アメリカの呼吸器系感染症の「三大流行」感染者が減少傾向になったが、依然危険な状況が続く

「トリプルデミック(三大流行)」とは、COVID-19(新型コロナウイルス)、インフルエンザ、そして呼吸器合胞体ウイルス(RSV)による同時発生の状況を指します。
この現象はアメリカで発生しており、2023年12月下旬から始まったクリスマス休暇中の集まりをきっかけに、深刻な疾患と医療能力の逼迫を引き起こしている危険な状況だ。

米国疾病管理予防センター(CDC)によると、最近のデータでは、この「トリプルデミック」が少し後退している様子が見受けられます。これは、クリスマス後の週に見られたCOVID-19による入院と死亡の急激な増加の後のことです。

具体的には、1月7日の週の時点で、24の州とワシントンD.C.が「高いまたは非常に高い」レベルの呼吸器疾患の症状に直面していました。これは、2024年第1週に37の州と領土で見られた状況からの減少です。

さらに、COVID-19、インフルエンザ、RSVによる救急室受診の割合も減少しており、これら三つのウイルスによる患者の受診は全体の6.3%(インフルエンザ3.3%、COVID-19が2.5%、RSVが0.5%)で、前の週の7.9%、12月の最後の週の9.9%から下がっています。

しかし、CDCが行っている廃水中のCOVID追跡プログラムでは、ウイルス活動が依然として「非常に高い」レベルにあることが示されています。

特に南部では増加が見られましたが、他の地域では12月下旬以降減少しています。

これらの呼吸器ウイルスによる感染者数と入院者数の増加は、米国全土で続いており、保健当局は病院の収容能力が逼迫する可能性について警告しています。

その結果、一部の医療制度ではマスク着用や面会制限の方針が再び導入されています。

最新のインフルエンザと新型コロナウイルスの追加免疫の効果にも関わらず、これら3つの病気のワクチン接種率は低いままです。
今シーズン、成人の約44%がインフルエンザワクチンを接種していますが、新型コロナウイルスワクチンを受ける資格のあるアメリカ人の中でワクチンを受けているのは約17%に過ぎません。また、60歳以上の成人のうち、新しいRSVワクチンを受けている人はわずか17%です。

これらの病気による病院への負担は依然として高く、特にインフルエンザと新型コロナウイルスによる医師の診察は2019-2020シーズンのほぼピークに達しています。
CDCによれば、今シーズンこれまでにインフルエンザが原因で11万人が入院し、6,500人が死亡しており、特に高齢者と最年少者に大きな打撃を与えています。
新型コロナウイルスによる入院者数は前週比20.4%増加し、死亡者数は12.5%増加しています。

一方で、研究によると、更新された新型コロナウイルスのワクチンは、現在流行している変異種に対して十分な免疫を提供しています。

しかし、有識者はウイルスが変異するにつれて、感染者数が増えるほどその可能性が高まり、毒性が強くなったり、その他の懸念される性質を獲得したりする可能性があると警告しています。

このような状況を踏まえ、公衆衛生の専門家たちは、予防接種を受けることが感染予防の最も重要な手段であると強調しています。

また、屋内の公共の場所でのマスクの着用、換気の改善、手洗い、病気の場合は自宅で休むことなど、個人レベルでの予防措置も重要です。

アメリカ人は無料の新型コロナウイルス検査を4回まで注文することができますが、多くの人々にとってこれらの予防措置を講じることは困難であることが指摘されています。

今回の「トリプルデミック」の状況は、新型コロナウイルスだけでなく、インフルエンザやRSVといった他の呼吸器疾患も同時に管理する必要性を示しています。

この冬、私たちはこれらの感染症の波に直面し、それによる長期的な健康への影響を最小限に抑えるために、個人レベルでの予防措置と公衆衛生対策の両方が求められています。

(引用:The Guardian, Forbes

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