アメリカ旅行をするためには、観光ビザが必要なのでしょうか?
実はアメリカには、一定の条件を満たせば観光ビザの取得が免除される制度があり、このビザ免除制度は「ESTA(エスタ)」と呼ばれます。
観光ビザの申請には必要書類の収集や大使館での面接など多くの手続きが必要ですが、ESTAはオンラインで簡単に申請できます。
したがって、アメリカ観光を計画している方は、ESTAの取得がおすすめです。
しかし、ESTAを取得するためには、いくつかクリアしなければならない条件もあります。
この条件をクリアできない場合は、観光ビザを申請するしかありません。
そこで本記事では、アメリカの観光ビザである「B-2ビザ」とビザ免除制度である「ESTA」の概要から申請方法まで徹底的に解説していきます。
アメリカ旅行に観光ビザは必要?
上述の通り、アメリカ旅行に観光ビザは必ずしも必要ではありません。
たしかに、原則として、日本国籍の方がアメリカに入国する際には、渡航目的に合った米国ビザ(査証)が必要とされています。
今回のケースは渡航目的が観光であるため、「B-2ビザ」という観光ビザを申請する必要があります。
ただし、観光・短期商用目的の短期滞在の場合は、ESTA(エスタ)という電子渡航認証を取得することにより、ビザ取得が免除されます。
ESTAと観光ビザ(B-2ビザ)どちらを取得すべき?
前述の通り、アメリカ旅行にはESTAまたは観光ビザ(B-2ビザ)のどちらかが必要です。
では、ESTAと観光ビザ(B-2ビザ)は、どちらを取得するべきなのでしょうか。
結論からいうと、ESTAのほうが圧倒的に手続きが簡単であるため、ESTAの申請条件を満たしているときはESTAを取得するのがおすすめです。
ただし、ESTAはB-2ビザよりも滞在日数や有効期限などの制限が厳しく設定されています。
それぞれの渡航目的、滞在予定日数などによってはB-2ビザを取得すべき場合があります。
以下で、ESTAと観光ビザ(B-2ビザ)の違いとどちらを取得するべきかについて詳しく解説します。
次の章では、それぞれの概要や申請方法について解説しますので、まずは自分が取得するべきなのはどちらなのかを確認してください。
〇ESTA取得がおすすめなケース
- 渡航目的が90日以内の観光である場合
- 渡航目的が90日以内の短期商用(短期ビジネス)である場合
- 乗り換えの際に米国へ入国する場合
渡航目的が観光、ビジネスであっても、滞在日数が90日を越える場合はESTAを取得することはできません。
また、滞在日数が90日を越えない場合であっても、渡航目的が留学や就労などである際は取得できません。
どちらの場合もビザの取得をするべきケースです。
つまり、「渡航目的が観光か短期ビジネス」かつ「滞在期間が90日以内」であるときには、ESTA(エスタ)を申請することができるということです。
注意が必要なのは、米国に入国する目的が単に乗り換え(トランジット)のためであるというケースです。
乗り換え(トランジット)であれば、特に手続きが必要なさそうに感じてしまいますが、そうではありません。
移動の道中で一時的に米国へ降り立つだけであっても、ESTAを取得している必要があります。
〇ビザ取得がおすすめなケース
- 滞在期間が90日以上の場合
- 報酬を伴う就労や長期ビジネスをする場合
- 渡航目的が留学である場合
- 専門分野や特殊技能、芸能分野にて長期滞在をする場合
上述の通り、「滞在期間が90日を超える」または「渡航目的が観光・短期ビジネス以外」の時は、ESTA(エスタ)を申請することはできず、アメリカビザを申請する必要があります。
渡航目的が短期商用であればB-1ビザ、観光であればB-2ビザというように、米国ビザは渡航目的によって多くの種類に分類されています。
例えば、留学であれば、「F-1ビザ(M-1ビザ)」というビザが必要になります。
必ず自身の渡航目的に合ったビザを取得してください。
ESTA(エスタ)とは
それでは前章で、取得するべきなのがESTAだと分かった方に向けて、ESTAについて解説していきます。
ESTAとは、米国での滞在期間が90日以内で、かつ滞在目的が観光・短期のビジネスである場合に申請できる「電子渡航認証制度」です。
オンライン上ですべての手続きを完結できるようになっています。
簡単に言うと、「一定の条件を満たせば複雑なビザ取得の手続きを省略してくれる制度」ということです。
