春に差し掛かり、フロリダ州では観光のハイシーズンになっていきます。しかし、フロリダの一部のリゾート地では、歓迎ムードではないようです。
春になると、ハリウッドやマイアミをはじめ多くの観光地があるフロリダ州には多くの観光客が訪れます。しかし、人口の増加に伴う治安の悪化が長年問題視されてきました。
そのため、今シーズンはアルコールの禁止、法執行の強化などを通じて、トラブルを起こしそうな観光客を排除するキャンペーンが行われています。
増加するトラブルを起こす観光客と安全問題
ハリウッドのとなり街で空港が近いリゾート地として有名なフォート・ローダーデールは、1930年代に毎年開催される水泳チームの競技会が設定され、1950年代の本と映画の舞台となったことから、休暇の代名詞となりました。
1980年代には、地元住民の2倍以上の観光客が訪れ、バルコニーからの転落事故や暴行事件が頻発しました。そのため、警察と医療関係者の負担が大きくなり、治安の悪化が顕著に表れていました。
また昨年には、マイアミビーチで射殺事件が2件発生しました。また、1週間に110人以上が逮捕、100丁以上の銃が押収される事態となりました。
観光客による治安悪化の対策
フロリダ州で屈指のリゾート地であるマイアミビーチのマーケティング部門の責任者であるメリッサ・ベルティエ氏によると、マイアミ市内の治安を守るために、
- ビーチへのアクセスの制限
- 手荷物検査
- 駐車場の有料化または閉鎖
- 飲酒運転の検問
- ナンバープレートの検査
- 公共の場での飲酒の取り締まり
- 薬物所持
- 暴力行為に対する警察の強化執行
を強化すると発表しました。
これはすべて、マイアミビーチの治安維持の一環で、「乱暴な群衆が来るのを抑止するためだ」とベルティエ氏は説明しました。
また、マイアミビーチ市長のスティーブン・メイナー氏は、
「現状とここ数年に見られたことは受け入れられない。市民の安全を保障するという道義的義務が私にはあります。」と述べました。
マイアミビーチに限らず、フロリダ州全体でも治安悪化を抑制する動きがあります。州内の15以上の地方法執行機関が観光シーズン中に州政府の支援を求めており、ロン・デサンティス州知事は、州警察官の派遣を発表しました。
(引用:Travel tomorrow, WSJ)