アメリカに長期で在留する場合にはビザを取得する必要があります。しかし、渡航目的は違えど、ビザ取得を行う際には米国大使館・総領事館を訪問し、領事との面接を行わなければなりません。この際の面接の対策や注意点、必要書類について徹底的に解説します。
アメリカビザの申請に必要な書類
まず、面接の前にビザ申請に必要な書類を把握しておく必要があります。必要な書類が準備出来ていない場合には、面接がうまくいったとしてもビザが発行されないためです。
ビザの種類ごとに提出書類は異なりますが、基本的には下記の書類が必要になります。
- パスポート
- ビザ申請書(DS-160オンライン入力式ビザ申請書確認ページ)
- 面接予約確認書
- 証明写真:5㎝×5㎝・カラー写真・白背景・メガネ未着用
- 各種ビザ申請に必要な書類
上記以外にも、面接後に追加で書類の提出が求められる場合があります。この場合には、期日内に書類を準備し、提出する必要があります。
また、過去に犯罪歴のある方は、上記書類に加えて「当該の判決時の謄本とその英訳」をご準備ください。
アメリカビザ面接の流れ
それでは、アメリカビザを取得するための面接の流れを具体的にご紹介したいと思います。フローチャートとしてもご利用いただけますので、適宜確認を行いましょう。
①大使館にてビザ面接を予約
アメリカのビザを取得する場合には、まず専用ページから面接日時を予約する必要があります。面接の予約は、ビザ申請サイトでマイアカウントを作成し、各種hちう幼児かうを記入していきます。
なお、ビザ申請費用は面接予約時に支払いを行う必要がありますので、クレジットカードをご準備の上でマイアカウントを作成しましょう。また、面接予約は基本的に3か月前をめどに予約する事を推奨しています。
②大使館に入る前にセキュリティチェック
面接当日、まず大使館に入る前にアメリカ大使館・領事館の前で金属探知機や鞄の中身の確認などのセキュリティチェックを受ける必要があります。なお、カバンの中身はX線でのチェックになりますのでスマホなどの精密機械をカバンに入れておかないように注意しましょう。
③ビザ面接用書類を提出
領事官の待合室に入ったら、ビザ申請専用窓口まで必要書類を一式提出します。書類提出後、指紋の採取が行われますので、受付番号が呼ばれるまで待合室で待機しましょう。
④指紋の採取
待合室前方のモニターに自分の受付番号が表示されたら、指紋の採取が行われます。領事館の係員の指示に従って指紋読み取り機に指を置きましょう。
⑤領事館と面接
指紋採取後に、係員の指示に従って指定の列に並びましょう。領事に受付番号が呼ばれると面接が開始されます。
面接後、ビザが交付されるかを通知されます。ただし、申請書類が不足している場合には、追加書類を求められる場合は審査を含めビザ申請に時間がかかる場合があります。
ビザ面接時のポイント
アメリカビザの面接を行う際に重視するポイントとしていくつかご紹介したいと思います。
下記の点を注意して面接を行うことでビザ発給の可能性がより上がること間違いなしです。
面接は英語での会話が基本
面接の際には、ネイティブの英語話者のスタッフの方が面接を行います。そのため基本的には、コミュニケーションは全て英語で行われます。英語の試験やテストではないため、正しい文法を気にしてしゃべれないよりも、スムーズに会話することを心がけましょう。
面接でよく質問される内容
面接で頻出する質問を把握することで、あらかじめ模範的な回答を行うことができます。面接対策には必須の事項になりますので、下記表の質問と回答例を参考に準備しておきましょう。
アメリカビザ面接でよくある質問 | |
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What is the purpose of going to the U.S.? (アメリカへ行く目的は?) |
My purpose of going to the U.S. is to study abroad. (私のアメリカに行く目的は留学です) |
How long will you stay in that city? (その街にどれくらい滞在しますか?) |
About 6month. (約6カ月です) |
Do you have a place to stay in the U.S.? Where is it? (アメリカに滞在できる場所はありますか?また、それはどこですか?) |
I will be staying at my mother’s grandmother’s house. (私は母の祖母の家に滞在する予定です。) |
Have you ever been to the United States? (米国に行ったことがありますか?) |
Yes, I have. (はい、あります。) |
面接当日はオフィスカジュアルな服装で
ビザ面接の際の服装としては、「オフィスカジュアル」な服装が最も適しています。
スーツでの面接では印象が固くなってしまいますが、ラフすぎる格好も不適当です。
きれい目なコーディネートで清潔感ある服装を心がけましょう。
アメリカで就労しないことをアピールする
「就労しないことをアピール」は就労ビザを目的として渡米したい方以外に限られます。
もし、就労ビザ以外でのビザを取得する場合には、アメリカ現地で就労を行うことができません。領事官は不法就労を行う可能性のある外国人はアメリカに入国させたくないので、就労する予定のない人は、必ずアピールを行いましょう。
帰国する旨をしっかりアピールする
基本的にアメリカのビザは「移民ビザ」と「非移民ビザ」の2種類に分けられます。アメリカに移住し、永住権を取得することが目的でない方は、目的達成後「日本に帰国すること」をアピールしましょう。
必要書類をしっかり用意しておく
ビザ申請の必要書類に不足がある場合、面接後に追加の申請書類を求められる場合があります。この場合、ビザ発給にさらに時間がかかってしまい、渡航日までにビザの発給が間に合わないケースが発生する可能性があります。また、書類の不足はビザ申請拒否の原因にもなりますので、提出前に何度も確認し、足りない書類はないか確かめましょう。
ビザ面接の時間はどれくらい?