「ビザなし渡航」という言葉を聞いたことがある方もいるかもしれませんが、これはESTAを取得することでBビザを取得しなくても渡航できる、ということを表しています。
なお、ESTAは年齢にかかわらず取得することが求められます。
たとえ子供であっても申請が必要ですので、これからESTAを申請しようとしている方は、注意してください。
ESTAの申請条件
ESTAを申請するためには、以下の条件を全て満たしている必要があります。
- VWP参加国の国籍を有していること
- 渡航目的が観光か短期のビジネスであること
- 米国での滞在期間が90日以内であること
- 有効なICチップ搭載のパスポートを所持していること
- 過去に重大な犯罪歴がないこと
- 特定の伝染病や病気に罹患していないこと
- 米国に長期滞在する意思がなく、渡航目的の達成後は帰国すること
1番目の「VWP参加国の国籍を有していること」について解説を加えていきます。
VWPは「Visa Waiver program」の略で、日本語にすると「ビザ免除プログラム」です。
つまり、ESTAを申請できるのは、米国とビザ免除プログラムを締結している国の国民だけということです。
現在41の国と地域がこのプログラムに参加しており、日本は「VWP参加国」ですので、日本国籍の方であれば問題ありません。
VWP参加国の一覧は以下の通りです。
米国ビザ免除プログラム(VWP)参加国一覧 | ||||
---|---|---|---|---|
日本 | ニュージーランド | ラトビア | エストニア | オランダ |
ベルギー | スイス | ルクセンブルク | スロベニア | ブルネイ |
スウェーデン | スペイン | ノルウェー | リヒテンシュタイン | フィンランド |
オーストラリア | デンマーク | アイルランド | マルタ | ギリシャ |
ポルトガル | イギリス | フランス | 韓国 | リトアニア |
スロバキア | シンガポール | サンマリノ | ポーランド | モナコ |
ハンガリー | チリ | イタリア | アンドラ | 台湾 |
チェコ | ドイツ | オーストリア | アイスランド | クロアチア |
イスラエル |
上記の国籍を持たない方は、ESTAを申請できません。
アメリカ観光をするためにはB-2ビザの申請が必要です。
しかし、すべての申請条件を満たしていても、次の欠格条件に該当する場合はESTAを申請することはできません。
- 過去に米国より強制送還されたことがある方
- オーバーステイ(不法滞在)の履歴がある方
- イラン、イラク、リビア、シリア、スーダンのいずれかの国籍を保有する二重国籍の方
- 2011年3月1日以降にイラン、イラク、リビア、シリア、スーダン、北朝鮮、キューバへ の入国・渡航履歴がある方
上記の条件に該当してしまう方は、ESTAの申請をしても許可は下りませんので、B-2ビザの取得をしましょう。
ESTA申請の手順
ESTAの申請は、こちらから行います。
必要情報を入力フォームに記入し、適格性に関する9つの質問に答えます。
この質問に、1つでも「はい」と回答してしまうと、ESTAは拒否されますので、注意してください。
最後に申請料金を支払えば、ESTAの申請手続きは完了です。
申請後72時間以内に審査結果が通知されるため、結果を待ちます。
なお、ESTAは出発の3日前(72時間前)までに申請することが推奨されています。
出発直前になって慌てることの無いように、時間に余裕を持ってESTA申請を行いましょう。
以下の記事で、ESTAの申請手順について画像付きで分かりやすく解説していますので、こちらの記事を参考にしながらESTAの申請手続きを行うようにしましょう。
ESTA(エスタ)申請の申込み手順を画像付きでわかりやすく解説
なお、ESTAの申請が拒否された場合は、B-2ビザの取得を検討してください。
ESTAの申請が拒否されたからといってB-2ビザの取得ができないというわけではありません。
有効期限と滞在できる期間
ESTAの有効期限は2年間です。
更新制度はありませんが、取得回数制限もありませんので、再取得をすることが実質的な更新になります。
ただし、ESTAはパスポートに紐づいて管理されるものですので、たとえESTAの有効期限が残っていても、パスポートの期限が切れてしまえばESTAも同時に失効することになります。
