コンテナ船が衝突しボルチモアの橋崩落 2人が重症 4人が行方不明

2024年3月26日、アメリカのメリーランド州ボルチモアにあるランドマーク、フランシス・スコット・キー橋にコンテナ船が衝突し、橋が崩壊する事故が発生しました。この事故により、6人が行方不明となり、死亡していると推定されています。沿岸警備隊は捜索を中断し、遺体回収を始めたと述べました。

フランシス・スコット・キー橋は47年前に建設され、全長2.6km(1.6マイル)以上あり、コンテナ船が支柱に衝突した衝撃で崩壊しました。衝突した船はシンガポール船籍の「ダリ」で、船は深夜0:45頃にポートブリーズターミナルを出発し、スリランカの首都コロンボに向かっていました。衝突事故を起こしたのは、月曜日の夜、1:30頃とみられています。

当局によると、事故直前に船からは遭難信号が送信され、「電力に関する問題が発生した」と報告されたことを発表しています。また、港を離れた直後に「推進力を失った」という報告もあり、船の動力部に何らかの問題が発生したのではないかと考えられています。

事故後、6人の行方不明者を捜索するため、ボルチモア消防署、アメリカ沿岸警備隊、およびメリーランド州の他機関が救助作業に参加しました。多くの船とヘリコプターが捜索救助活動に導入されましたが、水から引き上げられたのは2人で、うち1人は重体です。救助活動は潮の流れや低水温のために困難を極めています。

アメリカ沿岸警備隊のシャノン・ギルリース海軍少将は
「残る行方不明者は水温と行方不明になってからの時間を考慮して、死亡したと推定される」と述べました。

当局によると、行方不明者は橋が壊れた時に補修作業をしていた建設作業員でした。現在は、コンテナ船が橋の支柱に衝突した原因を調査することに移っており、運輸安全の専門家チームがデータレコーダーを回収するために事故船に乗り込むなどして事故の原因解明を急いでいます。

観光への影響は?

ボルチモアではクルーズ船による観光が人気ですが、フランシス・スコット・キー橋の崩落によりすべての船の運行が停止され、影響が出ています。崩壊した橋付近の港では、カーニバル・クルーズ・ライン社、ロイヤルカリビアン社、ノルウェージャン・クルーズ ライン社の 3 つの主要クルーズ会社が拠点を置いています。

カーニバル・クルーズ・ライン社の広報担当者はカーニバル・レジェンド号の運航を一時的にバージニア州ノーフォークに移すことを発表しました。また、同社は日曜日にクルーズ船が現在の航海から戻る際、崩壊前にクルーズ船を利用していた乗客を対象に、ノーフォークからボルチモアへの無料バスサービスを提供する予定となっています。

ロイヤルカリビアン社は声明で、
「物流チームに関しては、現在のプロジェクトは進行中ですが、今後の運行では代替案を検討している」と述べ、事態が深刻であることを示唆しています。

一方で、昨年からクルーズを開始したノルウェージャン・クルーズライン社は、「現時点では9月〜10月までクルーズ船がボルチモアから出発する予定はないため、影響はない」と述べています。

(引用:BBCTravel+teisure

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