カナダで必要な電子渡航認証とは?アメリカ経由時の入国要件についてもご紹介!

カナダへの渡航を検討している方はいませんか?
カナダには、アメリカと同様に電子渡航認証が存在します。

カナダの電子渡航認証とはどのようなものなのか気になる方がいるのではないでしょうか?

また、カナダはアメリカと陸続きで面している国です。アメリカ観光を行う際に、カナダへ移動する方も多いと思います。

本記事では、カナダ渡航で必要な電子渡航認証についてに加え、カナダの入国要件とアメリカ経由時に必要な要件について解説していきます。

カナダ渡航を行う際に、役立つ情報がたくさんあるので、ぜひご覧ください。

eTA(イータ)とは

ビザ免除の外国人が飛行機でカナダに渡航する場合は、電子渡航認証(eTA)を取得する必要があります。eTAは渡航者のパスポートに電子的に紐付けられます。eTAの有効期限は、5年間またはパスポートの有効期限のいずれか早い方の期間になります。 eTAの有効期限内に新しいパスポートを取得する場合は、既存のeTAが失効するため、新規で取得する必要があります。

有効なeTAがある場合、渡航者は1回あたり最大6ヶ月間までのカナダ滞在に限り、何度でもカナダへ入国することができます。また、カナダ国内間の移動にはeTAは必要ありません。

なお、eTAはカナダへの入国を保証するものではありません。カナダに到着すると、入国審査官がパスポートやその他必要書類の提示を求めるため、審査官にカナダへの入国条件を満たしていることを示さなければなりません。

なお、eTAは空路でのカナダ入国に限り必要になるため、陸路または海路での入国の際は、取得する必要はありません。

eTAの申請時には申請料として7カナダドルの支払いが発生することを覚えておきましょう。

eTAについて下記表でまとめました。

eTA申請が必要な方 カナダ・アメリカ以外の国籍かつカナダ渡航時の
入国ビザが免除されている国籍の渡航者(未成年も含める)

※空路での渡航のみに限る
有効期限 5年間

但し、有効期限内であってもパスポートの
有効期限の失効と同時にeTAも失効する
滞在可能期間 6か月以内

しかし、実際の滞在期間に関しては入国審査時に
定められる
申請費用
7カナダドル

カナダ入国ビザが免除されている国と地域

カナダ政府によって入国ビザの取得が免除されている国と地域(eTAの取得が可能な国と地域)は以下の通りです。

カナダ入国ビザが免除されている国と地域
・アンドラ       ・オーストラリア   ・オーストリア
・バハマ        ・バルバドス     ・ベルギー
・英国         ・英国国民(海外)  ・英国に再入国可能な英国海外市民
・ブルネイ       ・ブルガリア     ・チリ
・クロアチア      ・キプロス      ・チェコ共和国
・デンマーク      ・エストニア     ・フィンランド
・フランス       ・ドイツ       ・ギリシャ
・香港特別行政区    ・ハンガリー     ・アイスランド
・アイルランド     ・イスラエル     ・イタリア
・日本         ・韓国        ・ラトビア
・リヒテンシュタイン  ・リトアニア     ・ルクセンブルク
・マルタ        ・メキシコ      ・モコナ
・オランダ       ・ニュージーランド  ・ノルウェー
・パプアニューギニア  ・ポーランド     ・ルーマニア
・サモア        ・サンマリノ     ・シンガポール
・スロバキア      ・スロベニア     ・ソロモン諸島
・スペイン       ・スウェーデン    ・スイス
・台湾         ・アラブ首長国連邦  ・バチカン市国

上記に加え、以下の英国海外領土のいずれかにおいて出生、世襲、帰化または登録により市民権を有する英国海外領土市民もカナダ入国ビザの免除を受けることができます。

  • アンギラ
  • バミューダ
  • 英国領バージン諸島
  • ケイマン諸島
  • フォークランド諸島(マルビナス)
  • ジブラルタル
  • モンセラット
  • ピトケアン島
  • セントヘレナ
  • タークス・カイコス諸島

上記に該当している方は、eTAの申請が可能なため、空路でカナダ渡航を行う際は、eTAの申請を行いましょう。

eTAの申請方法

カナダeTAの申請画面

カナダ政府は、eTAの申請をカナダ政府公式ホームページのみで行うように注意を呼びかけています。上記の画像のように申請ページが開きます。

eTAの申請は、2,3分で行うことができ、ほとんどの場合、数分以内にEメールにeTA申請の結果が届くと記述されています。ただし、補足書類の提出が求められた場合は、手続きに数日かかる事もあります。

申請は、1回につき1人までしかできないため、複数人の申請を行う場合は、人数と同様の回数の申請を行う必要があります。

カナダeTA 支払い画面

また、eTAの申請料金は7カナダドルであり、利用可能な支払い方法はデビットまたはクレジットカードになります。

利用可能なカードは以下の通りです。

  • Visa
  • Mastercard
  • American Express
  • 各種プリペードガード(Visa,Mastercard,American Express)
  • 各種デビットカード(Visa Debit,Debint Mastercard)
  • 銀聯カード(UnionPay)
  • JCBカード
  • Interac(カナダのデビットカード)

