海外旅行の際にビザを取得した方はパスポートの有効期限を確認していますか?ビザ取得後でもパスポートの更新は出来るのでしょうか。
海外への渡航に向けてビザを無事取得していても、パスポートが有効期限切れでは海外に渡航することができません。そんな方に向けて、パスポートの更新について解説していきます。
パスポートとは?
パスポートは、各国の外務省が発行している公的書類で、海外で身分証として利用する事ができます。そのため、年齢確認が必要な場所に行く際や、お酒・タバコを海外で購入する際にも提示することができます。
パスポートは、日本では一般旅券と呼ばれており、取得の際に有効期限が5年又は10年のどちらかを選択することができます。
5年間有効なパスポートは日本国民であれば誰でも取得することが出来ます。しかし、有効期限が10年間の物は18歳以上の成人にならなければ取得することができません。年齢制限の理由として、0歳から18歳までは成長の途中であるため、見た目の変化が激しく、証明写真が本人であるかを特定できないためです。
パスポートの有効期限
パスポートの有効期限は5年間若しくは10年間です。どちらも、5年後、10年後の発行日と同日が失効日になります。もし、失効日までに更新手続きを行わなかった場合パスポートは無効になり、新規発行手続きを行わなければなりません。
そのため、海外旅行を計画する際には、まずパスポートの有効期限を確認する事をオススメします。
パスポート更新の適切なタイミング
パスポートの更新は残存有効期限が1年未満になったら更新を行うことができます。
残存有効期間とは、パスポートが失効してしまう日までの残りの日数です。
パスポートを更新する事をお考えの際には、残存有効期間が1年未満であることを確認したうえで更新手続きを行いに向かいましょう。
ただし、パスポートが有効な期間内で、結婚をして戸籍上の氏名が変わったり、本籍の都道府県が変わった場合、海外渡航前に一年以上の残存有効期間があっても更新を行うことができます。
注意点として、パスポートの更新を行うと残りの有効期間は切り捨てられ、新しいパスポートの発行日から有効期限が計算されます。また、新しいパスポートが発行されるまで、海外に渡航することができなくなってしまいます。
パスポートは帰国日まで有効である必要がある
海外旅行をしている方にありがちな失敗例として、パスポートの有効期限が日本に帰国する日までに失効してしまうパターンです。
航空券を購入したタイミングでは有効期間内であっても、外国に滞在している際に有効苦言切れになってしまうとそのパスポートは無効になってしまいます。
また、海外旅行中に台風などの天災やテロなどといった思わぬトラブルの影響で帰国日が遅くなってしまう事もあります。滞在日数が増えてしまうようなイレギュラーな事態に巻き込まれてしまい、パスポートが無効になってしまうリスクがあるのです。
そのため、残存有効期間に余裕がない場合には、必ず渡航前に更新手続きを行うことが重要です。
対策として、海外の日本国総領事館や大使館などではパスポートの更新を行う事ができるサービスがあります。
しかし、海外で必要書類を集めることは非常に難しく、発行までに数日かかることが予想されるため、緊急時の最終手段として利用するべきでしょう。
入国の際に十分な残存有効期限が必要な国がある
一部の国では、旅行者のパスポートの有効期限が一定以上ないと入国できないという条件があります。
多くの場合は「6カ月から3か月以上の残存有効期間」になりますが、国や地域によって必要になるパスポートの有効期限は異なります。もし、有効期限がない場合には、飛行機に搭乗する事すらできません。
そのため、渡航の際には、必ず入国条件を確認し、パスポートの有効期限が十分に残っているかを確認しましょう。
なお、日本国民がアメリカに入国する際には、パスポートの有効期限の条件はありません。
通常、アメリカに渡航する際には滞在期間に加えて6カ月のパスポート要件があります。
しかし、日本はアメリカが定めた「6Month Club Members」というグループに所属しているため、入国時に必要になるパスポート要件をクリアすることができます。
パスポートの更新ができる場所と必要書類
パスポートの更新は住民登録されている都道府県や居住地の役所の専用窓口で手続きを行って更新することができます。
その際に必要になる書類は以下の通りです。
パスポートの更新に必要な書類 | |
---|---|
一般旅券発給申請書(切り替え用)1通 | パスポートセンターにて入手・記入 |
申請日前6カ月以内に撮影されたパスポート用の証明写真 | 縦45mm、横35mm |
有効なパスポート | 現在使用しているパスポートを持参 |
また、有効なパスポートに記載されている氏名や本籍地がを変更する場合には、
「申請日前6カ月以内に発行された戸籍謄本・抄本」が一通必要になります。
加えて、申請窓口で住民基本台帳ネットワークシステムによる個人情報の検索を希望しない場合や、