また、ESTAを利用してアメリカにビザなしで滞在できる期間は、最大で90日間です。
なお、ESTAを取得しての米国入国に回数制限はありません。
つまり、有効期限内であれば何回でも入国することが認められます。
ただし、短期間に何度も入国しているような場合は入国管理官に尋問されることがあります。
この際、しっかりと返答できないと入国を拒否されてしまう可能性があります。
一度でも「入国拒否」の履歴が残ってしまうと、次回の審査がより厳しくなってしまいますので、細心の注意が必要です。
B-2ビザ(観光ビザ)とは
次に、B-2ビザの解説をしていきます。
B-2ビザとは一般に「観光ビザ」と呼ばれるもので、米国ビザの中では最もノーマルなビザと言えます。
B-2ビザ(観光ビザ)を取得していれば、ESTAは不要です。
ESTAはあくまで「簡易的なビザ」であるため、本物のビザを取得している方がわざわざ「簡易的なビザ」を取得する必要はありません。
B-1ビザとB-2ビザの違い
B-2ビザは、Bビザの中の一区分です。
Bビザには、B1ビザとB2ビザという2つの区分があり、B1ビザは主に短期のビジネスの際に取得するもので、B2ビザは観光の際に取得するものです。
例えば、B-1ビザは米国での会議への参加や米国企業との契約など、アメリカ出張の際に取得します。
その他、B-1ビザの取得が認められる商用活動としては、以下のようなものがあります。
- 取引先との商談
- 国際会議への出席
- 契約交渉
- コンサルティング活動
- 商品や資材などの買い付け
一方、B-2ビザの取得が認められる活動としては以下のようなものがあります。
- 観光旅行
- アメリカ在住の友人・親族の訪問
- 米国の病院で治療や手術を受けること
ただし、B-1ビザとB-2ビザに分かれてはいますが、実際に取得する際にはB-2ビザと合わせた1つのビザとして発行されることが一般的です。
また、申請条件や申請方法にも違いはありません。
つまり、B-1ビザとB-2ビザの違いは、上記の活動内容の違いのみです。
B-2ビザ(観光ビザ)の申請条件
米国は不法移民に大変厳しい対応をしています。
米国ビザを取得する際には、米国への移住を希望しているわけではないことをはっきりと示す必要があります。
B-2ビザ申請の条件は以下のようなものです。
- 渡米目的が観光・短期商用・知人宅への訪問など一時的な滞在であること
- 渡米計画が明確で、滞在期間は定められた日数以内であること
- 米国滞在に必要な資金の証明が可能であること(銀行の残高証明書、預金通帳のコ ピーなどを提出)
- ビザ申請時の居住地が米国国外であること
- 社会的かつ経済的な保障がある国・地域の市民であり、目的遂行後は確実に帰国または出 国する意志があること
ビザを取得するためには、例外を除いて米国大使館職員、領事館職員との面接が必要です。
その際、上記に関する質問をされたらはっきりと答えられる必要があります。
B-2ビザ(観光ビザ)申請の手順
続いて、B-2ビザ(観光ビザ)の申請方法を解説します。
B-2ビザを含む、アメリカビザの申請は、在日米国大使館または総領事館で行います。
対応しているのは、在日米国大使館(東京)、在札幌米国総領事館、在大阪・神戸米国総領事館、在福岡米国領事館、在沖縄米国総領事館です。
B-2ビザの申請手続きは、ほとんどをインターネット上で行い、最後に大使館・総領事館での面接を行うという流れです。
1.「DS-160申請書」を作成する
まずは、DS-160申請書という米国ビザの申請書を作成します。
DS-160はオンラインフォームになっており、こちらのサイトから記入します。
この際、入力は全て英語で行う必要がありますので、注意してください。
2.証明写真の撮影・添付をする
B-2ビザの申請時には、証明写真の提出が必要です。
後の面接時に証明写真を持参することも可能ですが、DS-160申請書に証明写真を添付することも可能です。
3.ビザ申請費用を支払う
DS-160申請書を送信出来たら、次はビザの審査にかかる手数料を支払います。
B-2ビザ(観光ビザ)の申請費用は、185ドル(約27,000円※1ドル148円で計算)です。
クレジットカード支払いだけでなく、インターネットバンキング、Paypalも対応しています。
支払い後に12桁の番号が表示されますが、この番号が無いと面接予約ができませんので忘れずに控えておきましょう。
