短期滞在ビザに必要な書類や申請方法を解説!短期滞在ビザの注意点もお伝えします。

日本で観光や会社の研修などで外国人を招待したい場合のビザは短期滞在ビザを申請します。また海外で離れた家族を招待する場合には親族訪問、お友達の場合には知人訪問と、短期滞在ビザは目的別で用意する書類も変わってきます。

本記事では日本で外国人が短期滞在する場合のビザを徹底解説し、海外にいる親族や知人を招待するときに役立てていただければと思います。

短期滞在ビザとは?

『短期滞在ビザ』とは、短期で日本に訪れ観光・保養・スポーツ・親族訪問・見学・講習や会合への参加・業務連絡・研修その他、この項目に似た活動をする場合に設けられたビザです。

『短期滞在ビザ』の別名で短期ビザ、短期商用ビザ、観光ビザや親族滞在ビザと呼ばれる場合がありますが、外務省でも特に定義があるわけではないので、報酬を伴わない短期での訪日は、すべて短期滞在ビザとして在留資格を申請し取得します。

【わかりやすい事例】

・日本にいる外国人が交際相手を海外にいる両親に会わせたい
・海外にいる友達を日本に招待して観光を楽しみたい
・海外の取引先が日本の会社で研修や講習を行う予定だ

上記のように報酬を伴わない活動であること。が前提条件となっています。

短期滞在ビザの取得を行わなくても訪日できるビザ免除措置国もある為、短期滞在ビザの全容をこれから解説していきます。

短期滞在ビザ目的別必要書類

まずは短期滞在ビザの申請方法の流れと必要な書類などを、これから解説していきます。

短期滞在ビザの申請は、日本に行くことを考えている海外の申請者が、外国にある日本大使館または領事館へ申請書類の提出をします。

日本の会社で海外の訪日者が研修を受ける場合(呼び寄せる場合)は、日本の会社で必要書類の準備と作成をした後に、海外の訪日外国人宛てに必要書類を送付しましょう。

海外にある日本大使館または領事館への申請ですが、基本的には申請者が日本大使館に持ち込むことで取得できますが、一部の国では大使館が認めたビザ申請の代理店経由でないと申請できないことがあります。各国の日本大使館で一度確認をし、申請することをおすすめします。

短期滞在ビザの目的は主に3つに分類されます。先ほども言った通り、就労で報酬を得るといった行為は禁止されてます。また短期滞在ビザの在留期間は延長できるものではありませんが、法務省は『人道上に真にやむを得ない事情またはこれに相当する特別な事情』でない限り、在留期間の延長は認めていません。

では人道上に真にやむを得ない事情とはどんな場合なのか、訪日していて観光を楽しんでいたが、突然不慮の事故に合って大けがをしてしまった。一緒に観光していた人が重篤な病気になったり、事故にあってしまい現場でのケアが必要になった場合など限ります。

目的別の解説をしていくの共に、それそれの必要書類についても解説をしていきます。

親族訪問

親族訪問とは、親族(原則として血族および姻族3親等内)が親族に会う為に日本に滞在をすることです。不法入国者を防ぐために出入国在留管理局の審査が年々厳しくなっている為、3親等内のルールは守らなければなりません。

※法律的に婚姻関係にない彼氏彼女の交際関係の状態や交際相手、婚姻届を提出する前の婚約者の状態は知人訪問に該当します。

※いとこは知人訪問に該当します。

【血族および姻族3親等内】
曽祖父母、祖父母、父母、子、孫、ひ孫、兄弟姉妹、甥・姪、おじ、おば

短期滞在ビザにおいて、3親等内の親族はすべて親族訪問での申請を行うようにしましょう。

親族訪問の必要書類

【申請者が用意する書類】

・旅券(パスポート)
・ビザ申請書 1通 
※ロシア・CIS諸国・ジョージア人は2通
・証明写真(4cm x 3cm)
・航空券の予約証明書
・渡航費の支払い能力の証明
(日本側の身元引受人が全額支払う場合は不要) 
∟公的機関が発給する所得証明書 
∟金融機関発行の取引証明書
・出生証明書
・婚姻証明書
・戸籍謄本
・韓国の外国人登録証の表裏の写し
※お持ちであれは

【招へい人が用意する書類】

・招へい理由書
・招へい理由に関する資料
(招へい人または配偶者が日本人の場合は戸籍謄本)
・申請人名簿
(2人以上の申請者が同時にビザの申請を行う場合)
・滞在予定表

