日本のパスポートの絵柄が変更!新しいパスポートのデザインは富嶽三十六景!?

海外旅行をする際にとても大事なパスポートですが、2020年にパスポートが新しいデザインで発行がされています。

世界最強と言われている日本のパスポートには偽造防止の為、紙幣と同様に最新の特殊技術が使われていたり、2020年の新しいデザインのパスポートになるまでの歴史を解説していきます。

世界最強と言われている所以とは一体なんなのでしょう?

2020年 新たなパスポートデザインを導入しました

外務省はパスポートの大幅な変更を1992年以来、28年ぶりに行いました。

パスポートのグレードアップは5~7年の周期で行われており、2020年東京オリンピックまでには、新しいセキュリティー対策を実施したパスポートの導入を目指していました。

定期的にパスポートのデザイン変更を行うことで、パスポートのセキュリティー強化に繋がり不法入国や水際対策が強化されているということになります。間接的ではありますが、パスポートのデザイン変更で我々日本人が守られています。

パスポートデザインを変更する目的

パスポートの絵柄変更やデザイン変更は偽造防止策として行われています。また不正な出入国防止や反社会的勢力の海外逃亡を阻止する目的にも寄与しています。パスポートの偽造を行い、悪用するといったことを未然に防ぐ効果があります。またパスポートにはICチップが搭載されており、パスポートには個人情報がたくさん入っています。日本は5~7年周期で変更をしてくれるので、安心して海外に行くことができます。

パスポートには偽造防止の為にさまざまな努力が見えます。以下にその技術についてわかりやすく解説していきます。

潜像模様

潜像模様とは真正面からみたときには見えないが、角度を変えたら数字や文字が浮き出る技術です。お札にも同じ技術が使われており、お札の場合は表と裏に表示されます。

潜像模様具体例
潜像模様具体例画像

凹版印刷

凹版印刷はお札やパスポートを触ると少しざらざら感を感じると思います。このざらざら感こそが凹版印刷の技術です。印刷板に凹部分をつくることで紙に印刷をしていきます。

すかし模様

パスポートには本人写真のページがありますが、パスポートの本人顔写真ページに裏からライトを当てると、日本の象徴である富士山が浮び上がります。

パスポートの新デザインは葛飾北斎の浮世絵

パスポートの新デザイン画像
パスポートの新デザイン画像

パスポートの新デザインに葛飾北斎の「冨嶽三十六景」(ふがくさんじゅうろっけい)になりました。葛飾北斎の「冨嶽三十六景」とは日本の象徴とも言える富士山をさまざまな地域と角度から描いた浮世絵です。その時々の季節や気象の状況によって描かれた富士山は、ゴッホも影響を受けたと言われてます。

全ページで葛飾北斎の作品が楽しめることも、海外旅行の1つの楽しみになりそうです。

実はひな祭りもデザイン候補だった

今回2020年の新デザインは葛飾北斎の「冨嶽三十六景」(ふがくさんじゅうろっけい)が採用されましたが、実は日本の象徴や日本にしかない行事ということでお正月やひなまつりなどの日本文化性のあるもの、鶴や桜、キジや稲など日本を象徴する動物や植物なども候補でした。最終的に2016年の5月18日に発表があり葛飾北斎の「冨嶽三十六景」(ふがくさんじゅうろっけい)が決定しました。

パスポートはどのようにして生まれた?

パスポート(旅券)として正式名称が誕生したのは、1878年(明治11年)です。その時以前にはパスポートは存在しなかったのか、また海外の渡航はどうしていたのかを解説していきます。

日本初のパスポートは江戸時代に誕生

日本のパスポートは、幕末の1866年に学術や芸術の為や商業のために海外渡航する国民に対して江戸幕府の外国事務局が発給したものが最初であると言われています。日本最古のパスポートは紙1枚の賞状のようなもので、取得した人物の顔や外見の特徴などが記載されていたそうです。

その当時はまだ『旅券』という名称はついておらず、印章・印鑑・旅切手などと呼ばれていました。

世界最強の日本のパスポートの歴史

江戸時代以の明治維新を経て1878年(明治11年)2月20日に海外旅券規則が制定されました。この時から毎年2月20日は『旅券の日』となっています。

現在の旅券の形になったのは1926年(大正15年/昭和元年)に菊の紋章入りで発券されるようになりました。

第二次世界大戦後は日本の外交権を失うことになったので、日本国民にパスポート(旅券)の発給を行うことができなくなり、その当時はGHQが旅券事務処理を行っていたので基本的に日本人が海外に渡航することを禁止していました。そして戦後は日本に外貨が入ってくることがなかったので、海外に行くことも少なかったそうです。