また、eTA申請時に必要なものは、有効なパスポート、使用可能なEメールアドレス、支払いに使用するカード情報です。

eTA申請方法についてはさまざまなサイトで解説をしていますが、カナダ政府発行のPDFファイルが一番正しい申請方法ですので、参考にしてください。

『eTAの正しい申請方法』

eTA申請時の注意点は以下の通りです。

  • 後日領収書の印刷を取ることができないため、申請時に必ず印刷してください。
  • 記入項目を途中保存できないので、入力情報は事前に確認し、まとめておきましょう。
  • 1回につき1人の申請しかできないので人数分を分けて申請してください。
  • 情報入力には時間制限がありますが、Session timeout warningが表示された際にContinue sessionを押すことで時間が延長されます。

申請の手続きは焦らずに行い、入力ミスなどがないように気を付けましょう。

18歳未満の方のカナダ渡航について

カナダでは18歳未満の子供を未成年としてみなしています。そのため、18歳未満の渡航者が入国する際は適切な書類の提出が求められます。

どのような書類が必要なのか解説していきます。

状況 必要書類
18歳未満の子供が
一人で入国する場合
・出生証明書のコピー
・両親または法定後見人の署名入り渡航同意書
・本人のパスポート
両親と入国する場合 ・出生証明書のコピー
・子供のパスポート
片方の親と入国する場合 ・出生証明書のコピー
・同行しない親の署名入り渡航同意書
・同行しない親のパスポートまたは身分証明書のコピー
・子供のパスポート
両親が離婚
または別居している場合
・法的監護書類のコピー

※上記に加える
片親が亡くなっている場合 ・亡くなった親の死亡証明書のコピー

※上記に加える
法定後見人
または養父母と入国する場合
・法定後見人の登記事項証明書
・または養子縁組書類のコピー
上記に該当しない成人と入国する場合 ・両親 または 法定後見人の署名、住所、連絡先が記載された渡航同意書
・両親 または 法定後見人のパスポート または 身分証明書のコピー

渡航同意書(Consent Letter)は英語またはフランス語での記入が必要です。
内容・形式について決まりはありませんが、カナダ政府のサイトにてサンプルが公開されているため、下記URLでご確認ください。

カナダ政府公式サイト:https://travel.gc.ca/travelling/children/consent-letter

就学または就労を行う場合

カナダで就学または就労を行う場合は、事前に就学許可証または就労許可証を取得する必要があります。

なお、6ヶ月以内の就学を予定している場合は、就学許可証の取得は必要なく、eTAのみで入国が可能です。しかし、就学許可証を取得することで、キャンパス内及びキャンパス外での就労が許可されます。そのため、就学許可証を取得していない場合は、就労許可証の取得が必要になるため、注意してください。

就労許可証は、カナダの企業などで就労を行う場合に必要となります。会議や商談、カンファレンスなどに参加する場合は、eTAのみの取得で問題ありません。

ビザ免除対象国の方が就学許可証または就労許可証を初めて取得した際は、カナダ側で自動的に電子渡航認証(eTA)の発行が行われます。

したがって、ビザ免除対象国の方が就学または就労のために、就学許可証または就労許可証を初めて取得した場合は、eTAの取得が必要ないため、許可証が承認されたことを伝える紹介状と許可証の申請時に使用したパスポートにてカナダへの入国が可能です。なお、就学許可証または就労許可証でカナダへ渡航する際には、指紋を提出する必要があります。

また、カナダ渡航前にパスポートを更新した場合は、新しくeTAを申請する必要があるため、注意しましょう。

空路でのカナダ渡航にはeTAが必要

カナダ政府は2016年3月15日より、カナダ渡航時に入国ビザの取得が免除されている国の国籍を持つ渡航者に対し、eTAの取得を義務付けました。しかし、eTAの取得が必要となるのは空路での渡航時のみとなっているため、陸路または海路でのカナダ渡航を行う際は、eTAの取得は必要ありません。

では、陸路または海路での入国要件はどうなっているのか解説していきます。

陸路または海路でカナダ渡航を行う際の入国要件

陸路または海路でカナダ渡航を行う際は、必要な証明書が空路での渡航とは異なります。

陸路または海路で渡航する際の必要要件について解説していきます。

陸路または海路では、eTAの取得が必要ありません。そのため、eTAを申請可能な渡航者が陸路または海路でカナダ渡航を行う場合は、有効なパスポートのみでの入国が可能です。しかし、滞在目的や滞在期間にてビザの取得が必要な場合は、ビザの申請を行いましょう。