【招へい人が渡航費用を負担する場合】

・身元保証書
・渡航費用担保能力の証明1点 
∟直近の課税証明書または納税証明書 
∟税務署受理印済みの確定申告書の写し 
∟預金残高証明書
・世帯全員が記載されている住民票
・有効な在留カードの裏表コピー 
※外国人のみ・住民票 
※マイナンバー記載のもの
・旅券のコピー

知人訪問

知人訪問での短期滞在ビザの場合には、海外に住む結婚前の婚約者や海外にいる友達など、あと3親等外のいとこも知人訪問に含まれます。

知人訪問では知人ということを公的に証明する書類などはないので、メールやチャットのやりとり、またはツーショットの写真などで知人関係を証明する必要があります。

昨今SNSなどで出会い、一度も会ったことがない場合でも知人関係が成立している場合がありますが、この場合は許可が出ない可能性が高いです。

SNSで出会った知人関係の場合は一度でも会って、証明できる写真などを撮っておくことをおすすめします。

知人訪問の必要書類

【申請者が用意する書類】

・旅券(パスポート)
・ビザ申請書 1通 
※ロシア・CIS諸国・ジョージア人は2通
・証明写真(4cm x 3cm)
・航空券の予約証明書
・渡航費の支払い能力の証明
(日本側の身元引受人が全額支払う場合は不要) 
∟公的機関が発給する所得証明書 
∟金融機関発行の取引証明書
・友人関係にあることを証明できるもの 
∟写真 
∟手紙 
∟e-mail 
∟国際電話通話証明書
・韓国の外国人登録証の表裏の写し
※お持ちであれは

【招へい人が用意する書類】

・招へい理由書
・招へい理由に関する資料
(招へい人または配偶者が日本人の場合は戸籍謄本)
・申請人名簿
(2人以上の申請者が同時にビザの申請を行う場合)
・滞在予定表

【招へい人が渡航費用を負担する場合】

・身元保証書
・渡航費用担保能力の証明1点 
∟直近の課税証明書または納税証明書 
∟税務署受理印済みの確定申告書の写し 
∟預金残高証明書
・世帯全員が記載されている住民票
・有効な在留カードの裏表コピー 
※外国人のみ
・住民票 
※マイナンバー記載のもの
・旅券のコピー

短期商用

日本以外の海外で取引をしている場合に、取引先の担当者が日本に打ち合わせや、見学・視察、または会議などで日本に来ることがあります。その場合には短期滞在ビザの短期商用を理由として申請をしましょう。短期商用の場合には身元引受人は必要ありません。

短期滞在ビザの申請人と招へい人(この場合は日本の会社)との関係性と、訪問場所の施設が必要になってきます。短期商用の目的であっても、就労の事実は認められませんので、報酬は出してはいけません。報酬を受け取る場合は招致された外国人が本国に戻ってから、ご自身が働く会社から報酬を得るようにしましょう。

短期商用の必要書類

【申請者が用意する書類】

・旅券(パスポート)
・ビザ申請書 1通 
※ロシア・CIS諸国・ジョージア人は2通
・証明写真(4cm x 3cm)
・航空券の予約証明書
・渡航費の支払い能力の証明
(日本側の身元引受人が全額支払う場合は不要) 
∟所属先からの出張命令書 
∟派遣状 
∟これらに準ずる文書
・在職証明書
・韓国の外国人登録証の表裏の写し 
※お持ちであれは

【招へい人が用意する書類】

・招へい理由書または在留活動を証明するもの 
∟会社間の取引契約書 
∟会議資料 
∟取引品資料など
・申請人名簿
(2人以上の申請者が同時にビザの申請を行う場合)
・滞在予定表

【招へい人が渡航費用を負担する場合】

・身元保証書
・法人登記簿謄本または
・会社/団体概要説明書 
※上場企業は会社四季報の写しでも可
・在職証明書 
※個人招へいの場合のみ

観光・医療

短期滞在ビザは観光で来日される場合にも申請することが可能です。外国人から人気の京都に行きたいなどは観光です。ただ短期滞在ビザを取得し、医療滞在で日本に来日することも許可しているので問題はありません。