住民登録されている住所ではなく、住居がある場所から申請出来る居住申請を行う場合には
「申請日前6カ月以内に発行された住民票の写し」一通も必要になります。
パスポート更新にかかる時間
パスポート更新の申請から発行までは申請した日を1日目として、営業日である平日のみを換算して6日から8日ほどかかります。
そのため、2週間ほどのゆとりをもってパスポートの申請を行わなければ渡航日までに間に合わなくなってしまう可能性があります。
また、必要書類を集める時間や証明写真を撮影しなければならないので、思っているより早く行動に移す事が重要です。
また、書類の不備があった場合には更に発行までに時間がかかりますので、パスポートの手続きの準備にはしっかりと時間をかけて確認しつつ行いましょう。
期限切れになってしまったパスポートの更新方法
有効期限内にパスポートの更新が出来ず、期限が切れてしまった場合、更新を行うことはできません。
そのため、新規発行を行う必要があります。
この際に、期限が切れてしまったパスポートは窓口に提出し、処分しなければなりません。
後述する必要書類と共に古いパスポートを持参していきましょう。
パスポートの新規発行に必要な書類
パスポート新規発行に必要な書類 | |
---|---|
一般旅券発給申請書 | パスポートセンターにて入手・記入 |
戸籍謄本の原本 | 市役所や区役所にて入手 |
本人確認書類 | マイナンバーカードや免許証 |
パスポート用の写真 | 縦45mm、横35mm |
一般旅券発給申請書については、パスポートセンターにて配布されています。
当日に記入して提出すると良いでしょう。
また、外務省ホームページにある「ダウンロード申請書」を印刷してに記入することもできます。
パスポートを更新するとビザはどうなる?
パスポートを切り替え申請し、更新した場合のビザの取り扱いは国によって異なります。各国の大使館のホームページ又はお問い合わせ窓口にて確認を行いましょう。
例として、アメリカの場合、旧パスポートが失効していてもビザの入国許可は有効なままです。
そのため、新旧パスポートを2冊所持することでアメリカへの出入国が可能になります。
パスポートの代理申請について
パスポートは代理申請を行うことも可能です。代理人が申請を行う際には、必要書類に加えて提出者の身元を証明出来る確認書類も必要になります。
パスポートの申請書には本人が自筆で記入しなければならない部分もあります。
該当箇所は必ず本人が記入し、必要な書類を専用窓口に提出してもらいましょう。
また、パスポートの申請書には「申請書類等提出委任申出書」が添付されています。
代理申請の際には、必要事項を代理人が記入します。申請書類等提出委任申出書は申請者記入欄と引受人記入欄に分かれていますので、不備がないように記入しましょう。
ただし、パスポートの入手目的によっては、申請書の代理人提出が認められないケースもあるため、ご注意ください。
新しいパスポートの受け取りで必要なもの
パスポートの受け取りには「旅券引換書」と申請料が必要になります。
旅券引換書は、パスポートの申請時に窓口の職員から手渡されます。
また、パスポートは公的文書のため、受け取りは何歳であっても本人でなければなりません。
手数料に関しては指定された金額の収入印紙を事前に購入し、台紙に貼って各都道府県に存在するパスポートセンターに窓口に提出します。
なお、収入印紙はパスポートセンター内の販売店にて購入することが可能です。
また、全国の郵便局でも購入することができます。
パスポート申請の手数料
パスポートの手数料 | |||
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パスポートの種類 | 都道府県収入印紙 | 収入印紙 | 合計 |
10年間有効なパスポート | ¥2,000 | ¥14,000 | ¥16,000 |
5年間有効なパスポート | ¥2,000 | ¥9,000 | ¥11,000 |
12歳未満の方がパスポート申請を行う場合には都道府県収入印紙¥2,000と収入印紙¥4,000が必要になります。
受け取りの際、新しいパスポートは、発行から6カ月以内に受け取らなければ失効になってしまいます。発行日をしっかり確認し、早めに受け取りに行きましょう。
パスポートの更新時の注意点
パスポートを更新すると、以前のパスポートとは番号が変更されます。そのため、更新前に旅行予約を行った場合には、代理店や航空会社に更新した旨を伝える必要があります。
また、電子渡航認証を申請していた方は、再度新しいパスポートで申請を行う必要があります。
まとめ
パスポートは公的文書であるため、海外でも身分証明書として提示することができます。海外でパスポートの有効期限が切れ、失効になってしまわないために事前にパスポートの有効期限を確認することが重要です。
また、更新は残存有効期限が1年未満になったタイミングで行うことができます。
更新は出来るだけ早めに行いましょう。