ESTAとは、90日以内の米国渡航の場合に必要となる電子渡航認証システムです。
ESTA申請サイトには、家族・グループでまとめて取得する際に便利な「グループ申請」という制度が用意されています。本記事では、「グループ申請」の手続き方法を画像付きで解説していきます。また、グループ申請によくある疑問にもお答えしています。
そこまで難しい手続きではありませんが、グループ申請に特有の注意点もあるので、ぜひ本記事を参考にしてください。
ESTAのグループ申請とは?
ESTAの申請方法には、個人申請とグループ申請があります。グループ申請の制度を利用すれば、グループ・家族のESTA申請をまとめて行うことができるため大変便利です。
一人の代表者がほかのメンバーの申請を代理して行うことになりますが、代理申請はアメリカ政府が公式に認めている制度ですので、問題ありません。
グループ申請では、2名から50名までの申請を一括で行うことができます。
個人申請とグループ申請の違い
グループ申請といっても、代表者がグループメンバーを代理して申請するだけで、基本的に個人申請と大きく異なる点はありません。
ただし、グループ申請に特有の注意点もいくつか存在するので、以下でグループ申請の流れを確認しながら解説していきます。
グループ申請の流れを徹底解説!
それでは、グループ申請の流れを解説していきます。ESTAの申請は求められる情報が多岐にわたるため、多くの時間を要します。焦らず入力できるように、時間が取れる時に行いましょう。
1.グループ全員分の入力情報を準備する
まず、代表者を一名決めてください。
この際、代表者は18歳以上でなければならないとされているので注意が必要です。
グループ申請時には、以下のような情報の入力が求められます。
あらかじめ全員の情報を用意しておきましょう。
- 氏名
- 生年月日
- 住所
- 国籍
- 連絡先
- パスポート情報
- 両親の情報
- 勤務先情報
- 宿泊先情報
- 緊急連絡先
ESTAの入力情報はあくまで自己申告であり、米国による審査時には入力内容の精査までは行われません。
入力項目に間違いがあるままESTAを取得してしまうと、飛行機への搭乗時や入国審査の際にトラブルになる可能性があります。
この事態を避けるためにも、代表者の方は慎重に入力するようにしてください。
また、申請サイトの仕様上、一定時間が経過するとタイムアウトになってしまうことがあります。タイムアウトになってしまうと、入力の履歴まで消えてしまうため、事前に入力するテキストを準備しておくのがおすすめです。
2.代表者の連絡先情報を入力する
まずは、ESTA公式サイト(https://esta.cbp.dhs.gov/)にアクセスし、右上の「Change Languege」から言語を日本語に変更します。
次に、トップページの「新規に申請を作成する」を選択し、プルダウンの「グループによる申請」を選択すると以下のような画面になります。
このフォームにしたがって代表者の情報を入力してください。
名前は日本語ではなく、英語表記で書きます。パスポートに記載されている名前と同じ表記を用いましょう。
「組織」という項目には代表者の勤務先の企業や組織を入力しますが、任意項目なので空欄でも問題ありません。
情報を入力できたら、右下の「操作の継続」をクリックします。
この際入力したメールアドレスはこのあとの手続きで使います。
迷惑メール対策としてフィルタリング設定をしている方は事前に解除しておきましょう。
3.グループIDを取得する
「操作の継続」をクリックすると、作成されたグループIDが代表者のメールアドレスに送信されます。このグループIDによって、グループメンバーの申請が紐づけられるようになります。
グループIDは、
- 申請内容の表示
- 申請状況の確認
- 申請料金の確認
- 領収書の確認
- 申請内容の更新
- 申請の追加、申請の削除
など、多くの手続きで必要になるものです。
メール画面のスクリーンショットを撮影するなどして忘れないようにしましょう。
4.全員分の申請情報を入力する
次は、作成したグループに代表者以外の方の情報を追加していきます。
「新規の申請者を追加」を選択し、画面に従って情報を入力してください。
申請者情報、渡航情報を入力し、適格性についての質問に回答すると、申請内容の確認画面になります。間違いがないか慎重に確認し、「次へ」を入力すれば一人分の入力は完了です。
さらに申請する場合は、もう一度「新規の申請者を追加」をクリックし、全員分の入力を完了してください。
5.料金を支払う
全員分の情報が入力できたら、支払いをします。
支払いは、申請の送信後7日以内まで可能ですが、できるだけ早く支払うようにしましょう。
現在、ESTAの申請料金は一人当たり21ドルとなっています。支払いの前に、合計料金が21ドル×(人数分)になっているか確認しましょう。
ESTAの支払いは、PayPalかクレジットカード(デビットカード)に対応しています。
銀行振込、コンビニ支払い、後払い等は対応していないので注意してください。
使えるブランドは、ビザ、マスターカード、American Express、JCBです。
6.審査の結果を待つ
ESTAの審査は、通常72時間以内に完了すると言われています。
審査が下りたら、認証情報はコピーを取るなどして控えておくのがおすすめです。
グループの中に認証が下りなかった方がいる場合は、その方の申請のみやり直すことが可能です。
グループ申請の疑問を一気に解決!
