日本在住の中国人はESTAの申請をしてアメリカ旅行をすることができるのか?日本在住歴が長い中国人の方や中国人の友達がいる方・中国人の伴侶を持つ方だと疑問に思ったことがあるかと思います。この記事では日本在住の中国籍の方はESTA申請をすることができるのかという疑問にお答えしつつ、中国籍の方が正しくアメリカ渡航する術をお伝えしていきます。また必要書類や必要な登録なども詳しく解説しています。
中国国籍の方はESTAを取得できるのか?
ESTAとは、ビザ免除プログラムの一環でアメリカが導入している電子渡航認証のことを言います。アメリカへ短期商用・観光等の90日以内の滞在目的で旅行する場合は、ESTAが必要となり、米国への入国許可を得るために必要なものです。ESTAがなければ米国への渡航が認められません。そのESTAは、日本在住の中国人の方はESTAを取得できるのか、疑問をお持ちの方も多くいると思いますので、中国人はESTAの申請を行うことはできるのかを解説していきます。
日本在住の中国人はESTA申請できません
残念ながら現時点で日本在住の中国人であっても、中国はESTAのビザ免除プログラムの対象国に含まれていないため中国国籍の方はESTAを申請することができません。
そのため、中国人の方が米国に渡航する際にはビザが必要となります。
ビザ申請を行うためには、最寄りのアメリカ大使館または領事館に申請を行う必要があり、以下の手続きが必要になります。
・DS-160(非移民ビザ電子申請書)のオンラインでの記入と送信
・面接予約のための登録と料金の支払い
・面接予約
・所要の書類を準備
・米国大使館または領事館での面接
ビザ申請は、ESTAと比較して時間と労力を必要としますが、ビザを取得すれば長期滞在や就労など、ESTAでは許可されない活動も可能になります。
ビザの申請を行う大使館一覧の記事はこちらになります。
B-2ビザ(観光ビザ)についてはこちらで確認をしましょう。
中国人の方が渡米に必要なビザの種類
日本在住の中国人ではESTAを取得することができないため、米国に渡航するために必要なビザの取得が必要となります。渡米の目的によってビザの種類は訪問は異なるため、下記のビザの種類一覧から目的に応じたビザの取得をしましょう。
必要なビザの種類一覧
具体的な目的により、それぞれのカテゴリ内の特定のビザを申請する必要があることに注意してください。
目的 | 必要なビザの種類 |
---|---|
観光、休暇、親戚訪問、医療治療 | B-2 ビザ |
商用訪問、特定の専門職、一時的な雇用 | B-1 ビザ |
学生(アカデミック、職業的) | F、M ビザ |
交換訪問者(学生、学者、専門家、医療人材など) | J ビザ |
外交、政府の公式任務 | A、G、NATO ビザ |
メディア、ジャーナリズム | I ビザ |
恋人または配偶者としての移住 | K ビザ |
一時的な労働(農業、非農業) | H、L、O、P、Q、R ビザ |
ビザ申請に必要な書類
ビザ申請には、いくつか書類が必要となります。必要な書類は下記を参考にしてください。
上記はDS-160入力フォームになります。類似サイトも多くあるため、間違えないようにしましょう。
B-1またはB-2ビザで必要になる書類は以下の通りです。
・面接予約確認ページを印刷したもの(WEBから作成)
・有効なパスポート
※残存有効期間がアメリカ入国してから6ヶ月+滞在期間が保証されている状態
・過去10年間で発行された古いパスポート
