高校生だけでの一人旅や友人との卒業旅行などのアメリカ旅行は可能でしょうか。
結論から言うと、高校生だけでもアメリカ旅行をすることは可能です。
しかし、特に18歳未満の場合は様々な制限があるため、万全の準備が必要です。
そこで本記事では、高校生だけでアメリカ旅行をするために必要な手続きや注意点などを徹底的に解説していきます。
高校生だけでもアメリカ旅行は可能
条件を満たせば、高校生だけのアメリカ旅行(ハワイ、グアム、サイパンを含む)は可能です。
高校生だけでアメリカ旅行をする際に主に問題となるのが「成人年齢」と「渡航同意書」です。
渡航同意書については、後ほど詳しく解説します。
まず、成人年齢について解説していきます。
日本では18歳が成人年齢であるため、高校生の中には成人と未成年が混在します。
そして、カリフォルニア州やフロリダ州などでは、18歳未満の旅行者のみでの旅行・宿泊を禁止しています。
つまり、これらの州へは成人した高校生のみが旅行できます。
逆に、グループに1人でも18歳の方がいれば、これらの州に旅行することが可能です。
ホテルの宿泊は難しい
高校生だけでアメリカ旅行をする場合、一番問題になるのがホテルの宿泊です。
アメリカでは州によって成人年齢が異なります。
多くの州では18歳で成人ですが、中には19歳や21歳を成人年齢としている州もあります。
成人年齢が18歳でない州 | |
---|---|
州 | 成人年齢 |
アラバマ州 | 19歳 |
ネブラスカ州 | 19歳 |
ミシシッピ州 | 21歳 |
※上記以外の47州は18歳が成人年齢です。
このことから、アメリカの多くのホテルでは21歳未満の方の単独での宿泊を認めていません。
高校生だけでアメリカ旅行をする場合は、ホテルへの宿泊はかなり難しいと考えましょう。
ただし、ホテルによっては21歳未満でも宿泊可能な場合がありますので、事前に宿泊予定のホテルに確認してみましょう。
ホテルへの宿泊を断られてしまった場合は、「ユースホステル」への宿泊を検討しましょう。
ユースホステルとは、青少年少女の旅に安全かつ安価な宿泊場所を提供しようという理念のもと設立された宿泊施設です。
年齢制限なく誰でも宿泊することができます。
ただし、中には保護者の同意書が必要な施設もあるので、事前に確認をするようにしましょう。
渡航同意書とは
続いて、渡航同意書の解説をしていきます。
18歳未満の方がアメリカへ入国するためには、保護者・親権者の渡航同意書が必要です。
渡航同意書とは、18歳未満の方が単独または片方の親同伴でアメリカへ渡航する際に必要となる書類で、「ハーグ条約(国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約)」によって定められています。
言い換えると、国際的な子供の誘拐を防止するための決まりです。
渡航同意書が必要になるのは、主に米国への入国審査の際ですが、必ず提示しなければならないというものではありません。
しかし、入国審査官に渡航同意書の提示を求められた際に持参していないと最悪の場合入国を拒否されてしまう可能性もあります。
特に、高校生だけでのアメリカ旅行は怪しまれる可能性も高いので、必ず用意するようにしましょう。
なお、高校生であっても18歳になっている方は、渡航同意書を用意する必要はありません。
渡航同意書の書き方
続いて、渡航同意書の書き方を解説していきます。
決まった記入様式があるわけではないので、任意の様式で問題ありません。
本人の名前やパスポート番号、渡航目的などの情報や、現地での滞在先住所などを記載しましょう。
また、渡航同意書への記入はすべて英語で行いましょう。
下記のPDFで「JTB」の渡航同意書のテンプレートがご確認いただけますので、こちらを参考に作成しましょう。
未成年者のアメリカ渡航同意書テンプレート(PDF)
高校生だけでのアメリカ旅行に必要な手続き
次に、高校生だけでアメリカ旅行に行くために必要な手続きを紹介していきます。