4.面接を予約する
B-2ビザの取得には面接が必要ですが、事前に面接の日時を予約をしなければなりません。
時期やタイミングによっては、1週間先まで予約が埋まっているケースもありますので、できるだけ早く手続きを行いましょう。
なお、面接を希望する領事館が「在札幌米国総領事館」もしくは「在福岡米国領事館」であるときは、必要書類を事前に郵送する必要があります。
遅くとも3日前までには届くように郵送しましょう。
面接の予約後に、領事館から返送用レターパックが届きます。これに必要書類を同封して送ります。
面接日に必要書類が届いていないと面接を拒否される可能性があります。
こちらもできるだけ早くから準備をしましょう。
郵送先住所は以下の通りです。
【在札幌米国総領事館】
在札幌米国総領事館ビザサービス | 〒064-0821 札幌市中央区北1条西28丁目 ※封筒の裏側に面接予約日・予約時間を記載してください。 |
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【在福岡米国領事館】
在福岡米国領事館ビザサービス | 〒810-0052 福岡市中央区大濠2-5-26 ※封筒の裏側に面接予約日・予約時間を記載してください。 |
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5.必要書類を揃える
次に、必要書類を揃えます。
B-2ビザ申請の必要書類は以下の通りです。
ただし、状況によって提出するべき書類が変わる可能性がありますので、必ず米国大使館・総領事館のHPで確認をしてください。
<B-2ビザ(観光ビザ)の必要書類>
- 有効期限内のパスポート
- 過去10年以内に取得した古いパスポート
- 証明写真1枚(5cm × 5cm)
- 面接予約確認書
- DS-160申請書の確認ページ
6.米国大使館・総領事館で面接を受ける
必要書類を持参して、大使館・総領事館へ面接を受けに行きます。
万が一のことも考えて、予約時間の15分前までには到着しておきましょう。
少しの遅刻なら問題ないかもしれませんが、大幅に遅刻をしてしまうと面接を受けさせてもらえない可能性があります。
また、入館時には厳重なセキュリティチェックがありますので、不要なものは持ち込まないようにしてください。
米国大使館・総領事館での面接は、基本的に英語で行われます。
ただ、担当者によっては日本語で対応してくれる可能性もありますので、英語が不安な方はその旨を伝えてみましょう。
面接といっても、書類の確認をしながらいくつかの質問に答えるだけです。あまり緊張せず、リラックスして臨みましょう。
7.ビザを受け取る
B-2ビザはパスポートにスタンプの形で付与されます。
面接を終え、無事に審査に合格すれば、1週間ほどでパスポートが郵送されてきます。
無事にパスポートが手元に返却されてきたら、B-2ビザの申請は完了です。
B-2ビザは、他のビザに比べると比較的短期間で取得できると言われています。
とはいえ、ビザの申請から取得まで1か月程度かかりますので、余裕を持った申請をおすすめします。
有効期限と滞在できる期間
B-2ビザ(観光ビザ)の有効期限は、10年間です。
ただし、10年間米国に滞在できるというわけではありません。
ビザの有効期限は、「ビザを利用して入国審査を受けられる期間」のことを表しています。
つまり、B-2ビザを取得してから10年間は、ビザの更新をしなくても良いということです。
ビザを利用してアメリカに滞在できる期間は、入国審査の際に入国審査官によって決定されます。
B2ビザ(観光ビザ)の場合、90日(3か月)から6か月程度の滞在が認められます。
なお、ビザにも回数制限はないので、10年間の有効期限内であれば何度も入国することができます。
ただし、場合によっては審査官に入国理由などを尋ねられる場合があります。
審査官が気にしているのは、「米国に移住しようとしているのではないか」という点です。
理由があって入国したいだけであること、帰国の意思があることをはっきりと示しましょう。
アメリカ観光に必要な手続き
本記事ではここまで、アメリカ旅行を検討している方に向けて、ESTAとB-2ビザの解説をしてきましたが、ESTAまたはB-2ビザを取得するだけではアメリカ旅行へ出発することはできません。
そこで本章では、アメリカ観光をするために必要なその他の手続きを紹介します。