・証明写真(縦5㎝×横5㎝)
※半年以内に撮影されたものかつカラー写真であること
・在留カードの両面のコピー
・招へい理由書または招待状(英文表記)
※観光目的の場合は不要
・雇用条件通知書
・在職証明書
・納税証明書
・財政証明書(給与明細直近3か月分・銀行の預金残高証明書・不動産や株式資産)
※在職証明書、納税証明書、財政証明類はすべて英文と翻訳を用意しておくことをおすすめします
・滞在日程または旅のしおり(英文作成)
ビザ申請料金
ビザの申請料金は種類によって異なりますが、一般的な観光・ビジネスビザであるB1またはB2ビザの場合、申請料金は約185ドルとなっています。この料金はビザ申請の際にオンラインで支払うことができますが、万が一ビザが拒否された場合、料金は返金されませんので注意が必要です。
ビザの有効期限と更新
ビザの有効期限は種類によりますが、一般的にB1/B2ビザの場合、発行から10年間有効です。
ただし、入国時に移民官により判断されるため、ビザの期限が有効でも米国への入国許可が保証されているものではありません。また、滞在期間が終了する前に滞在を延長したい場合やビザの有効期限が切れる場合には、新たにビザ申請を行う必要があります。これはビザの「更新」ではなく、新たなビザの申請となります。
10年間のB1またはB2ビザ取得後にEVUS(イーバス)を登録
EVUSは、2016年11月29日から始まったもので、Electronic Visa Update System(電子ビザ更新システム)の略で、中国国籍の人がアメリカに渡航する際に必要な書類です。
これは、ビジネスまたは観光目的での渡航を含む、10年間のB1またはB2ビザを持つ中国のパスポート保持者が米国に入国する前に登録が必要となります。
EVUSの申請方法と登録料
下記にてEVUSの申請方法をまとめましたので、参考にしてください。
現状、EVUSの登録料は無料となっていますが、今後有料化される可能性もあるので、10年ビザを持っていて、アメリカへいく予定がある方は早めに登録しておくのが良いでしょう。
EVUSの結果について
EVUSの申請後、およそ1分以内に結果が出ますが、基本的に通知は来ませんので、申請をしたらそのまま待機しておきましょう。
EVUSの申請方法と登録料
下記にてEVUSの申請方法をまとめましたので、参考にしてください。
①EVUSの登録サイトから「OFFICIAL EVUS ENROLLMENT」の「NEW ENROLLMENT」をクリック。右上のEVESのロゴがあるものが公式になるので、類似サイトに注意しましょう。
②「INDIVIDUAL ENROLLMENT」をクリック
③まず免責事項の確認を行いましょう。ここに書かれている内容はB-1またはB-2ビザを持つ中国国籍の渡航者はEVUSに登録する必要があること、EVUSが承認されないとアメリカへの入国はできないこと、EVUSの登録情報に故意的に虚偽申請・詐欺的な陳述や表明をした場合には罰金刑または刑事罰の対象になる可能性もありますと記載されています。
上記内容に同意できる場合は「Yes, I have read and understand the information and agree to these terms.」を選択して同意をしましょう。
④申請者の姓と名の入力をし、生年月日の入力も行いましょう。
Do you have a 10 year U.S. Visa for business or pleasure?