ESTAのグループ申請に関して、よくある質問に答えます。
ESTAの申請をしないとどうなる?
ビザを保有している場合を除いて、アメリカに入国するためには必ずESTAが必要です。
ESTAの取得をしないと、航空会社のチェックイン時にトラブルになる、到着後の入国審査の際に入国を拒否される等のトラブルがあり得ます。
乗り換え(トランジット)も含めて、アメリカに入国する際には、必ずESTAを申請しましょう。
いつまでに申請すれば良い?
遅くとも3日前までには必ず行いましょう。
ESTAの審査の目安は3日間(72時間)と言われています。入力ミスなどによって申請が下りなかった際は、もう一度申請が必要になります。
再申請が必要になってしまっても間に合うように、早めの申請を心がけましょう。
申請は全員分を一緒に申請しなければならない?
同じグループとしてESTAを取得したいときは、必ず同じタイミングでの申請が必要となります。例えば、代表者の申請を先におこない、後から残りのメンバーの分の申請をおこなうといったことはできません。
ただし、同じグループ内に異なる旅行先、異なる日程の方がいても問題ありません。
必ずグループ申請をしなければならない?
必ずしもグループ申請をする必要はありません。グループ申請という制度は、複数人でESTAの申請をする場合は、一括で行うこともできるというものです。例えば、夫婦でESTAを取得する際には、グループ申請も可能ですし、それぞれが個人申請によって取得することもできます。
申請は何歳から必要?子供でも必要?
ESTAは何歳であっても取得が必要です。新生児であっても、成人者による代理申請によって取得することになります。
子供の代理申請手続きは成人の場合と同様ですが、成人者が子供の申請を代理する場合は、申請者との関係を明示することが求められます。
料金は代表者がすべて支払いますか?
代表の方が自分のクレジットカードで支払うことも可能ですし、代表者以外の方のクレジットカードを利用することもできます。
申請の代表者とクレジットカード名義人が異なっていることは、審査には影響を与えません。
申請結果は誰に届きますか?
「あなたの連絡先情報」の項目内で入力したメールアドレスに送信されます。
代表者以外のメールアドレスにすることも、分散させることも可能ですが、代表者のメールアドレスにしておくのがおすすめです。
代表者のメールアドレスに統一しておけば、審査結果の確認が容易になります。
申請状況の確認方法がわかりません
ESTAの認証が許可されているか確認する方法を解説していきます。
ステータス確認
公式サイト(URL)で「ESTAのステータス確認」をクリックし、「グループによる申請のステータス」を選んでください。
申請者情報の入力
「グループ申請を検索」という画面が表示されたら、グループID、名前、メールアドレス、生年月日を入力します。
申請情報の確認
「申請の検索」をクリックすると、申請情報の検索結果が表示されます。
問題なく審査が完了しているときは、「認証は承認されました」と表示されます。
この画面では、申請番号や有効期限日を確認することができます。
「今すぐ支払い手続きを行い、申請を完了する」という画面が表示された場合は、申請料金の支払いがされていません。
申請料金の支払いを完了しなければ、ESTAを取得することはできません。
また、支払い期限は、申請の送信後7日以内までとされています。
この画面が表示されたときは、できるだけ速やかに支払いをしましょう。
また、「認証は保留中」という画面が表示された場合は、まだ審査中であることを示しています。ESTAの申請には最大72時間かかるとされています。時間をあけてもう一度確認してください。
メールアドレスを変更したいときは?
