ハワイ州議会 観光客に環境保護料「グリーンフィー」を要求する法案を提出

ハワイ州議会では、昨年審議が終了した法案であるハワイ州議会法案304号が今年に入って再度提出されました。
この法案は、州が公共のビーチ、公園、トレイル、海岸線、その他の自然エリアを訪れたい観光客から「グリーンフィー」と呼ばれる環境保護費用を徴収することを可能にするものです。

法案によると、「ハワイにおける訪問者への影響料金として50ドルを設定することは、訪問者の影響を相殺し、未来の世代のために健全な環境を保証するための追加収入を得る効果的な方法になると議会は考えています」と記されています。

論点は、ハワイの自然環境が観光客によって大量に利用されているため、彼らも住民と同じように税金を通じてその貴重な自然資源のケアと保護に貢献すべきだというものです。法案によれば、ニュージーランドやパラオなど他の観光地でも同様のプログラムが存在しています。

環境保護費の50ドルを支払うと、訪問者は1年間有効なライセンスを受け取ります。ビーチパーク、州立公園、トレイルの入り口には、新しい規則を訪問者に知らせる看板が掲示されます。料金を支払わずに自然資源を利用する人は、罰金を支払う必要があります。

このプログラムを管理する予定のハワイ州土地・自然資源省は
「グリーンフィーの設立は、ハワイの自然および文化資源の管理に必要な資金と既存の資金との大きなギャップを埋めるための重要な要素です。グリーンフィーを導入することで、ハワイの特殊で壊れやすい自然資源をケアする能力を向上させる、土地と水の保護および管理プロジェクトに資金を提供する事ができます」
と、昨年この法案を支持する証言で述べました。

公開証言では大きな支持が示されましたが、一部の反対意見はこの法案がさらに観光客を減少させることを懸念しています。法案が可決されれば、2025年7月1日に施行される予定です。

既に環境保護費を徴収している観光スポットも

ハワイの一部の観光地では、既に環境保護費用を観光客から徴収している場所もあります。

例として、ダイヤモンドヘッドでは、入場料として1人5ドル、車の場合は1台当たり10ドルを観光客に要求しています。

また、ハナウマ湾自然保護区では、2021年7月1日から入場料として25ドルを徴収しています。

環境保護費「グリーンフィー」を導入することで起こりうる問題は?

現在提出されている環境保護費は年間料金の支払いが求められるため、数年に一回、多くとも年に一回しか訪れない日本人にとっては割高になってしまいます。また日本人だけでなく世界中からハワイに来る観光客もバケーション目的で年に数えるほどしか訪れません。

そのため、観光客の足が遠のいてしまい、結果的に観光業が主な収入源であるハワイに悪影響を及ぼすのではないか、という問題があります。

また、徴収対象が「州立公園、ビーチ、国有林、国有地のハイキングコースまたはその他の固有自然地域」と非常に広い定義のため、厳重に管理されていない場所で訪問者全員にグリーンフィーのライセンスを確認するのは大きな課題になると思われます。

(引用:travel weekly

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