この質問は観光または短期商用目的で10年間のビザを持っていますか?と質問をしているので、Yesを選びます。
この時10年のビザを取得していない場合はEVUSの申請をすることができず、このページ以降は進むことができませんので、ご注意ください。
⑤B1/B2 Visa Foil NumberはB-1またはB-2ビザの付与されているビザ番号を入力します。ビザ番号は以下画像を参考にしてご自身のビザの番号を入力するようにしましょう。
⑥Passport Numberは申請者のパスポート番号(旅券番号)の入力をします。
⑦Passport Country of lssuanceはパスポートの発行国です。EVUSは中国人の為の申請フォームなので、Chinaと入力するようにしましょう。
⑧Passport Issue DateとPassport Expiration Dateはパスポート発行日とパスポートの有効期限を入力します。
⑨申請者の現住所をEVUSに登録します。
⑩申請者がアメリカに渡航に行く渡航先(宿泊先)の登録をします。
⑪申請者にEVUSの認証をするべきかの適格性の質問をされます。
⑫最後に登録内容の確認を行い、情報の送信をします。
ここまできたら申請も終わりです。
現状、EVUSの登録料は無料となっていますが、今後有料化される可能性もあるので、10年ビザを持っていて、アメリカへいく予定がある方は早めに登録しておくのが良いでしょう。
EVUSの結果について
EVUSの申請後、およそ1分以内に結果が出ますが、基本的に通知は来ませんので、申請をしたらそのまま待機しておきましょう。
EVUSの申請を確認するときは上記の画像の「CHECK INDIVIDUAL STATUS」をクリックしましょう。
上記のように表示されたら、パスポート番号・B-1またはB-2ビザの番号・申請者の生年月日は必須で入力をします。そこからEVUS登録番号または、申請者の国籍・姓・名のどちらかを入力し、EVUSの登録結果の確認を行います。
また、申請結果は下記のとおりになります。
表示内容 | 申請結果 |
---|---|
ENROLLED | 承認 |
PENDING | 保留中 ※72時間後に「Status Check」から結果を確認する |
UNSUCCESSFUL ENROLLMENT |
否認 |
EVUSの拒否理由
EVUSが否認される主な理由は
・正確な情報を入力していない
・情報の虚偽申告の可能性がある
・有効期限切れのパスポート、ビザで申請している
・過去にアメリカ国内で法律的に違反したり、アメリカで刑事事件を起こしている
この場合、再度正しい内容を入力しましょう。それでも拒否されてしまう場合は、EVUSのコールセンターに問い合わせてください。
本人が問い合わせた場合に限って、否認理由を教えてくれます。(中国語で質問を受け付けています。)
EVUSコールセンター |
24時間対応 電話:+1-202-325-0180 Email:evus@cbp.dhs.gov |
日本在住中国人国籍の方のビザ申請が拒否された時の対処法
ビザ申請が拒否された場合の対処法をここで紹介します。
ビザ申請拒否の理由
ビザ申請が拒否される理由はさまざまです。書類の不備や不適切な情報の提供、面接時の対応などが主な理由です。
また、過去に犯罪歴がある場合なども拒否の理由のひとつです。さらに申請者が米国滞在期間中の資金を証明できない場合、不法滞在する意志があると疑われる可能性があります。
ビザ再申請の方法
ビザ申請が拒否されたとしても、正しい情報で修正したり、追加情報を提出したりすることで再申請が可能です。
しかし、再申請の際には、初回の拒否理由を詳細に理解し、それを解消するための具体的な対策をとることが重要です。再申請料金も必要となるので、それを考慮した上で計画を立てましょう。
ビザ再申請の追加情報で必要になる書類として
・扶養証明書(扶養している事実を証明する市民税課台帳などが必要)
・日本人と結婚したことを証明するもの(戸籍謄本)
・英文作成された仕事に関する詳細資料
・過去の渡米で何をしていたのかを説明(不法就労の確認)
・英文作成された判決謄本、裁判記録の提出
これらの書類を持って再申請を行うようにしましょう。
法的な対応も検討しましょう
もしビザ申請が再度拒否された場合、移民法専門の弁護士と相談することを検討すると良いでしょう。適切な法的アドバイスを得ることで、成功するための最善の策を立てることが可能となります。これは特に、拒否理由が複雑な場合や、特殊な事情が存在する場合に有効です。
まとめ
以上、日本在住の中国人の米国への渡米に関する情報について説明しました。中国人の方はESTAの申請はできず、B-1またはB-2ビザの申請・取得と共にEVUSの登録も必須です。ビザの申請は想定しているよりも時間も日数もかかることがあるので、アメリカ旅行を計画中と同時進行でビザの申し込みから、ビザの申請までを行っておくことをおすすめします。EVUSの登録はビザが取得できてしまえば、簡単に行うことができます。
この記事を通して、中国人の方も安心してアメリカ旅行に行けるお手伝いができれば幸いです。