下記表は、航路別でのカナダ渡航の必要要件です。

経路 必要な証明書
空路 ・パスポート

・eTA
陸路・海路 ・パスポート

・ビザ(査証)
※ビザ免除国の渡航者以外

eTAは空路でのカナダ渡航を行う際に、申請及び取得が必要となること、また、ビザ免除対象国の国籍を持つ渡航者が陸路または海路でカナダへ入国する際は、パスポートのみでの入国が可能になることを覚えておきましょう。

なお、ビザ免除対象国以外の国籍を持つ渡航者は、空路を含む全ての航路での入国時にビザ(査証)の取得が必要となるため、注意しましょう。

空路でのカナダ入国時の手順

空路でカナダへ渡航する際の入国手順について解説していきます。

eTAの取得

空路でカナダへ渡航する際は、eTAが必要になります。また、eTAを渡航前に取得していなかった場合、カナダ便の飛行機への搭乗ができないため、必ず渡航前に取得しておきましょう。

入国審査

カナダへ到着したあと、空港にて入国審査を受けます。
カナダでは、主要な空港にてキオスク端末及びeGateを導入しています。

eTA取得者はキオスク端末またはeGateが使用可能なため、キオスク端末またはeGateにて税関申告や本人確認を行いましょう。

なお、eGateは16歳以上である渡航者かつ1人ずつのみでしか利用ができません。16歳未満の同伴者がいる場合やグループで渡航する方はキオスク端末を利用しましょう。

キオスク端末及びeGateが導入されている空港は以下の通りです。

キオスク

  • バンクーバー国際空港(YVR)
  • カルガリー国際空港(YYC)
  • エドモントン国際空港(YEG)
  • ウィニペグ・リチャードソン国際空港(YWG)
  • トロント・ピアソン国際空港(YYZ)(ターミナル1および3)
  • ビリー・ビショップ・トロント・シティ空港(YTZ)
  • オタワ国際空港(YOW)
  • モントリオール・トルドー国際空港(YUL)
  • ケベックシティ・ジャン・レサージュ国際空港(YQB)
  • ハリファックス・スタンフィールド国際空港(YHZ)

eGate

  • トロント ピアソン国際空港 (YYZ) (ターミナル 1)

上記以外の空港で入国する場合は、機内または到着時に配布される入国カードに記入の上、有人での入国審査の際に審査官へ提出しましょう。

入国

入国審査が終わり、無事に入国許可が下りた場合、カナダへの入国が可能です。

なお、入国審査が終わる際に、カナダで滞在できる期間を審査官によって提示されます。そのため、滞在期間をよく確認し、滞在期間を超過して不法滞在(オーバーステイ)にならないように注意しましょう。

アメリカ経由時はESTA(エスタ)の取得が必要

アメリカでは、入国する全ての渡航者に対して、ESTA(エスタ)またはビザ(査証)の取得を求めています。そのため、乗り継ぎ目的でアメリカ渡航を行う際にも、ETSAかビザの取得が必要になります。
したがって、アメリカを経由してカナダへ渡航する場合は、ESTAの取得が必要です。

また、アメリカ経由でカナダ渡航を行う場合は、アメリカの電子渡航認証ESTAとカナダの電子渡航認証eTAの両方を申請、取得しなければいけません。

アメリカを経由してカナダに渡航する際の入国要件は次の通りです。

  • パスポート
  • 有効な航空券
  • ESTAの申請・取得
  • eTAの申請・取得

なお、アメリカからカナダへ陸路で入国する際は、eTAの取得は必要ありません。アメリカ渡航で必要となるESTAのみを取得するようにしましょう。

ESTAとは

ESTAとは、米国国土安全保障省(DHS)によって施行されているビザ免除プログラム(VWP)の一環として導入されているアメリカの電子渡航認証システムです。
ESTAは、税関・国境警備局(CBP)によってオンライン上で管理されており、申請から認証まで全てオンラインで行うようになります。

また、ESTAは、アメリカへの渡航目的が観光または短期商用であり、滞在期間が90日以内であるビザ免除プログラム参加国(VWP対象国)の渡航者が申請可能となっています。また、有効期限は2年間ですが、パスポートの有効期限が2年以内だった場合、パスポートと同時に失効するため注意が必要です。

なお、乗り継ぎでの入国を目的としたアメリカ渡航の際も、ESTAの取得が必要なため注意しましょう。

ESTAについて詳しく知りたい方は下記ページをご確認ください。

ESTA(エスタ)とは?

カナダには電子渡航認証としてeTAが導入されています。
eTAは空路でのカナダ入国時に必要となりますが、アメリカを経由して陸路で入国する際やフェリーなどの海路で入国する際は取得する必要はありません。
そして、アメリカへ入国するにはESTAが必要になります。また、ESTAは空路や陸路・海路とすべての航路で必要です。

本記事を参考にして、eTAとESTAを組み合わせ、カナダやアメリカへの渡航の際での行き先の幅を広げることで充実した旅行を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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