アメリカ旅行はレンタカーがあると非常に便利です。
国土面積が広大で都市同士の距離があるアメリカでは、レンタカーがあれば移動時間も素敵な旅の一部になるからです。
公共交通機関の利用や観光ツアーの参加では、郊外の国立公園などへの移動は大変です。
このような時、レンタカーがあれば自分たちのペースでのんびりとアメリカ旅行をすることができます。
そこで本記事では、アメリカでレンタカーを予約してから返却するまでの流れやアメリカでのドライブの注意点を紹介していきます。
日本人でもアメリカのレンタカーは借りられる?
結論から言うと、利用条件を満たせば日本人でもアメリカのレンタカーを借りることができます。
アメリカでレンタカーを借りるための条件は、「日本の普通免許を保有していること」と「20歳以上であること」の2つです。
日本では18歳から自動車の運転免許を取得することができますが、アメリカ旅行でレンタカーを使いたい場合は、20歳になっている必要があるので注意が必要です。
また、25歳未満の場合は1日あたり20〜30ドルの「ヤングドライバー料」が別途かかりますので、理解しておきましょう。
レンタルに必要なもの
アメリカでレンタカーを借りるために必要なものは以下の4点です。
- 運転免許証(日本で正式に発行されたもの)
- 国際運転免許証(発行から1年以内のもの)
- パスポート
- クレジットカード(アメリカで利用できるもの)
2つ目の国際免許証についてですが、実は国際運転免許証は必須のものではありません。
アメリカのレンタカーは日本の運転免許だけで借りることが可能です。
しかし、日本の免許証に記載されている言語は日本語のため、現地では少し使いにくいです。
国際免許証は免許センターや警察署などで簡単に取得することができるので、アメリカ旅行中に車を運転する予定のある方は、事前に発行しておきましょう。
レンタカーを予約する流れ
続いて、レンタカーを実際に予約する流れを確認していきましょう。
レンタカー会社を選ぶ
まずは、レンタカー会社を選びます。
レンタカー会社を選ぶときは、万が一の際に簡単に連絡が取れるよう、日本にも営業所のある大きな会社を選ぶようにしましょう。
アメリカにはたくさんのレンタカー会社がありますが、日本語で連絡が取れる会社であれば、あとはどの会社を選んでも大きな違いはありません。
アメリカの主要空港にはレンタカー会社が併設されていることが多いので、自分の便が到着する空港に窓口のある会社を選ぶのが無難です。
自動車保険に加入する
続いて、レンタカーの保険に加入します。
アメリカ旅行に行く方は海外旅行保険に加入していると思いますが、一般的な海外旅行保険ではレンタカーでの事故・ケガまではカバーできません。
レンタカーの保険にはたくさんの種類がありますが、主要なものは以下の3つです。
- 自動車損害賠償保険(PP/LP):最低限の対人・対物をカバーする保険で、基本的に全てのプランについているもの。日本の自賠責保険のようなもの。
- 自車輌損害補償制度(LDW/CDW):借りた車が破損した際の自己負担を無くしてくれるもの。
- 追加自動車損害賠償保険(LIS/ALI/SLI/EP):対人・対物の補償額を拡大し、万が一の損害保険を軽くしてくれるもの。
※カッコ内の表記は、アメリカでの呼び方です。
上記3つの保険に加入しておけば、基本的には大丈夫です。
予約プランを選ぶ
次は、予約プランを選びます。
レンタカー会社によっては、自動車保険や税金、オプションなどが全て含まれたパッケージプランを用意していることがあるので、レンタカーの利用目的に合ったプランを選択しましょう。
また、この際にレンタルする車種も選択します。
レンタカーの車種を選ぶときのポイントは次の章で解説しますので、そちらをご確認ください。
オプションを選ぶ
最後にオプションの選択をします。
レンタカーには、チャイルドシートやカーナビなどのオプションを付けることができます。
慣れないアメリカでの運転が不安な方は、カーナビのオプションを付けるのがおすすめです。
会社によっては日本語対応のカーナビを貸してくれることもあるので、事前に確認してみましょう。
小さな子供がいる場合は、チャイルドシートのオプションを必ず選択しましょう。
アメリカのチャイルドシートには、子供の大きさによって3つの種類があります。
- インファントシート:1歳未満または9㎏未満の子供用
- チャイルドシート:9~18kgの子供用
- ブースターシート:18~36kgの子供用
チャイルドシートのオプションを付ける際は必ず上記の区分に従って、適切なものをレンタルするようにしてください。
その他、「ロードサイドアシスタンスサービス」というオプションもあります。
これは、日本でいうところのJAFのようなサービスです。