ただし短期滞在ビザは90日以内での在留期間になるので、90日以上を超える場合には『医療ビザ』または『特定活動』の在留資格を申請するようにしましょう。

観光・医療の必要書類

【申請者が用意する書類】

・旅券(パスポート)
・ビザ申請書 1通 
※ロシア・CIS諸国・ジョージア人は2通
・証明写真(4cm x 3cm)
・航空券の予約証明書
・渡航費の支払い能力の証明
(日本側の身元引受人が全額支払う場合は不要) 
∟公的機関が発給する所得証明書 
∟金融機関発行の取引証明書
・滞在予定表
・韓国の外国人登録証の表裏の写し
※お持ちであれは

招へい人・身元保証人とは

短期滞在ビザは来日したい外国人が住む海外で、日本大使館または領事館に出向き申請する方法もありますが、実は有効な手段とは言えない場合があります。

自己申請が有効な手段でない場合には、日本の招へい人や身元引受人の協力者が必要になってきます。

招へい人 身元引受人
海外から日本に外国人を招待する人 海外から日本に来た外国人の日本滞在中の金銭面をサポートする人

招へい人の役割は招くことなので、わかりやすいですが身元引受人の役割はどのようなものがあるのか解説します。

①日本滞在にかかったお金の支払い
日本での生活中にかかった宿泊費や交通費などの支払い

②往復の日本までの交通費
航空チケットやフェリーのチケット代

③法令遵守
海外にはない日本のルールを守ってもらう為にも身元引受人がサポートする

このように、身元引受人には重要な任務があることを忘れないようにしましょう。

招へい理由書の書き方

招へい人について理解したところで、続いて招へい人が書くべき招へい理由書について解説していきます。招へい理由書はビザの申請者である外国人をなぜ日本に呼ばなければいけないのか、正当な理由・大切な理由をまとめた書類になります。この書類を適当に記載することでビザ申請者を日本に招くことができなくなってしまう可能性もあるので、しっかりと記載するようにしましょう。

招へい理由書の書き方

①日付には招へい理由書に署名した日または押印した日を記載します。

②ビザ申請者の現住所(外国居住地)の管轄在日大使館・領事館名を記載します。

<招へい人記載欄>
③招へい人の住民票に記載されている郵便番号と住所を記載します。

④招へい人の名前の記入と押印をします。
(この時、身元引受人と同一の場合は省略と記載)

⑤招へい人の連絡先である電話番号を記載。固定電話または携帯電話の番号のみ。FAXはなけれな記載しなくても良いです。

<ビザ申請者記載欄>
⑥ビザ申請者の国籍を記載します。

⑦ビザ申請者の職業を記載します。
※提出書類との不一致がないように記載事項は偽らないようにしましょう。

⑧ビザ申請者の氏名を記載します。性別と人数の記載もします。
※ビザ申請者一人での滞在の場合は0名と記載しましょう。

⑨ビザ申請者の生年月日を記載します。

<招へい理由の記載欄>
⑩ビザ申請者の日本での活動内容を記載します。日本で行動する際に相手がいる場合は相手との関係性も記載しましょう。

⑪別紙添付と記載します。招へい経由書は別用紙で作成を行います。

⑫ビザ申請者と招へい者との関係を詳細に記載します。出会った場所から、関係性、出会って何年の付き合いかなど、事細かに記載します。親族の場合は親族間でもどの関係性なのかを詳細に記載する必要があります。

身元保証書の書き方

短期滞在ビザ申請の為の身元保証書の書類提出は、金銭的なトラブル回避のほか、不法滞在の防止、緊急連絡先の確認等、日本政府とビザ申請者の双方にとって必要になる書類です。ただし、身元保証書の提出自体は任意ではあるものの、提出することでビザ申請者にとって短期滞在ビザの申請が優位に進む可能性があります。では、書き方の説明をしていきます。