これらの手続きを忘れてしまうと、アメリカ行きの飛行機に乗れなかったり、現地でトラブルに巻き込まれる可能性もあるのでしっかり確認しましょう。
有効なパスポートを用意する
パスポートを持っていない方は、まずパスポートの発行を行いましょう。
パスポートは、お住まいの都道府県の申請窓口で申請することで発行できます。
ただし、18歳未満の方がパスポートを申請する際は、法定代理人署名欄に署名が必要ですので保護者の方に署名をお願いしましょう。
すでにパスポートを持っている方は、パスポートの有効期限を確認しましょう。
18歳になる前にパスポートを作った場合、有効期限は5年間です。
有効期限が切れていると日本を出発することすらできませんので、パスポートの再発行手続きをしてください。
ツアーを予約する
高校生だけでアメリカ旅行に行くのが不安な場合は、旅行代理店のツアーに参加するのがおすすめです。
ツアーに申し込めば、専門のスタッフが航空券の確保やホテルの予約などの手続きを代行してくれます。
ただし、ツアーによっては18歳未満のみの申し込みを受け付けていないこともあるので事前に確認をしましょう。
また、ツアーの申し込みの条件として、保護者の同意書の提出が必要になることもあります。
航空券・ユースホステルを予約する
ツアーを予約しない場合は、自分で航空券や宿泊先を確保しなければなりません。
航空券の予約サイトには、親権者の同意欄が設けているサイトがあります。
18歳未満の方は、保護者の方に同意欄へのチェックをお願いしましょう。
また、上述の通り、高校生だけでのアメリカ旅行の場合はホテルへの宿泊は難しいです。
旅行先の都市のユースホステルを探して、予約をしましょう。
この際、後々のトラブルを避けるためにも、自分が高校生であること、未成年であることをしっかり伝えましょう。
保護者の同意書が必要な時は、そちらも併せて用意しましょう。
ESTAを申請する
アメリカへ入国するためには、「ESTA(エスタ)」を申請しなければなりません。
ESTAとは、米国ビザ免除プログラムの一環として導入された電子渡航認証システムです。
90日以内のアメリカ旅行であれば、ビザの代わりにESTAを取得することでアメリカへ入国することができます。
年齢にかかわらず、全ての渡航者に申請が義務付けられていますので、こちらから忘れずに申請してください。
以下の記事で、画像付きでESTAの申請方法を解説していますので、こちらの記事を参考にしながら申請をしましょう。
ESTA(エスタ)申請の申込み手順を画像付きでわかりやすく解説
海外旅行保険に加入する
アメリカでは、日本の健康保険は使えません。
そして、アメリカの医療費は世界的に見ても高額です。
小さなケガや病気であっても、アメリカの病院で治療を受けると数万円の費用が掛かってしまいますので、海外旅行保険は必ず加入するようにしましょう。
アメリカ旅行中にトラブルが起きた場合は、保険会社のサポートデスクに相談できるというメリットもあります。
クレジットカードを作成する
18歳になっている方は、クレジットカードを作成しましょう。
アメリカは小さな屋台や露店でもクレジットカードに対応しているほどのクレジットカード大国です。
カードが1枚あるだけでアメリカ旅行の快適さが全く変わってきますので、旅行前に作成しておくことをおすすめします。
また、ホテルへの宿泊を許可してもらえた場合、ホテルへのチェックインにはクレジットカードがほぼ必須です。
アメリカのホテルでは、無銭宿泊や備品盗難防止のため、チェックイン時にデポジット代わりにクレジットカードの提示が求められるからです。
スマートフォンを契約する
スマートフォンなしでのアメリカ旅行は格段に困難になります。
スマートフォンを持っていない方は、保護者の方にお願いしてスマートフォンを契約してもらいましょう。
スマートフォンの契約が難しい場合でも、タブレットやパソコンなど、現地での連絡手段は必ず確保しましょう。
これらが無いと、旅行先でトラブルに巻き込まれてしまった時に助けを呼ぶことができなくなってしまいます。