タイヤがパンクしてしまったり、鍵のとじ込みをしてしまった際に助かるサービスです。
レンタカーの保険ではカバーできないので、心配な方はロードサイドアシスタンスサービスのオプションも追加しておきましょう。
レンタカーを選ぶときのポイント
続いては、レンタカーの車種を選ぶときのポイントを紹介します。
以下で紹介するポイントを守って車を選べば、快適なドライブ旅を送れること間違いなしです。
運転しやすい車を選ぶ
レンタカーを選ぶときのポイント1つ目は、「運転しやすい車を選ぶ」です。
当然のことに感じてしまいますが、慣れないアメリカで運転するときには最も重要なポイントです。
せっかくアメリカ旅行に行くのなら、アメリカらしいオープンカーをレンタルしたい方も多いと思います。
しかし、オープンカーは運転席からの目線がかなり低く、乗り慣れていない方にとってはかなり運転がしづらく、危険です。
楽しいアメリカ旅行にするためにも、安全第一で運転しやすい車を選びましょう。
日本で乗り慣れた車、または見慣れた車が最も運転しやすいでしょう。
車内が広い車種を選ぶ
レンタカーを選ぶときのポイント2つ目は「車内が広い車種を選ぶ」です。
アメリカで長距離のドライブを予定している方は、特にこの点を重視しましょう。
ドライブの途中で休憩することを考えると、座席を倒して車内で仮眠できるくらいのスペースを確保したいところです。
実際の乗車人数に加えて2人分の余裕を持った車種を選ぶと良いでしょう。
トランクが独立しているタイプだと安心
基本的に、上記2つのポイントをクリアしている車種であれば、あとは自由に車を選んでOKです。
ただし、治安の悪い地域を観光する予定がある場合や、そのような地域をドライブ中に通過する予定のある方は、トランクが独立しているタイプの車を選ぶことをおすすめします。
トランクが独立しているタイプなら、外からトランクの中が見えないので車上荒らし対策になります。
サンフランシスコなど車上荒らしが多い地域に行く予定の方は、トランクが独立している車種を選ぶのがおすすめです。
レンタル当日の流れ
それでは、次にレンタル当日の流れを見ていきましょう。
ここでは、事前に日本から予約をしていったケースを念頭に解説していきます。
もちろん、現地に到着してから直接レンタカーショップへ行って、その場でレンタルすることも可能です。
ただし、契約はすべて英語で行う必要があるため、英語での受け答えが不安な方は日本で予約していくことをおすすめします。
チェックアウト
日本で予約したレンタカーショップに到着後、まず「チェックアウト」の手続きを行います。
これから車を借りるのに「チェックアウト」というのは違和感がありますが、ホテルなどとは反対に車を「出庫」することから、アメリカのレンタカーショップではチェックアウトという表現が使われます。
まずは窓口で予約時に発行されたバウチャー(予約証明書)を提示します。
この際、前述した運転免許証、国際運転免許証、パスポート、クレジットカードも一緒に提示しましょう。
運転者が複数人いる場合は、各自の運転免許証、国際運転免許証の提示が必要なので注意しましょう。
日本でレンタカーを借りるときは、車に乗り込む前に従業員と車の傷や不具合をチェックするのが一般的です。
しかし、アメリカでレンタカーを借りる際は、手続きが終わったら窓口のスタッフから車のカギを渡され、駐車場に行くよう指示されるだけのことが多いです。
駐車場に着いたら、指定された番号の車を探すか、指定されたゾーンに停まっている車から好きなものを選びましょう。
この際、日本のように車の傷や不具合を確認することはないので、車に乗り込む前に自分で傷や汚れなどを確認しておきましょう。
指定された車に乗り込んだら、レンタルの手続きは終了です。
安全運転でアメリカでのドライブを楽しみましょう。
チェックイン
アメリカでのドライブを堪能した後は、しっかり「チェックイン」手続きを行いましょう。
といっても、レンタルした車を返却するだけですので難しい手続きは必要ありません。
車を借りた営業所まで向かい、「Rental car return」という案内に沿って返却場所に車を駐車します。
スタッフに声をかけて車を引き渡せば、チェックインの手続きは完了です。
チェックアウト手続きと同様に、スタッフと傷や汚れなどの確認をすることもありません。
チェックイン時に注意するべきなのはガソリンの残量です。
返却時のガソリンをレンタカーショップから購入するオプションに入っていない限り、ガソリンを満タンにして返却するのが基本です。
返却時にガソリンが満タンになっていないと、通常のガソリンスタンドよりも割高な金額を請求されてしまいます。