身元保証人の書き方

①招へい理由書と同様に署名した日または押印した日を記載します。

②ビザ申請者の現住所(外国居住地)の管轄在日大使館・領事館名を記載します。
※招へい理由書と同様の管轄在日大使館・領事館名を記載しましょう。

<ビザ申請者記載欄>
③ビザ申請者の国籍を記載します。

④職業は会社員・自営業・主婦・学生などで記載をしましょう。
※無職の場合はそのまま無職と記載するようにしましょう。

⑤ビザ申請者の氏名をパスポートの表記通りアルファベットで記載します。
性別と人数の記載も行います。
※ビザ申請者一人での滞在の場合は0名と記載しましょう。

⑥ビザ申請者の生年月日はパスポートと相違ないよう記載します。

<招へい理由の記載欄>
⑦身元引受人の住民票に表記されている住所と郵便番号を記載します。

⑧身元引受人の職業の記載。職業は会社員・自営業・主婦・学生などで記載をしましょう。

⑨身元引受人の署名と押印が必要になります。生年月日と年齢も記載しましょう。

⑩身元引受人の連絡先である携帯電話または固定電話の番号を記載します。
※FAX番号はなくても良いです。

⑪身元引受人とビザ申請者の関係性を詳細に記載しましょう。出会った場所から、関係性、出会って何年の付き合いかなど、事細かに記載します。親族の場合は親族間でもどの関係性なのかを詳細に記載する必要があります。

短期滞在ビザ(親族訪問など)の申請場所

短期滞在ビザの申請は、就労ビザのように中長期的に滞在する為のビザではないので、入館管理局への申請は行いません。

来日したい申請者が直接、海外にある日本大使館または領事館にて申請を行います。

海外によってもルールが違う為、中国やロシア、オーストラリア、フィリピンなどは個人での日本大使館での申請は受け付けておらず、国から委託されているビザ代理申請機関を通して行っているため、その国のルールにしたがって申請するようにしましょう。

また、短期滞在ビザは入国前に申請するものであって、日本国内で申請することはできません。

短期滞在ビザの受領をし、来日すると日本の空港または海港で審査をされます。

短期滞在ビザ(親族訪問など)で許可される日数

短期滞在ビザで許可される日数は15日・30日・90日の3種類から自分で選ぶことが可能です。短期滞在ビザに関しては申請者本人の希望日数の申請ができる為、1回で最長90日間の申請をすることも可能です。

しかし、日数が長くなるほど、審査基準はあがるので90日間も滞在する予定がないのに、むやみやたらに90日間も申請をするのはやめましょう。

もし申請が拒否されたあとにやっぱり15日間でした、30日間でしたと変更すると審査官に対しても印象が悪くなる為、渡航目的に合った日数を伝えるようにしましょう。

また、法務省は『人道上に真にやむを得ない事情またはこれに相当する特別な事情』でない限り、在留期間の延長は認めていない為、延長は基本的にできません。

90日以上の滞在は家族滞在ビザの申請を

家族滞在ビザは90日以上の滞在が可能になります。ただし、被扶養者として扶養している事実があるかどうか、法的に結婚している事実があるかどうかなどの審査が行われます。

短期滞在ビザと違い、申請を行うのも日本大使館ではなく、出入国管理局になるため、必要な書類を用意し申請を行うようにしましょう。

短期滞在ビザ(親族訪問など)の審査基準

短期滞在ビザは日本大使館または領事館で申請を行いますが、明確な審査基準があります。

短期滞在ビザの申請が拒否される主な理由を読み取り、拒否されないようにするための対策方法もお伝えしていきます。

まず短期滞在ビザの申請が拒否される理由として、3点あります。

  • 提出書類の不備(用意するべき書類が揃っていない)
  • 招へい人の日本に招待したい理由が伝わっていない
  • 身元引受人の経済状況(低所得や貯金がない)
  • 滞在目的や滞在日程が明確にされていない
  • ビザ申請者の過去に犯罪歴がある

またパスポートが偽造されている場合や有効期限が切れている場合、滞在目的と滞在日数が合っていない、就労しようとしている様子が見られる、過去に日本や海外で捕まったことがある場合なども拒否理由として該当します。

申請が拒否される理由の多くは提出物や招へい人の招待理由、身元引受人の経済状況などですが、これらは申請前の入念な準備で対応できます。

その他の素行不良での申請拒否は日々の生活で改善していくことをおすすめします。パスポートの偽装など、法に触れるような行いは拒否どころか今後一切、日本に行けなくなる可能性もある為、気を付けましょう。

短期滞在ビザ(親族訪問など)の発給の流れ

短期滞在ビザの申請許可が認められるまでの期間はおおよそ5日~2週間程度となります。短期滞在ビザが与えられると申請者に通知が届きます。ご自身のパスポートに『ビザ(査証)』のシールが張られているのことを確認しましょう。