1964年(昭和39年)には日本人の海外渡航が自由になり、海外に行く人口も増えました。

2006年(平成18年)には、ICチップが導入されセキュリティー対策もしっかりと行われるようになりました。

そして2020年の新デザインのパスポートは世界に多くのファンがいる葛飾北斎の「冨嶽三十六景」(ふがくさんじゅうろっけい)のデザインを入れるというセキュリティー面とデザイン性を兼ね備えた新しい試みをしています。またパスポートの新デザインは1ページごとにデザインが変わります。

旅券の歴史は外務省がまとめていますので、こちらからご覧ください。

日本のパスポートはなんで世界最強と言われているのか

パスポートの新デザインを葛飾北斎の「冨嶽三十六景」(ふがくさんじゅうろっけい)にした理由もセキュリティー面で複雑な絵柄は偽造されにくいという観点から決定されたようです。そして光に透かして見ると桜の模様が見えます。またICチップ内の個人情報の不正な読み取りに対しても強化をしています。

セキュリティー面でも日本のパスポートのすごさがわかります。

また日本のパスポートが世界最強と言われている理由はビザなしで入国できる国が多いということです。現在は189の国にビザなしで入国ができます。残念ながら一位はシンガポールの192か国です。

ビザで行ける国の数としては日本は3位になってしましましたが、セキュリティー面とビザなしで行ける国の数と総合ランキングでは世界最強と言っても過言ではありません。

また、日本のパスポートがビザなしで入国できる国が増えたのは、

・日本人が旅行先で健全な消費能力があること
・日本の社会福祉が充実していて不法移民の可能性が低いこと
・世界での日本人のイメージが良いこと

この3点が大きな理由です。

これからもパスポートを利用して海外渡航に行く際はその国のルールを守って安心安全に楽しむようにしましょう。

2024年1月の最新情報では日本のパスポートは世界ランキング1位に返り咲くことができました。外務省による偽造防止技術の向上やデザインセンスはもちろんのこと、日本の外交力の賜物です。

パスポート世界ランキングの詳細記事はこちらで確認をお願いします。

『【2024年最新】日本のパスポートは世界で何位?』

0歳から取得可能なパスポートは4人に1人が持っている

パスポートは海外渡航を計画しているすべての年齢の人が取得可能です。家族とともに海外旅行を計画している、生まれたての赤ちゃんから100歳のおじいちゃん・おばあちゃんまで、海外に行く際はパスポートの取得が義務付けられています。

外務省の統計によると2022年のパスポート(旅券)の取得は137万冊そのうち国内での取得は124万冊だったようです。

海外で罪を犯してしまったり、なんらかの理由で強制送還された過去がある場合はパスポートの取得すらできないことがあります。パスポートの取得件数が年々上がっていることを見ると、日本人が海外で罪を犯したりしていないことが伺えます。

パスポートは5・10年と選ぶことができるので、更新頻度が高くないことも魅力です。

今までお話した歴史観のもと、海外旅行に行くとより一層旅を楽しめるかもしれません。

葛飾北斎について

最後に2020年のパスポートの新デザインに採用された葛飾北斎について説明していきます。

葛飾北斎(1970~1849)

東京都墨田区生まれ
江戸後期に活躍した浮世絵師。
幼少の頃から自らの意思で絵を好んで描いており
14歳から浮世絵版画の彫師として修行を積む。
90年の生涯をひたすら絵を描くことに費やし
浮世絵師としての情熱の火を消すことはなく生涯を終えました。

今回のパスポートでは葛飾北斎の「冨嶽三十六景」(ふがくさんじゅうろっけい)が採用され、有効期限5年は「冨嶽三十六景」(ふがくさんじゅうろっけい)から16作品、有効期限10年は34作品を見ることができます。

またこの記事で葛飾北斎の魅力をもっと知りたいと思った方は美術館にも行ってみてください。

すみだ美術館
公式HP:https://hokusai-museum.jp/
〒130-0014 東京都墨田区亀沢2丁目7番2号
TEL03-6658-8936
開館時間:9:30~17:30(入館は閉館の30分前まで)
休館日:毎週月曜日(月曜が祝日または振替休日の場合はその翌平日)
入場料:400円   
高校生、大学生、専門学校生、65歳以上 300円
北斎館
公式HP:https://hokusai-kan.com/
〒381-0201 長野県上高井郡小布施町大字小布施485
TEL 026-247-5206 FAX 026-247-6188
開館時間:9:00~17:00(入館は閉館の30分前まで)
休館日:12月31日
入場料:一般 1,000円    
高校生 500円    
小中学生 300円    
小学生未満 無料

まとめ

2020年にパスポートの絵柄の変更があった件について解説していきましたがいかがでしたでしょうか?パスポートの新しいデザインに感動し、パスポートの歴史を知ると日本から海外に行けることの素晴らしさを痛感しますね。

また昔は海外旅行も当たり前じゃなかったからこそ、今この時代に海外旅行に行けること、海外に行く目的や行った経験をどう生かすのかを海外旅行を通じてみなさんとシェアしていければと思います。

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