ビザ面接の時間は大体10分から20分程度です。質問内容に合わせて会話を行い、英語力や申請者の危険性などを判断します。この危険性は、アメリカでの不法就労やオーバーステイを起こさないかというリスクのことです。会話をしていく中で危険性があると判断されたり、うまくコミュニケーションを取れないと判断された場合には、ビザ発給が拒否されますので、あらかじめ、英会話の練習を行っておきましょう。
大使館への持込みが禁止されているもの
防犯上の観点から、大使館に持ち込みを禁止されているものがあります。下表にて持ち込み禁止物をまとめているので確認を行いましょう。
米国大使館・米国領事館に持ち込みを禁止されているもの一覧 |
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・電子機器(電子手帳・パソコン・iPad・USBメモリー・CD・オーディオ類など) ・食品全般 ・刃物(ハサミ・カッター等) ・タバコや葉巻 ・発火物(ライターやマッチ等) ・25㎝×25㎝以上のバッグ |
ビザ面接の審査に落ちてしまった場合
ビザの取得が認められない場合には、多くの場合面接中にビザ発行ができない旨を伝えられます。面接に落ちた場合には、再度挑戦することができますが、もう一度ビザ申請料の支払いを行い、面接予約を行わなければなりません。
審査に落ちる要因は個々で異なりますが、大多数は、アメリカでの就労を疑われるケースです。そのため、面接をもう一度行う際には、絶対に現地で就労しないことをアピールしましょう。
面接日時の変更を希望する際の注意点
どうしても外せない用事が発生し、面接の日時を変更せざるを得ない方は、面接予約ページから、面接予約の変更希望を記載し、再度別日程の希望日を入力する必要があります。新たな日時で予約が完了した場合には、登録したメールアドレスに通知が届きます。
なお、面接日時の変更には上限があり、6回以上変更申請を行った場合には、再度ビザ申請料のし¥払いを行う必要があります。
在日アメリカ大使館と領事館の住所
日本に所在しているアメリカ大使館・総領事館の連絡先について、下記表にてまとめました。また、大使館・総領事館ごとに管轄地域が決まっています。そのため、自分の住んでいる県は何処の管轄化をしっかり把握することが重要です。
在日米国大使館と領事館 | 所在地及び連絡先 | 管轄地域 |
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米国大使館 |
〒107-8420 東京都港区赤坂1-10-5 TELL:03-3224-5000(代表) |
・東京 ・千葉 ・福島 ・群馬 ・茨城 ・神奈川 ・長野 ・新潟 ・埼玉 ・静岡 ・栃木 ・山形 ・山梨 |
札幌米国総領事館 |
〒064-0821 北海道札幌市中央区北一条西28丁目3-1 TELL:011-641-1115 |
・北海道 ・青森 ・秋田 ・岩手 ・宮城 |
大阪-神戸米国総領事館 |
〒530-8543 大阪府大阪市北区西天満2-11-5 TELL:530-8543 |
・大阪 ・愛知 ・愛媛 ・福井 ・岐阜 ・広島 ・兵庫 ・石川 ・香川 ・高知 ・京都 ・三重 ・奈良 ・岡山 ・島根 ・滋賀 ・徳島 ・鳥取 ・富山 ・和歌山 |
福岡米国領事館 |
〒810-0052 福岡市中央区大濠2-5-26 TELL:092-751-9331 |
・福岡 ・鹿児島 ・熊本 ・宮崎 ・長﨑 ・大分 ・佐賀 ・山口 |
那覇米国総領事館 |
〒901-2104 沖縄県浦添市当山2-1-1 TELL:0988-76-4211 |
・沖縄 ・奄美諸島 ・鹿児島の一部 |
まとめ
以上、アメリカビザ面接の流れとポイント、必要書類をまとめてご紹介しました。面接のポイントとして、
- 英会話は正しい文法よりもスムーズさを意識してコミュニケーションを行う
- 不法就労・不法滞在を行わないことをアピール
- 必要書類をしっかり準備する
以上の3点を意識して面接に臨みましょう。