パスポートにビザのシールが張られていることを確認したら、日本に入国が可能です。

入国時に空港や海港などで上陸手続きを行いましょう。この手続きを行わないと在留資格がもらえません。ここでやっと『短期滞在資格』のシールが張られます。

ビザの申請が許可されたからと言って、日本に入国できるわけではなく、上陸手続きが行われてから入国ができるようになります。こちらも注意が必要です。

ビザ申請者と招へい人の行動を画像にまとめましたので、ご覧ください。

家族滞在ビザと招へい人の時系列画像

短期滞在ビザ(親族訪問など)の注意点

短期滞在ビザの注意点は目的別の項目でも説明はしていますが、大事なことになるのでこちらで解説していきます。

短期滞在ビザ申請時の注意点
①日本観光中にアルバイトなどをして報酬を受け取ることができない
②研修などで訪日し、無報酬だとしても実務をしてはならない
③呼び寄せてる日本側の会社も報酬を受けてはならない 

短期滞在ビザは労働をしてはいけない為、観光中に金銭苦になったとしても労働をして報酬を得てはいけません。

また商用目的で研修にきている場合、研修と称して実務をしてはいけません。

商談や懇親会・オリエンテーションなど実務を伴わない研修であれば問題ありませんが、法務省の裁量によって判断されるため、正当な理由を用意しておきましょう。

また、招へい人や招へい企業も報酬を得ないことが前提条件です。

申請拒否されると半年間は申請できません

短期滞在ビザの申請を拒否されると、半年間は申請ができなくなります。

日本には、約30種類のビザと在留資格がありますが、『短期滞在ビザ』だけは申請拒否されると来日理由が同じ内容であれば、再度申請するまでに6か月間は間を空けないとされています。

不許可理由にもよりますが、拒否された理由が短期では改善されるとは考えにくい為の措置でもあるようです。

申請不許可の理由を伝えてもらえない

短期滞在ビザでは先ほどもお伝えした通り、不許可の場合は6か月間は再申請することができません。また日本大使館または領事館から不許可理由を教えてもらえないので、改善までに時間を要する可能性があります。

特に親族訪問などの招へい人の書類が必要な場合は、ご自身以外の招へい人の書類不備の可能性もあるので、申請拒否後は協力して不許可の理由探しをしましょう。

行政手続法第3条1項10号には、外国人の出入国に関する処分について、審査基準や拒否理由等を提示する義務を適用しない旨が規定されています。

短期滞在ビザ(親族訪問など)で就労した時の罰則

万が一、短期滞在ビザで来日し就労の事実がわかった場合は、その地域の出入国管理局へ通報・または本人が出頭するように対応をしましょう。

短期滞在ビザで働かせていた側に300万以下の罰金と前科がつき、働かせていた側が外国人で在留資格を持っていた場合に、逮捕・勾留中に在留任期を超過してしまうとその日から不法滞在(オーバーステイ)と判断されてしまいます。

仮に釈放されたり事件性はなく不起訴になった場合でも、在留期間の超過が強制送還の理由になってしまう可能性もあるので、気を付けましょう。

短期滞在ビザ(親族訪問など)の免除制度

短期滞在ビザが免除される場合は、査証相互免除協定を締結している国のみ短期滞在ビザの申請をしなくても訪日できるという仕組みです。査証相互免除協定とは、二か国間において相互にビザなし入国を認めることを定めた協定になります。

2023年10月時点で、日本は以下70の国・地域と査証免除協定を締結しています。

インドネシアマレーシア台湾
シンガポールブルネイ香港
タイ韓国マカオ
アメリカカナダ
アルゼンチンスリナムブラジル
ウルグアイチリホンジュラス
エルサルバドルドミニカ共和国メキシコ
グアテマラバハマオーストラリア
コスタリカバルバドスニュージーランド
アラブ首長国連邦イスラエルカタール
トルコチュニジアモーリシャス
レソトアイスランドスペイン
ポーランドアイルランドスロバキア
ポルトガルアンドラスロベニア
北マケドニアイタリアセルビア
マルタエストニアチェコ
モナコオーストリアデンマーク
ラトビアオランダドイツ
リトアニアキプロスノルウェー
リヒテンシュタインギリシャハンガリー
ルーマニアクロアチアフィンランド
ルクセンブルクサンマリノフランス
イギリススイスブルガリア
スウェーデンベルギー