往復の航空券を取る
必要な手続きの1つ目は「往復の航空券を取る」ということです。
当たり前に感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、ポイントは「往復」という点です。
ESTAの申請条件の1つに「米国に長期滞在する意思がなく、渡航目的の達成後は帰国すること」という条件がありました。
また、B-2ビザの申請条件にも「目的遂行後は確実に帰国または出国する意志があること」という条件があります。
ここからわかるのは、米国は観光客を装ってアメリカへ入国し、不法に滞在しようとしている移民を警戒しているということです。
当然、入国審査官もこの点を慎重に判断しますが、片道の航空券しか持っていない観光客は大変怪しく見えてしまいます。
ESTAやB-2ビザを取得していたとしても、入国の可否を最終的に判断するのは入国審査官です。
入国拒否をされないためにも、航空券は必ず往復で購入するようにしましょう。
海外旅行保険に加入する
あくまでも任意ではありますが、アメリカ観光を予定している方は、海外旅行保険への加入を強くおすすめします。
アメリカは、日本と比べて医療費がかなり高額なことで有名です。
日本では数千円の負担で済むような小さなケガや病気でも、アメリカで治療を受ける場合は日本では考えられないような医療費を請求される可能性があります。
また、新型コロナウイルスの脅威が完全になくなったわけではありません。
アメリカへ渡航する際は、海外旅行保険に加入することを外務省も強く推奨しています。
クレジットカードに付帯している海外旅行保険でも十分ですので、海外旅行保険に加入せずにアメリカへ渡航することだけは避けましょう。
Visit Japan Webへ情報登録をする
「VisitJapanWeb」というデジタル庁のWebサービスがあります。
このサービスを利用すると、日本帰国時の税関申告をスマホ上で行うことができるようになります。
VisitJapanWebを利用しなくても、紙の税関申告書を記入して有人の税関カウンターで税関申告をすることはできます。
しかし、有人の税関カウンターは大変混雑しやすく、税関申告だけで数時間の待ち時間が発生することもあります。
VisitJapanWebアカウントを作成し、同伴する家族などの利用者情報や、入国・帰国のスケジュールを登録しておくだけで、税関申告手続きをスムーズに行うことができますので、日本出発までに行っておくのがおすすめです。
Visit Japan Webのアカウント登録はこちらから行えます。
「たびレジ」の登録をする
「たびレジ」は、外務省の海外安全情報無料配信サービスです。
登録しておくと、アメリカの最新安全情報を日本語で受信することができます。
日本にいるうちから旅先の安全情報を収集できるだけでなく、アメリカ旅行中に事件や事故に巻き込まれてしまった場合に、現地の大使館・総領事館からの連絡をメールで受け取ることができます。
登録は任意ですが、無料のサービスですので、事前に登録しておくことをお勧めします。
たびレジの利用者登録はこちらから行えます。
アメリカ入国の流れ
続いて、アメリカ入国の流れも確認しておきましょう。
ESTAやB-2ビザがどのタイミングで必要になるのか知っておくと、スムーズに入国手続きを済ませることができます。
入国審査を受ける
アメリカの空港に到着したら、「Arrival(到着)」の表示にしたがって入国審査場へ移動します。
入国審査の列に並び、自分の番が来たら入国審査官にパスポートを提示します。
B-2ビザを取得している方はパスポートにビザがスタンプされているので、入国審査官はパスポートを見るだけで把握することができます。
また、ESTAの場合も、パスポートを提示するだけです。
ESTAはビザのようにスタンプはされていませんが、パスポート情報と紐づいて電子的に管理されています。
そのため、入国審査官はパスポート情報を見るだけで把握することができるのです。
なお、CBP(米国税関・国境取締局)は、ESTAのコピーを持参することを推奨しています。
コピーが無くても特に問題はありませんが、心配な方はコピーを用意しておきましょう。
以下の記事でESTAをコピーする方法を解説していますので、こちらの記事を参考にプリントアウトしてください。
ESTAの印刷は必要?PC・スマホで印刷する方法を教えます!