逆に、返却時のガソリンをレンタカーショップから購入するオプションに入っている場合は、ギリギリまでガソリンを使い切ったほうがお得になります。
また、適切なプランを契約すれば、乗り捨てすることも可能です。
乗り捨てを英語では「Drop-off」と表現しますので、覚えておきましょう。
アメリカ旅行でレンタカーを運転するときの注意点
最後に、アメリカ旅行でレンタカーを借りて運転する際の注意点を紹介します。
トラブルに遭ってしまうと、せっかくの楽しいアメリカ旅行も台無しになってしまいます。
そんな事態を防ぐために、以下の注意点をしっかりと確認してください。
日本とアメリカの交通ルールの違いを確認しておく
まず、日本とアメリカの主な交通ルールの違いについて確認しておくようにしましょう。
最も大きな違いは、日本は右ハンドルで左側通行ですが、アメリカは左ハンドルで右側通行であるということです。
まっすぐな道や通行量の多い道では、通行方向を間違えることは少ないでしょう。
しかし、駐車場から公道に出るときや車の少ない道を走るとき、右折左折をするときには注意が必要です。
またアメリカでは、ほとんどの交差点で赤信号で右折することができます。
日本の感覚のまま赤信号で停止していると、後ろの車にクラクションを鳴らされてしまうので覚えておきましょう。
ただし、「NO TURN ON RED(赤信号時右折禁止)」という標識がある場合は、赤信号時の右折が禁止されています。
またこれとは反対に、ニューヨークなどの一部都市では、「TURN ON RED(赤信号時右折可)」という標識がある場合のみ右折が可能というケースもあるので、注意しましょう。
さらに、信号のない交差点には「4-WAY STOP」「ALL WAY STOP」という標識が設置されていることがあります。
この標識のある交差点では、全車両が一時停止する必要があります。
先に一時停止した車から交差点に入るのがルールで、同時に2台以上の車が一時停止した場合は、右側にいる車が優先して交差点に入ることができます。
上記以外の交通ルールは、基本的に日本と同様です。
しっかりと確認しておけばそこまで難しいルールではないので、アメリカ旅行に出発する前にしっかりと理解しておきましょう。
また、州によっては交通ルールに細かな違いがあるため、ドライブする予定の州の交通ルールも事前に確認しておきましょう。
事故に遭ったときの対処法を確認しておく
ドライブ中に事故に遭った時の対処法も事前に確認しておくと安心です。
事故を起こした時は以下の5つの手順で対応します。
1.車を路肩に寄せる
ドライブ中に事故に遭ってしまったときは、まずは落ち着いて車を路肩に寄せましょう。
2.警察・救急車を呼ぶ
続いて、「911」に電話をかけて警察と救急車を呼びましょう。
ケガ人のいない小さな事故であっても、警察は必ず呼ぶ必要があります。
保険の手続きをするためには警察に「ポリスレポート」を作成してもらう必要があるからです。
また、事故の目撃者がいる場合は、第三者として事故の証言をしてもらえないか聞いてみましょう。
3.お互いの免許証と保険を確認する
警察が到着したら、お互いの免許証と保険の内容を確認しましょう。
この際、レンタカーの契約書も一緒に見せるようにしましょう。
4.レンタカーの営業所に電話する
レンタカーの営業所にも、事故を起こしたことを伝えます。
この時に、どのような事故なのか、車は動かせるのかをしっかりと伝えて、指示を仰ぎましょう。
5.レンタカー会社でアクシデントレポートを作成する
最後に、レンタカー会社に戻ってポリスレポートを提出し、レンタカー会社の「アクシデントレポート」を記入します。
アクシデントレポートを提出したら、手続きは完了です。
夜のドライブは避ける
アメリカ旅行でレンタカーを運転する時は、夜のドライブは避け、明るいうちに目的地に到着できるような計画を立てるようにしましょう。
夜の田舎道は街灯が少なく、視界が悪くなってしまうことがあります。
また、夜の都市部は昼間と打って変わって治安が悪くなります。
比較的治安の良い都市であっても、夜は治安が悪くなるのが普通なので、危険なエリアを知らない観光客は夜のドライブは避けるのが無難です。
まとめ
本記事では、アメリカのレンタカーの借り方や使い方、アメリカ旅行でレンタカーを運転するときの注意点を紹介してきました。
アメリカでレンタカーを借りるというと難しそうな印象がありますが、実は意外と簡単にレンタルすることができます。
もちろん、日本と異なる交通ルールや事故を起こした時の対処法などはしっかり確認するべきですが、基本を押さえてしまえば日本とそこまで違いはありません。
レンタカーがあれば、アメリカ旅行を何倍も楽しむことができます。
安全運転に気を付けて、アメリカドライブを楽しんでください。