また、すでにスマートフォンを持っている方も、アメリカでインターネットを使えるように手続きを行いましょう。
普段使うスマートフォンは、そのままではアメリカで使用できません。
国際ローミングプランに加入する、海外用のSIMカードを購入する、モバイルWi-Fiをレンタルするなどの手続きを忘れずに行いましょう。
高校生だけでのアメリカ旅行で気を付けること
最後に、高校生だけでアメリカ旅行をする際に気を付けてほしいことを紹介します。
アメリカ旅行を学生時代の楽しい思い出にするためにも、これらの注意点は必ず守ってください。
危険な場所へ行かない・夜に出歩かない
アメリカは日本とは比べ物にならないほど治安が悪いため、いつものように過ごしていると大きなトラブルに巻き込まれてしまいます。
特に、大人の同伴がない高校生だけの旅行の場合は、より一層注意が必要です。
日本を出発する前に旅行先の治安が悪い地域を調べ、絶対に近寄らないようにしましょう。
また、「たびレジ」というサービスに登録しておくことをおすすめします。
たびレジとは、渡航先の最新安全情報を日本語で受け取ることができる外務省の無料サービスです。
出発前からアメリカの治安情報が入手できるだけでなく、いざというときには現地の大使館・総領事館からの連絡を受け取ることもできます。
簡単に登録できるので、こちらから手続きをしておきましょう。
また、治安が良いと言われている地域でも、夜間は出歩かないようにしましょう。
アメリカには夜間に気軽に出歩けるような地域は少ないです。
すぐに連絡が取れるようにしておく
万が一に備えて、すぐに家族や旅行会社と連絡が取れるようにスマートフォンの電話帳に連絡先を登録しておきましょう。
スマートフォンを盗まれてしまった、落としてしまったという時のために、連絡先をメモした紙を持ち歩くのもおすすめです。
また、家族にツアーの工程表や航空券・ホテルの予約確認書のコピーを渡しておきましょう。
たくさんの現金を持ち歩かない
成人している方はクレジットカードを作れるため、たくさんの現金を持ち歩くことは少ないかもしれません。
しかし、カードが作れない18歳未満の方はどうしても現金を持ち歩く必要があります。
アメリカはスリや置き引きが頻発する地域であるため、現金をたくさん持ち歩くのはリスクが高いです。
盗難・紛失の際の被害を最小限にするために、現金は小分けにして複数のお財布に分散させましょう。
また、デビットカードやプリペイドカードを活用する方法もあります。
これらのカードであれば、盗難や紛失があってもカード会社に連絡することで被害を抑えられます。
未成年でも作れることが多いので、デビットカードやプリペイドカードを検討してみましょう。
お酒・タバコ・ギャンブルは21歳から
先に述べたように、アメリカの多くの州では18歳が成人年齢です。
しかし、成人している=飲酒・タバコ・ギャンブルがOKというわけではありません。
飲酒は21歳になってからと法律で定められており、これはアメリカ50州すべてで共通のルールです。
喫煙も21歳からです。以前は、18歳から喫煙を認めている州もありましたが、2019年にたばこの購入可能年齢を18歳から21歳に引き上げる法案が成立したため、全ての州で21歳未満の喫煙が禁じられました。
また、ギャンブルは州によって異なりますが、多くの州で21歳以上からと定められています。
お酒の提供がないカジノでは18歳からの利用を認めているところもありますが、高校生のうちはギャンブルは我慢しましょう。
まとめ
本記事では、高校生だけでアメリカ旅行をするための手続きについて解説してきました。
高校生であっても、アメリカ旅行をすることは可能です。
しかし、同じ高校生でも、18歳になっているか否かで必要な手続きが変わってきます。
カリフォルニア州やフロリダ州は18歳になっていないと、単独での旅行・宿泊が認められません。
また、18歳になっていたとしても高校生だけでホテルに泊まることは難しいため、ユースホステルの利用を検討しましょう。
本記事を参考に、一生の思い出に残るようなアメリカ旅行を楽しんできてください。