ビザ免除プログラムとESTA(エスタ)を深掘り!知っておきたいを徹底攻略!!

皆さんはビザ免除プログラム(VWP)について、しっかりと理解できていますか?
ビザ免除プログラムは、ESTAを取得することで、ビザなしでのアメリカ渡航が可能な制度です。

では、VWPの対象国や利用条件はどのようになっているのでしょうか?

本記事では、ビザ免除プログラムの対象国の紹介から利用条件、またESTAの申請要件まで徹底的に解説していきます。
ぜひ、ご覧ください。

ビザ免除プログラム(Visa Waiver Program)とは

ビザ免除プログラム(Visa Waiver Program)とは、米国国土安全保障省(DHS)が国務省と協力して運営しており、プログラムに参加している41の国や地域の市民または国民が、90日以内の米国滞在であれば、ビザ(査証)の取得する必要がなく観光または商用を目的としたアメリカ渡航が可能になる制度の事です。また、その見返りとして、これら41の国と地域は、米国市民及び国民が自国へ商用または観光目的で、同様の期間滞在する場合に、ビザなしでの渡航を許可しなければいけません。なお、VWP(ビザ免除プログラム)を利用する渡航者は、事前にESTA(エスタ)の取得を行う必要があります。

ビザ免除プログラム参加国は以下の通りです。

ビザ免除プログラム
参加国
・アンドラ    ・オーストラリア   ・オーストリア

・ベルギー    ・ブルネイ      ・チリ

・クロアチア   ・チェコ       ・デンマーク

・エストニア   ・フィンランド    ・フランス

・ドイツ     ・ギリシャ      ・ハンガリー

・アイスランド  ・アイルランド    ・イスラエル

・イタリア    ・日本        ・韓国

・ラトビア    ・リヒテンシュタイン ・リトアニア

・ルクセンブルク ・マルタ       ・モナコ

・オランダ    ・ニュージーランド  ・ノルウェー

・ポーランド   ・ポルトガル     ・サンマリノ

・シンガポール  ・スロバキア     ・スロベニア

・スペイン    ・スウェーデン    ・スイス

・台湾      ・イギリス

※2023年11月7日よりイスラエルがVWP参加国に加わりました。

※イギリスのキュラソー島、ボネール島、セント・ツータティウス島、サバ島、セント・マーチン島(旧オランダ領アンティル)の新国家の国民は、それぞれの国のパスポートで入国する場合、ビザ免除プログラム(VWP)の対象になりません。

VWP対象国の参加年表

ビザ免除プログラム(VWP)は現在、41の国と地域が参加国となっています。
それぞれの国と地域がいつビザ免除プログラムに参加したのか、ご紹介します。

下記表で各参加国の参加年月日をまとめましたので、ご覧ください。

VWP対象国の参加年月日
1988/07/01 ・イギリス
1988/12/15 ・日本
1989/07/01 ・フランス
・スイス
1989/07/15 ・ドイツ
・スウェーデン
・イタリア
1989/07/29 ・オランダ
1991/10/01 ・アイスランド
・アンドラ
・オーストリア
・ベルギー
・デンマーク
・フィンランド
・リヒテンシュタイン
・ルクセンブルク
・モナコ
・ノルウェー
・サンマリノ
・スペイン
・ニュージーランド
1993/07/29 ・ブルネイ
1995/04/01 ・アイルランド
1996/07/29 ・オーストラリア
1997/09/30 ・スロベニア
1999/08/09 ・シンガポール
・ポルトガル
2008/11/17 ・韓国
・チェコ
・エストニア
・ハンガリー
・ラトビア
・リトアニア
・スロバキア
2008/12/30 ・マルタ
2010/04/05 ・ギリシャ
2012/11/01 ・台湾
2014/03/31 ・チリ
2019/11/11 ・ポーランド
2021/12/01 ・クロアチア
2023/11/07 ・イスラエル

ビザ免除プログラム(VWP)の利用要件

ビザ免除プログラム(VWP)の利用資格には、国籍のほかにいくつかの条件があります。
ここでは、VWPの利用要件について解説していきます。

まず、VWPの利用要件は以下の通りです。

  • 商用、観光、乗り継ぎの目的で90日以内の米国入国を予定していること。
  • ビザ免除プログラム加盟国から合法的に発行された有効なパスポートを所持していること。
  • ビザ免除プログラムに加盟している航空会社で入国すること。
  • 往復または復路の航空券を所持していること。
  • アメリカ滞在中に隣接する国または島へ旅行する際は、旅行者が隣接する国または島の居住者ではない場合、そこで旅行を終わらせないこと。
  • ビザ免除プログラム対象国の国民又は市民であること。
  • 有効なESTAを取得すること。

アメリカへ渡航する渡航者で、上記に該当している方はVWPの利用資格があります。
そのため、ESTA(エスタ)を取得することでビザなしでの米国入国が可能となります。

渡航歴に関する注意点

ビザ免除プログラム(VWP)は、2015年のビザ免除プログラム改定およびテロリスト渡航防止法(Visa Waiver Program and Terrorist Travel Prevention Act of 2015)によって、新たな利用条件の追加がなされました。追加された条件には、過去の渡航歴が大きく影響するため、今までVWPを利用できていた方も利用資格が剥奪されている可能性があり注意が必要です。

