のいずれの活動にも該当しないこと
・法令(刑事・民事を問わない)に違反すると認められる活動
・風俗営業もしくは店舗型性風俗特殊営業が営まれている営業所において行う活動又は無店舗型性風俗特殊営業、映像送信型性風俗特殊営業、店舗型電話異性紹介営業もしくは無店舗型電話異性紹介事業に従事して行う活動 - 収容令書の発付又は意見聴取通知書の送達もしくは通知を受けていないこと
- 素行が不良ではないこと
- 日本の公私の機関との契約に基づく在留資格に該当する活動を行っている者については、当該機関が資格外活動を行うことについて同意していること
資格外活動許可は、申請書と必要書類をそろえて、居住地域を管轄する地方出入国在留管理官署へ申請してください。
必要書類に関しては、在留資格によって異なるため出入国在留管理庁ホームページにてご確認ください。
在留期間更新許可申請の概要
在留期間更新許可申請は、現在の居住地域を管轄する地方出入国在留管理官署で行うことができます。
この段落では、在留期間更新許可申請について申請可能時期や更新許可までに要する期間に加え、必要書類について解説していきます。
申請可能時期
在留期間更新許可申請は、在留資格の有効期限満了より3か月前から満了日までの期間で申請することが可能です。
申請を行う際は、基本的に申請者本人が行いますが、業務時間などで直接出入国在留管理局まで必要書類を提出しにいけない場合は、代理人として行政書士や出入国在留管理局によって定められた法定代理人による申請書類の提出が必要です。
申請書類の提出が可能な方については下記一覧をご覧ください。
(在留期間の更新を希望する外国人)
2.申請者本人の法定代理人
・親権者
(申請者が18歳未満の場合、本人に代わって身分上及び財産上の監督保護・教育を内容とする権利義務を有する方)
・未成年後見人
(申請者が18歳未満の場合で、親権者がいないとき、又は親権者が管理権(財産に関する権限)を有していないときに後見となる方)
・成年後後見人
(申請者が成年被後見人の場合で、本人に変わって法律行為を行う方、又は本人による法律行為を補助する方)
3.取次者
(1)地方出入国管理局長から申請等取次者としての承認を受けている者で、申請者本人から依頼を受けた方
・申請者が経営している機関又は雇用されている機関の職員
・申請者が研修又は教育を受けている機関の職員
・外国人が行う技能、技術又は知識を習得する活動の管理を行う団体
・外国人の円滑な受入れを図ることを目的をする公益法人の職員
(2)地方出入国在留管理局長に届け出た弁護士または行政書士で、申請者から依頼を受けた方
(3)申請者本人が16歳未満の場合又は疾病、その他の理由により自ら出頭することができない場合には、その親族又は同居人もしくはこれに準ずる者で地方出入国在留管理局長が適当と認める方
更新期間
在留期間更新許可申請を行ってから、許可の可否が通知されるまで基本的に2週間~1カ月の期間を要します。また、何らかの理由により追加書類の提出を求められることがあり、その際は、1カ月以上の期間がかかる可能性があります。
そのため、在留期間更新許可申請は最低で有効期限の満了日より1カ月前に行うようにしましょう。
申請可能期間は在留資格の有効期限満了日より3ヶ月前からです。
万一に備えて、できる限り早めに申請を行ってください。
なお、在留期間更新許可申請を行っている最中に、在留資格の有効期限が切れてしまった際は、特例として最長2カ月間の在留が認められます。ただし、2カ月を過ぎてしまった際は、いかなる理由でも帰国しないといけないため、注意しましょう。
必要書類
在留期間更新許可申請時の必要書類は、各在留資格によって異なります。
共通する書類としては、パスポート及び在留カード、在留期間更新許可申請書、写真の3点になります。
その他の必要書類については、出入国在留管理庁ホームページにてご確認をお願いします。
必要書類についてまとめたのでご確認ください。
※各種在留資格によって様式が異なるため注意が必要です。
・写真 1葉
※指定の規格を満たした写真を用意し、申請書に添付してください。
・パスポート及び在留カード
・その他各在留資格に応じた必要書類
・健康保険証
※出入国在留管理局の窓口にて提示を求められる場合があります。
※写真の規格についてはこちらをご参照ください。
在留期間更新許可申請書
在留期間更新許可申請書とは、在留期間更新許可申請を行う際に必ず必要となる書類です。在留期間更新許可申請書の様式は、在留資格によって多少異なりますが、申請者の居住所やパスポート番号及び在留カード番号などの個人情報、必要に応じて職業や勤務先情報の記入が必要です。
また、就労を伴う在留資格の場合、所属している企業側で記入する用紙が必要になるため、忘れずに記入してもらうようにしてください。
保持する在留資格によって記入内容が異なるため、記入項目をしっかりと確認して記入していきましょう。
記入後は、指定の規格で作成した写真を添付して、その他必要書類をそろえて地方出入国在留管理官署へ提出してください。
申請手数料
在留期間更新許可申請の手数料は、許可された際に発生し、料金は一律4,000円となります。
その際、お支払いは直接出入国管理局へ行うのではなく、4,000円分の収入印紙を購入し、手数料納付書に添付したのち、提出する形となります。
手数料納付書に関しては、下記よりご確認ください。
申請方法
在留期間更新許可申請は、管轄している地方出入国在留管理官署へ必要書類を提出することで申請が可能です。
申請方法は以下の通りです。
①必要書類の提出
申請者本人またはその他申請書類提出可能者が、在留期間更新許可申請の必要書類を管轄の地方出入国在留管理官署へ提出します。
②申請結果の通知
更新の申請後、問題がなければ出入国在留管理局より申請結果が記載されたハガキが届きます。
なお、追加書類の提出が必要になる場合があります。その際は、指定された期日までに出入国在留管理局へ、必ず追加書類の提出を行ってください。提出を怠った際は、更新の許可がされず、在留期間の円と湯ができなくなるため注意してください。
③在留カードの受け取り
申請が許可された際は、届いたハガキと以下の書類を持参し、出入国在留管理局まで在留カードを受け取りに行ってください。
- 在留期間更新許可申請時に受け取った「申請受付表」
- パスポート
- 現在保持している在留カード
- 手数料納付書
(必要事項を記入し、4,000円の収入印紙を貼付したもの)
無事に在留カードを受け取ることができた場合は、在留期間の更新が完了しましたので引き続き日本での滞在が可能です。
必要書類を準備することは大変ですが、今後の活動のためにしっかりと手続きを行っていきましょう。
在留期間更新許可申請を失敗しないために
在留期間更新許可申請は、日本に滞在する外国人にとって、とても大切な手続きです。申請書類の不備や間違った手続き方法をしてしまうと、在留期間の更新が許可されず、帰国しなければいけない状況になる可能性があります。そのような状態にならないためにも、ちゃんと不明点などを管轄の地方出入国在留管理官署へ問い合わせ、ミスのない申請を行いましょう。
もし、ご自身での申請が難しく感じる場合は、所属している企業や在留期間更新許可申請の代行を行っている行政書士に相談をし、申請を進めてみてはいかがでしょうか。
在留資格の有効期限は、在留期間更新許可申請を行うことで延長できます。
しかし、必要書類が在留資格によって異なっていたり、準備する数が多かったりすることで、とても複雑に感じてしまうかもしれません。
そのような場合は、所属している企業や在留期間更新許可申請の代行を行っている行政書士に相談をして、準備していくのが良いです。
この記事を読んだことで、少しでも在留資格の有効期限の延長について理解していただけたら幸いです。
在留期間の更新を安心して行えるように、必要書類や審査のポイントを理解していきましょう。