ハワイアン航空がスペースX社のスターリンクによる無料機内Wi-Fiサービスを開始しました。この革新的な取り組みにより、同社はアメリカの主要航空会社としては初めて、衛星ベースのサービスを提供することになります。
ハワイアン航空のCEO、ピーター・イングラム氏は「これは飛行機内でのインターネット接続に全く新しい基準を設けることになると考えています。」と述べています。スペースX社が開発したスターリンクは、低軌道に配置された5,000を超える衛星ネットワークを利用し、世界中で230万人以上の顧客にサービスを提供しています。このネットワークを活用することで、ハワイアン航空は、広範囲にわたる高品質なインターネットへの接続を飛行機内で提供することが可能になりました。
ハワイアン航空は、2022年4月にスペースX社との間でスターリンクネットワークの利用に関する契約を締結しました。これまで同社は機内Wi-Fiを提供していませんでしたが、この契約により、旅客に無料のWi-Fiサービスを提供することが可能になりました。
航空会社やスペースX社は、取引の価値や商用航空機に航空特有のスターリンク端末を設置するコストについては明らかにしていませんが、イングラム氏は「初期のWi-Fiシステムに比べて、このコストは下がっている」と指摘しています。
ハワイアン航空は現在、スターリンク端末の設置を積極的に進めており、エアバスA321機に6つが既に完了しています。同社は、今年中にA321ジェット機18機とA330機24機にスターリンクを追加する予定です。
スペースX社のスターリンク事業運営副社長、チャド・ギブス氏によると「商業航空便に搭乗してインターネットに接続できる体験は、自宅で体験できるものと同じか、それ以上のものであるべきだ」と述べ、回線速度や快適さが非常に高いことを示唆しています。スペースX社は、様々な種類の航空機に対するライセンスを着実に取得しており、より小型のジェット機に対する認証を受け、2022年末にはセミプライベートチャーターのJSXがサービスを利用し始めました。これまでにスターリンクは、アメリカ国内および世界中の30,000便以上のフライトで使用されています。
また、ハワイアン航空のほかにラトビアのairBaltic、日本のZipair、カタール航空ともスターリンクによる機内Wi-Fiサービスの提供に関する契約を発表しています。
ハワイアン航空は、昨年末にアラスカ航空による19億ドルでの買収契約を締結した直後に、スターリンクサービスの導入を発表しました。この取り組みにより、ハワイアン航空は太平洋を越える広範囲のネットワークを有する航空会社として、旅客へのサービス提供において新たなマイルストーンを打ち立てることになります。
(引用:CNBC)