皆さんは、日本のビザ(査証)にはどれくらいの有効期限があるかご存じですか?
日本のビザは大きく分けて「短期滞在」「就労・長期滞在」「医療滞在ビザ」の3種類があります。
「就労・長期滞在」では日本での活動(観光や就労などの渡航目的)によってさらに細かくビザが設定されています。
本記事では、そのように種類の多い日本ビザの有効期限はどのように設定されているのかに加え、ビザの利用回数について解説していきます。
また、在留資格とビザの違いやビザの申請方法も解説していきますので、ぜひご覧ください。
日本ビザ(査証)とは
日本には外国同様、海外からの渡航者が来日する際にビザ(査証)の取得が必要です。
また、ビザは日本滞在中に行う活動(観光や就労などの行為)によって様々な種類が設定されています。
そのため、ビザ(査証)の取得は、日本へ入国した後どのような活動を行うかを明確にしていないと申請ができません。
日本には短期滞在ビザがありますが、これは一部のビザの免除を受けている国と地域の方は取得せずに入国が可能です。
なお、ビザの免除を受けて日本へ入国する際は、ICチップ搭載のパスポート(e-パスポート)を所有している必要があります。
短期滞在時のビザ免除国・地域及び滞在日数は以下の通りです。
ビザ免除対象国及び地域 | ||
---|---|---|
地域 | 国及び地域 | 滞在可能期間 |
アジア |
・インドネシア ・シンガポール ・マレーシア ・ブルネイ ・韓国 ・台湾 ・香港 ・マカオ |
90日以内 |
・タイ | 15日以内 | |
・ブルネイ | 14日以内 | |
北米 |
・アメリカ ・カナダ |
90日以内 |
中南米 |
・アルゼンチン ・ウルグアイ ・エルサルバドル ・グアテマラ ・コスタリカ ・スリナム ・チリ ・ドミニカ ・バハマ ・バルバドス ・ブラジル ・メキシコ* |
90日以内 |
大洋州 |
・オーストラリア ・ニュージーランド |
90日以内 |
中東 |
・イスラエル ・カタール ・トルコ |
90日以内 |
・アラブ首長国連邦 | 30日以内 | |
アフリカ |
・チュニジア ・モーリシャス ・レソト |
90日以内 |
欧州 |
・アイスランド ・アイルランド* ・アンドラ ・イギリス* ・イタリア ・エストニア ・オーストリア* ・オランダ ・キプロス ・ギリシャ ・クロアチア ・サンマリノ ・スイス* ・スウェーデン ・スペイン ・スロバキア ・スロベニア ・セルビア ・チェコ ・デンマーク ・ドイツ* ・ノルウェー ・ハンガリー ・フィンランド ・フランス ・ブルガリア ・ベルギー ・ポーランド ・ポルトガル ・北マケドニア ・マルタ ・モナコ ・ラトビア ・リトアニア ・リヒテンシュタイン* ・ルーマニア ・ルクセンブルク |
90日以内 |
*これらの国の方は、ビザ免除取極によって6ヶ月以内(180日以内)の滞在が認められていますが、90日を超えて滞在する場合、90日を超える前に合出入国在留管理庁(地方出入国在留管理官署)にて在留資格の更新を行う必要があります。
その他詳しく知りたい方は、ビザ免除国・地域(短期滞在):外務省をご覧ください。
なお、日本ビザは「短期滞在」に加え、「就労・長期滞在」「医療滞在ビザ」の3種類に大きく分類されます。
下記表は日本ビザの一覧になりますので、ぜひご覧ください。
日本ビザ一覧 | ||
---|---|---|
短期滞在 | 短期滞在ビザ | |
就労・長期滞在 | 高度専門職ビザ |
・高度専門職1号イ、ロ及びハ ・特別高度人材 ・高度人材 |
就業ビザ |
・教授 ・芸術 ・宗教 ・報道 ・経営・管理 ・法律・会計業務 ・医療 ・研究 ・教育 ・技術・人文知識・国際業務 ・企業内転職 ・介護 ・特定技能 ・技能実習 |
|
一般ビザ |
・文化活動 ・留学 ・研修 ・家族滞在 |
|
特定ビザ |
・日本人の配偶者等 ・永住者の配偶者 ・定住者 ・特定活動 (使用人、ワーキング・ホリデーなど) ・特定活動 (観光・保養のためのロングステイ) ・特定活動 (未来創造人材など) |
|
起業(スタートアップ)ビザ | ・起業 | |
外交ビザ | ・外交 | |
公用ビザ | ・公用 | |
医療滞在 | 医療滞在ビザ |
各ビザ(査証)の有効期限と利用回数
日本ビザ(査証)の有効期限は、一般的にビザの取得日から数えて3か月間になります。
有効期限の間に、日本へ渡航し、入国審査を受ける必要があります。
もし、3ヶ月の有効期限を過ぎてしまった場合は、ビザ(査証)が失効し、渡航する際は、再度取得しないといけません。
そのため、ビザ(査証)が日本大使館又は領事館より発給されたら早めに日本へ渡航するようにしましょう。
なお、ビザの利用回数は原則として1回のみのため、ビザ取得後に1回入国審査を受けることにより、ビザは失効します。
したがって、日本ビザの有効期限は、有効期間内に来日し、入国審査を受けた場合、その時点で失効するため、3ヶ月もしくは入国審査を受けた日のいずれか早い期間の方になります。