メールアドレスの変更をする際も、上記「申請状況の確認はどうやる?」と同様のステップで行います。
上述の手順に沿って申請者情報を入力し、「申請の検索」をクリックしてください。
変更したいメールアドレスを入力
メールアドレスを変更したいESTAの欄にある「情報の更新」を押してください。
「申請内容の更新」というページが表示されるので、変更したいメールアドレスを入力します。
入力が完了したら、右下の「更新する」を押してください。
メール認証
メールアドレスの確認画面が表示されるので、「コードを送る」を押します。
その後、変更後のメールアドレスに4桁の認証コードが届きます。届いた認証コードを入力し、「コードを送信する」をクリックしてください。
コードが認証されたら、メールアドレスの変更手続きは完了です。
認証が拒否されてしまいました
ESTAの申請に回数制限はありません。もう一度入力内容を確認してから、入力ミスに気を付けながら入力しましょう。
ただし、新しく申請をやり直したとみなされるため、料金はもう一度支払う必要があります。
認証は許可されましたが、メールが届きません
ESTA公式ページからステータス確認をおこない、「認証は承認されました」と表示されれば、問題なくESTAが取得できているということです。メールが届いていなくても、ESTAは有効です。迷惑メールフォルダに届いていないか、フィルタリング設定がされていないかを確認しましょう。
間違えて一人でグループ申請をしてしまいました
個人申請と間違えてグループ申請をしてしまっても、問題なく認証は下ります。個人申請とグループ申請で、入力内容や審査方法に違いはありません。取得したESTAは有効なものですので、そのまま米国へ入国することができます。
グループ申請で認証が許可されましたが、もう一人追加することはできますか?
ESTAのグループ申請は、同時に審査情報を送信する必要があります。すでにグループ申請が完了している場合は、そのグループに新しい申請を追加することはできません。個人申請によってESTAの認証を得ましょう。グループ申請によってESTAを取得した場合も、個人申請による場合も、ESTAの効力に変わりはありません。
グループ申請の一件が「保留中」と表示されてしまいます
「認証は保留中」と表示されたときは、何らかの理由によって、まだ審査が完了していないことを示しています。認証が拒否されたわけではないので、時間をおいてもう一度確認をしてみてください。また、グループ内の一件の認証が保留になっていることは、その他の申請に影響を与えません。
代表者になったときの注意点
グループ申請は、複数人の申請を一括で完了できるというメリットがある分、代表者の負担も大きくなりがちです。代表者に選ばれた方が注意するべき点をまとめました。
個人情報の取り扱い
ESTA申請のためには、グループ全員のパスポート情報や住所、連絡先などの個人情報が必要です。グループ申請の際は、代表者の手元にこれらの個人情報が集まることになりますので、管理には要注意です。メールやLINE等で送ってもらう場合は、情報が漏洩しないように細心の注意を払いましょう。また、カフェや公共施設のフリーWi-Fiを介して申請するのも危険です。パスポート本体を借りる、または情報を書いたメモをもらう場合は、厳重な保管場所を用意しましょう。不特定多数の人の往来があるような場所は危険です。金庫や鍵がつけられるロッカーなどがおすすめの保管場所です。
入力ミス、誤字・脱字
ESTAの審査では、入力内容の精査までは行われません。そのため、入力ミス、誤字・脱字があっても、その情報のまま認証されてしまうことがあります。この場合、航空会社のチェックインの際に、情報の不備を理由に搭乗拒否をされる可能性があります。また、現地での入国審査の際にも、別室での聞き取りをされたり、最悪の場合入国を拒否される可能性もあります。このような事態を避けるために、情報を入力するときには必ずダブルチェックをするように心がけましょう。
全員に共有する
ESTAの申請に関する情報は、できるだけメンバーと共有しましょう。こまめな情報共有をすることで、不測のトラブルにも対応しやすくなります。
また、無事に全員分の認証が得られたときは、コピーを渡しておきましょう。コピーがなくてもESTAを利用してアメリカへ入国することはできますが、万が一に備えて持っておくのがおすすめです。また、紙のコピーを取っておけば、有効期限の確認が簡単にできるようになるというメリットもあります。
グループIDの取り扱い
グループ申請では、グループIDが大変重要になります。申請時はもちろんですが、審査結果を確認する際にも必要になります。万が一分からなくなってしまっても、IDを検索する方法はありますが、IDが自身のメールアドレスに送信されてきたときにスクリーンショットを撮影したり、メモを取るなどして対策するのが良いでしょう。また、ほかのメンバーにも共有しておきましょう。
審査料金
ESTAの申請には、個人・グループどちらでも一人当たり21ドルがかかります。また、人数の多いグループ申請の場合は、それだけ代表者の負担も大きくなります。多くの場合は、代表者が立て替えて支払うことになると思いますが、料金についてトラブルにならないように注意しましょう。事前に、ESTAの申請には料金がかかること、一人当たり21ドルであることを伝えてから申請に取り掛かりましょう。
まとめ
本記事では、グループ申請のやり方の解説と、よくある疑問にお答えしました。
グループ申請は個人申請と大きく異なるわけではなく、またそこまで難しい手続きでもありません。
しかし、いくつか注意しなくてはならないポイントもあるので、ぜひ本記事を参考にして申請を行ってみてください。