※上記の国は査証相互免除協定を締結して短期滞在ビザは免除されてはいるものの、滞在期間や制度の制限が設けられていることがあります。

オンライン申請(JAPAN eVisa)について

日本の短期滞在ビザもアメリカのESTAのような電子渡航ビザの申請がオンラインでできるようになりました。

JAPAN e-VISAを利用した短期滞在ビザの取得は2023年3月27日から利用できるようになりました。以下の国に居住している市民が申請の対象者です。

アラブ首長国連邦英国カナダ
カンボジアサウジアラビアシンガポール
台湾ブラジル米国
南アフリカモンゴル

【対象者】

  • 観光を目的とする短期滞在ビザを取得したい人
  • アラブ首長国連邦、英国、カナダ、カンボジア、サウジアラビア、シンガポール、台湾、ブラジル、米国、南アフリカ、モンゴルに居住する全ての国・地域籍者
  • 中国に居住する中国籍者
  • ベトナムに居住するベトナム国籍者
    (当面は指定旅行会社が催行するパッケージツアー参加者を対象とする。)

※申請については、在外公館が指定する指定旅行会社が申請を行います。電子ビザの発給は、準備が整った指定旅行会社から順次開始していきます。

航空機を利用して日本へ渡航する方に限ります。

申請者は、審査の過程で申請者の居住地を管轄する在外公館に来館いただく場合があります。JAPAN eVISAサイトの利用は、一般旅券をお持ちの方に限ります。

上記外務省のHPに記載している文章になります。オンライン申請をする方は参考にしてください。

JAPAN e-VISA

電子渡航ビザでの発給になる為、空港では携帯電話などでインターネットに接続し『Visa issuance notice』を表示させましょう。表示後、短期滞在ビザに変更します。スクリーンショットや印刷はNGとなります。

短期滞在ビザ(親族訪問など)国別取得事情

短期滞在ビザは国別で申請方法に違いがあります。個人で日本大使館または領事館で申請ができたり、オンラインで申請ができる国もあれば、国が許可した代理店経由で申請する場合など、それぞれの国で対応が変わる為、特殊な事例の紹介をしていきます。

短期滞在ビザで中国から日本へ

中国国内のどこに住んでいるかによって管轄になる日本大使館または領事館が異なります。(青島・上海・広州・瀋陽・大連・重慶など)住んでいる地域外では申請ができない可能性があります。

中国の場合、確認される身分証明書として「戸口簿のコピー」や「居住証・居住証明書」が求められる場合があります。

観光目的の場合は中国内の旅行会社を通じて短期滞在ビザを取得するのが一般的なので、個人で申請するのは控えておきましょう。

また旅行会社を通じて短期滞在ビザを申請するメリットとして、身元保証人が旅行会社になることで比較的スムーズに審査が通ることです。

また旅行代理店経由で観光する場合は団体旅行と個人旅行のどちらかです。団体旅行の場合は15日以内の観光と自由行動は認められていません。

個人渡航の場合は高所得者・大学生・研究生など、目的がある渡航者に限定されますが、30日以上のビザの取得も認められるケースもあるようです。なお、日本のある特定の地域を訪問する場合には数次有効ビザが与えられる場合もあります。

短期滞在ビザでフィリピンから日本へ

フィリピンで短期滞在ビザを取得する場合は個人で申請はできず、国から委託を受けている代理申請機関を通じて申請を行います。

フィリピンならではの申請の必要書類の中に洗礼証明書(バプテスマル)というものがあります。これは宗教の教会生活を証明するもので、本人の信仰歴や教会生活の状況などの記載があるものです。それぞれの国のルールがあるので、必要書類はその国のルールを守りましょう。

またフィリピン人と日本人の間に実子がいて来日されるケースもあります。その場合には短期滞在ビザは最長90日までとなるので、もし日本で共に生活を考える場合は日本人が申請者となり、家族滞在ビザの申請も視野にいれましょう。

またフィリピン以外にも代理申請機関を経て、短期滞在ビザを取得しなければならない国はいくつかあります。必ずその国と地域の在日大使館を検索し、確認するようにしましょう。

まとめ

短期滞在ビザ(親族訪問など)の解説をしていきました。短期滞在ビザとはいえ、正当な理由がないと簡単にビザは申請にはなりません。そのため、必要書類の不備や招へい人が用意するべき書類はしっかり対応するようにしましょう。

短期滞在ビザで一番気を付けるべきは報酬が発生するかどうかでもあるので、そこの線引きが難しい場合は申請前に日本大使館または領事館で確認するようにしましょう。

また短期滞在ビザはそれぞれの目的によって取得できるので、海外にいるご両親や親族など招へいして、楽しい時間や日本のいいところを知ってもらえたらと思います。

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