パスポートを提示したら、次は渡米の目的やアメリカでの滞在期間、宿泊先などに関する質問に答えます。
簡単な質問が多いですが、受け答えは当然英語です。
英語での受け答えが不安な方は、よくある質問とその解答例を練習しておきましょう。
以下の記事で、入国審査でよくある質問と回答の例を紹介していますので、こちらの記事を参考に受け答えを練習してください。
入国審査でよくある質問と回答例
また入国審査の際、往復の航空券を持っているか、ホテルの予約は取っているかを確認されることがあるので、航空券やホテルの予約確認書は出しやすいところに入れておくようにしましょう。
預け荷物を受け取る
入国審査が終わったら、次は飛行機に預けていた荷物を受け取ります。
乗ってきた飛行機の便名が出ているターンテーブルを探し、自分の荷物が出てくるのを待ちましょう。
自分の荷物が出てこない、または壊れていたというときは、日本で荷物を預けた時にもらった「クレーム・タグ」を係員に見せて対応をお願いしましょう。
税関申告をする
最後に、税関申告をします。
アメリカの主な免税範囲や申告対象品目、持ち込み禁止品は以下のようなものです。
<主な免税範囲>
- 酒類:1リットル以内
- タバコ:紙巻きたばこは200本まで、葉巻は100本まで
- お土産品:100ドル(約14,800円※1ドル148円で計算)相当まで
<申告対象品目>
- 現金:1万ドル(約148万円※1ドル148円で計算)相当額を越える現金は申告が必要
- 個人使用目的以外の物品:個人使用目的以外の衣類、宝飾品、カメラなどは、品数と価格の申告が必要
<主な持ち込み禁止品>
- 肉製品(生肉や加工品、肉由来のエキスが入った調味料も含む)
- 果物(加工されていれば可)
- 野菜類
- 植物
- 種子(米や豆類を含む)
- 危険物
これらを持ってアメリカへ行く予定の方は、忘れずに税関申告をしましょう。
逆に、該当する品目を持っていない方は、税関申告の必要はありませんので、入国手続きは終了です。
オーバーステイに要注意
ESTA、B-2ビザを利用した米国観光の際に気を付けたいことがあります。
それは「オーバーステイ」です。不法滞在と呼ばれることもあります。
不法滞在者というと、「違法に入国して、こっそりと住み着いてしまう人たちのこと」というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。しかし、この考えは間違いです。
渡航目的が単なる観光であっても、オーバーステイ(不法滞在)のリスクはあります。
オーバーステイ(不法滞在)とは、「出国予定期日を過ぎて滞在している状態」のことを指します。
たとえば、ESTAを利用して90日間ギリギリまで滞在しているという場合、一日でも出国が遅れてしまうと、オーバーステイ(不法滞在)になります。
米国は不法滞在に大変厳しい国として有名です。
故意ではなくても、罰金などの罰則が課される可能性があります。
また、一度オーバーステイをしてしまうと、数年間から10年間の入国禁止の処分が下される可能性があります。細心の注意を払うようにしましょう。
まとめ
本記事では、アメリカ観光の際に必要となるESTAとB-2ビザについて解説してきました。
どちらの申請もそこまで難しいものではありません。
しかし、申請に失敗してしまうと旅行計画が水の泡になってしまうかもしれません。
本記事の解説を参考に、楽しいアメリカ旅行を実現させましょう。