アメリカ・ワシントンD.C.の桜が史上2番目の早さで見ごろに 地球温暖化の影響色濃く

アメリカの首都、ワシントンD.C.では例年よりも暖かい気候となり、現地時間17日(日)に桜が見ごろを迎えました。開花の早さは史上2番目となり、地球温暖化が影響していると考えられています。

日曜日、ワシントンにある桜の名所であるタイダルベースンでは、通常よりも約2週間早く桜がピークとなり、2000年と並び、記録上2番目に早く見ごろとなりました。

1921年から桜の開花を観測しており、今年よりも早い記録は1990年3月15日のみでした。

現在、ワシントンの桜は七分咲きとなっており、天候に恵まれれば1週間ほど満開の桜を楽しむことが出来る予定です。

ワシントンの桜が例年よりも早く咲いた原因は、地球温暖化の影響が強く考えられます。過去100年間、3月の気温が上昇している傾向にあり、桜の平均開花日が約1週間ほど早まりました。今年を含め、過去5年間すべてが3月中にピークを迎えています。昨年は3月23日で、通常より1週間以上早かったです。

過去5年間の桜の開花日
開花日
2024年 3月17日
2023年 3月23日
2022年 3月21日
2021年 3月28日
2020年 3月20日

今年の3月、ワシントンの気温は例年より9℃高く、これは観測史上2番目に高い記録です。連日20℃を超える気温となっており、14日(木)には26.7℃を記録するなど、気温が高いことが影響し開花が一気に進んだとみられます。

さらに、この月の13日には、老朽化したワシントンの防波堤の修理のため、約160本の桜を含む300本の木が伐採されると発表されました。

地球温暖化に伴う海面上昇により、数千本の桜の木の根が水に使ってしまい、開花に必要な酸素の供給が妨げられている状況になっています。

アメリカ公園局は、
「大量の水の流入に桜の木は対応できない。残念ながら、今後100年で予想される海面上昇に対応できるよう、防波堤を高くするしかない。」と説明しています。

防波堤の修理後は、桜の木274本を含む450本が植樹される予定となっており、「樹木の数は大幅に増える」と公園局は説明しています。

伐採前に現在の桜の景色を楽しもうと、多くの人が観光に訪れることが予想されており、3月20日(水)から4月14日(日)まで開催される「全国桜祭り」も盛大に催される事となっています。

(引用:CNN, Washington Post, ウェザーニュース

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