ボーイングの製造ライン監査3割以上の項目で不合格 納期遅延で航空運賃上昇の可能性

アラスカ航空の飛行中に機体のドアが外れ落下した問題により、機体を製造したボーイング社とその関連会社に対してFAA(アメリカ連邦航空局)が監査を行った結果、3割以上が不合格となったことがわかりました。航空機生産が遅延することになり、航空券の価格が上昇する可能性が高まっています。

ボーイング社の製造ラインは89項目の監査のうち33項目で不合格となり、ボーイング機の胴体部分を製造する関連企業スピリット・エアロシステムズ社も13項目のうち7項目で不合格でした。そのため、ボーイング社はFAAから生産ラインと行動計画の見直しを求められたため、航空機の製造が遅延しています。

サウスウエスト航空は、今年導入予定だった79機のMax8型機のうち46機のみを導入する計画であると発表しました。また、まだ認定されていないMax7型機の受領計画を撤回し、2024年の予定からも外す意向が発表されました。

同様に、ユナイテッド航空も1月に、Max10型機の代替計画を立てると述べました。加えてボーイング社に対し、ユナイテッド航空が注文した150機のMax10の製造を停止し、Max9型機に焦点を当てるように指示しました。

また、全日本空輸(ANA)へのボーイング787型機の納入も遅れており、日本の航空会社にも影響が出ています。今年1月末時点では、初号機と2号機を2月下旬に、3号機と4号機は3月末に受け取る予定であったが、現在は初号機の受け取りが3月下旬になる見込みとなっています。

以上のように、利用可能な航空機が少なくなることで、航空会社は夏の飛行回数を削減することを余儀なくされ、失われた収益を補うために高い航空運賃を設定する可能性があります。

特に、世界的なシェアを誇るボーイング社では新型機の生産が大きく制約されており、古い機材を長く運用できる数に限りがあるため、現状利用できる航空機を効率的に運用しても、限界があります。また、今年の夏をはじめ、世界的に国際線の需要が大きくなることが予想されるため、航空運賃が上昇する可能性が高いです。

(引用:BUSINESS INSIDER, Aviation Wire, BBC

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