2015年ビザ免除プログラム改定およびテロリスト渡航防止法によって追加された利用条件は次の通りです。

  • 2011年3月1日以降にキューバ、朝鮮民主主義人民共和国、イラン、イラク、リビア、ソマリア、スーダン、シリア、イエメンに渡航または滞在したことのあるVWP対象国の国民
    (ただし、VWP対象国のために外交または軍事目的で渡航する場合は、限定的な例外があります)
  • キューバ、朝鮮民主主義人民共和国、イラン、イラク、スーダン、シリアの国籍を含むVWP対象国の二重国籍者

上記に該当しているVWP対象国の渡航者はVWPを利用してのアメリカ渡航ができないため注意しましょう。

なお、米国税関・国境警備局(CBP)は、「新しいVWPの利用条件は、米国への合法的な渡航を禁止するものではない」としているため、上記に該当する渡航者はビザ(査証)を取得する事でアメリカへの渡航が可能です。

利用可能なパスポート

2016年4月1日より、ビザ免除プログラム(VWP)を利用するには、e-パスポートが必要となりました。

eパスポートとは、ICチップ(電子チップ)が埋め込まれている安全性が強化されたパスポートです。また、eパスポートの表紙には国際マークが描かれているため、一目で確認ができます。

なお、日本では、2006年よりeパスポートが導入されているため、現在日本で発給されているパスポートは全てeパスポートとなっています。

ESTA(エスタ)とは

ESTA(エスタ)とは、正式名称を「Electronic System for Travel Authorization」(電子渡航認証システム)と言います。ビザ免除プログラム(VWP)による米国への渡航の安全性を強化する目的で導入され、2009年1月12日より利用することが義務化されました。

ESTAは米国税関・国境警備局(CBP)によってオンライン上で管理されており、申請や認証を全て電子的に行っています。
渡航者の情報を事前に確認し、適格性の審査・判断を行ったのち、渡航認証許可が下りるため、国際的なテロ対策の一環としての役割があります。

なお、ESTAを取得することでアメリカへの入国が保障されるわけではないため、注意が必要です。

利用条件・申請料金

ESTA(エスタ)を取得するには、VWP(ビザ免除プログラム)の利用要件の他にいくつかの条件があります。

ESTAの申請条件は以下の通りです。

  • ICチップ搭載のeパスポートを所持している
  • 渡航目的が観光および短期ビジネスである
  • 滞在期間が90日以内である
  • VWP対象国の国籍を所持している
  • 過去に逮捕歴がなく、不法滞在をしたことがない
  • 米国の定める伝染病および病気に罹患していない

なお、ESTAは、有罪判決の有無にかかわらず、逮捕歴がある場合は申請することができません。したがって、逮捕歴がある場合は、必ずビザ申請を行いましょう。

また、ESTAは申請毎に申請料金が発生します。

詳しい申請料金に関しては下記をご覧ください。

ESTAの申請料金
申請手数料 4ドル
日本円:約600円(2023年11月現在)
渡航認証料 17ドル
日本円:約2,540円(2023年11月現在)
合計 21ドル
日本円:約3,140円(2023年11月現在)

ESTAの取得時には、ESTAを申請する際に発生する申請手数料と渡航認証が許可された際に発生する渡航認証料の2種類の手数料が発生します。なお、認証が拒否された場合は、申請手数料としての4ドルのみのお支払いとなります。

下で、ESTAについてまとめたのでご確認ください。

ESTAの概要
利用条件 ・ICチップ搭載のeパスポートを所持している
・渡航目的が観光および短期ビジネスである
・滞在期間が90日以内である
・VWP対象国の国籍を所持している
・過去に逮捕歴がなく、不法滞在をしたことがない
・米国の定める伝染病および病気に罹患していない
申請料金 21ドル
【内訳】
申請手数料:4ドル
渡航認証料:17ドル

申請方法

ESTAの申請方法は、ご自身で申請を行う方法とESTA申請代行サービスに依頼をしてESTAを取得する方法の2つの方法があります。

ご自身で申請を行う場合は、パソコンにてESTA公式サイトで申請を行うか、ESTA公式モバイルアプリを利用して、スマートフォンなどのモバイルデバイスで申請を行う方法がございます。

ご自身でESTA申請を行う際の詳しい方法についてはこちらをご覧ください。

ESTA申請代行サービスは、お問い合わせや申請画面の表示言語が日本語に対応しているため、英語が苦手な方でも安心してESTAを申請することが可能です。また、有効期限などの確認も代行サービスにお問い合わせをすることですぐに確認可能なため、ESTAの管理がしやすいことも特徴です。

ご自身でのESTAの申請が不安な方や、英語が苦手でESTAを申請することが心配な方は、ESTA申請代行サービスのご利用を検討してみてはいかがでしょうか。

興味のある方はこちらをご確認ください。

ビザ免除プログラムが利用できない時の対処法

ESTAが何らかの理由により認証が拒否になってしまった場合や、過去の渡航歴によりVWPの利用条件から外れてしまう場合は、VWPの利用ができず、アメリカへのビザ(査証)なしでの渡航ができません。

そのような場合は、渡航目的に対応した米国ビザの取得が必要です。

ESTA及びVWPの利用を検討していた渡航者は、Bビザを取得することによってアメリカ渡航が可能となります。

万が一、ESTAの取得ができなかった場合や渡航歴などでVWPを利用できない場合は、米国大使館又は領事館にてビザ申請および取得を行いましょう。

ビザ免除プログラムについて理解が深められましたか?

アメリカにビザ免除プログラムがあることによって、日本からアメリカへ渡航する方がたくさんいます。
また、アメリカと日本は国家間でのつながりも深いため、密接な関わりがあることも大きな要因だと思います。

ビザ免除プログラムをうまく利用して、あなたもアメリカ渡航を気軽に楽しんでみてはいかがでしょうか。

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