ただし、医療滞在ビザを取得する場合、必要に応じて3年となっていますが、実際の有効期限は外国人患者等の病態などを踏まえたうえで決定されるため、注意が必要です。
また、ビザの有効期限とは、入国有効期間となっており、滞在期間および在留期間とは異なります。
そのため、在留資格の有効期間と混合しないようにしましょう。
以下で有効期限と利用回数についてまとめましたのでご確認ください。
各ビザの有効期限 | ||
---|---|---|
ビザの種類 | 有効期限 | 利用回数 |
短期滞在 |
3ヶ月 ※ただし、入国審査を受けた際はその時点で失効します。 |
1回のみ |
就労・長期滞在 | ||
医療滞在ビザ | 必要に応じて3年間 ※ただし、外国人患者等の病態などをふまえて決定されます。 |
ビザ(査証)と在留資格の違いとは
日本では、外国人が日本へ渡航するために必要となるビザ(査証)に加え、滞在のために取得しなければいけない在留資格があります。
在留資格は事前に申請をして認定を受けた後、ビザを取得し入国審査を通過した場合、取得することが可能です。そのため、ビザ(査証)と在留資格を同じものとして扱う方が多くいます。
しかし、ビザ(査証)と在留資格は申請するタイミングや申請場所が異なるため、厳密にはまったくの別ものなので注意が必要です。
ビザ(査証)は各国にある日本大使館又は領事館で申請及び取得をすることが可能ですが、在留資格は日本にある、出入国在留管理庁(地方出入国在留管理官署)で申請及び取得を行う必要があります。
また、申請するタイミングとしては、一般的に事前に在留資格の申請を行い、在留資格認定証明書を取得した後にビザの申請を行います。
ですので、様々なサイトによってビザ(査証)と在留資格を同じものとして扱っている事がありますが、厳密には違うものだと認識しておいてください。
そのため、ビザの有効期限と在留資格や在留カードの有効期限を混合しないように注意しましょう。
ビザの申請について
ビザ(査証)は各国にある日本大使館又は領事館にて申請をすることが可能です。
事前に在留資格認定証明書の取得を行っておくことで、ビザ(査証)申請時の審査にかかる時間が短縮され、申請から取得まで平均5営業日でビザが発給されます。
なお、ビザ申請時の必要書類は、ビザの種類や国籍によって異なるため、注意が必要です。
詳しくは、ビザ:外務省ホームページをご覧ください。
必要書類の用意が全てできた際は、居住所を管轄している日本大使館又は領事館へ直接必要書類を提出し、ビザの申請を行いましょう。
在留資格認定証明書とは
在留資格認定証明書とは、外国人が日本で滞在し、観光や就労などを行う際に必要になる在留資格を取得するために必要となる書類です。
日本での活動内容に対し、出入国在留管理庁から認定を受けている事を証明する書面であるため、取得しておくことで、ビザの取得までにかかる期間が短縮されスムーズに行われます。
なお、在留資格「特定活動」のワーキングホリデーやEPAに関係する介護福祉士や看護師研修を取得する際は、在留資格認定証明書が発行されない場合があります。
詳しくは出入国在留管理庁までお問い合わせください。
ビザの申請方法
申請は、ビザの種類及び国籍によって異なります。
そのため、ここでは短期滞在の申請方法について解説していきます。
①渡航計画を立てる
ビザ短期滞在を取得する際は、まず、日本への渡航をしっかりと計画しておくことが大切です。
②必要書類の準備
渡航計画を立てることができたら、次は必要書類を準備します。
必要書類は書類は次の通りです。
- 旅券(パスポート)
- 査証申請書(ビザ申請書)
- 写真
- その他必要書類
その他の必要書類に関しては、ビザ(外務省ホームページ)をご参照ください。
③ビザ申請
必要書類を準備することができたら、居住所を管轄している日本大使館又は総領事館へ行き、申請を行いましょう。
④審査終了
審査が終わったことを知らせる通知が届き次第、申請時に訪れた日本大使館又は総領事館へ赴き、提出したパスポートを受け取りに行きましょう。
無事にビザの審査が下りた際は、3ヶ月以内に日本へ渡航してください。
以上で、ビザの取得が完了です。
ビザの取得が無事にできた方は、必ず3ヶ月以内に日本での入国審査を受けるようにしましょう。
いかがでしたでしょうか。
日本のビザは、一般的に有効期限が3ヶ月に設定されています。
そのため、ビザが発給されてから、3ヶ月以内に日本へ渡航して入国審査を受ける必要があります。
したがって、ビザが発給された際は、早めに日本へ渡航するようにしましょう。
また、ビザと在留資格は異なるものです。
申請場所や申請するタイミングが異なるため、しっかりと覚えておきましょう。
この記事を読み、ビザの有効期限について理解が深まりましたら幸いです。
ビザの有効期限によって、渡航ができなくなることが無いようにビザについて知識をつけていきましょう。