ESTA(エスタ)とは、米国のVWP(ビザ免除プログラム)を利用するために必要となる「電子渡航認証システム」の事です。VWP対象国の渡航者は、米国へ渡航する際にESTAの申請・取得をすることでビザを取得せずにアメリカへの入国が可能になるため、利用を検討している方もいるのではないでしょうか。
では、ESTAの申請には両親の名前を入力しないといけないことをご存じですか?
ESTAを申請する際は、虚偽の情報を入力してはいけません。また、両親の名前の欄は必須項目となっているため、必ず入力しなければいけません。
しかし、既に両親が離婚していて片親になってしまっている場合、どのように記入すればいいのか分からない方もいると思います。
本記事では、両親が離婚している場合のESTA 申請について解説していきます。
ぜひ、参考にしてください。
なぜESTA申請には両親の名前が必要なのか
ESTA(エスタ)の申請フォームには両親の名前の記入欄があります。また、その記入欄は必須項目となっているため、入力をしないとESTAの申請ができません。
なぜ、必須項目として両親の名前が必要なのか解説していきます。
まずアメリカでは、米国国土安全保障省の税関・国境警備局(CBP)が親権訴訟中に発生する子供の奪取増加や国際的な子供の連れ去りに対処するため、18歳未満の未成年者が単独または片親と渡航する場合に親が署名した「渡航同意書(英文)」の持参を強く推奨しています。渡航同意書は自ら提示するわけではなく、入国審査時に提示を求められた際に提示をする形となります。そのため、必ず持参しなければならないわけではないですが、提示を求められた際に、すぐに提示できるように渡航同意書の用意をおすすめします。
上記のようにアメリカは、18歳未満の渡航者に対し、入国審査を厳密に行う場合があります。その際に、しっかりと両親の名前を確認する必要があるため、ESTA申請時に入力を求められるというわけです。
また、アメリカと日本の間では、2014年に日本が「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約(ハーグ条約)」の加盟国になって以来、条約締結国として協力関係を築いています。そのため、両親について事前に情報を取得し、国際的な子の奪取に対処するためにも、両親の名前を把握する必要があるわけです。
ですが、18歳以上だからといって、両親の名前の欄をあやふやにして書いてしまうと虚偽申告として入国を拒否されてしまう可能性があります。しっかりと記入しましょう。
なお、ESTAの申請でいわれている両親とは、血縁上の親・養子縁組による親・義父母・後見人のことを指しています。
「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約(ハーグ条約)」とは
まず、子の奪取とは、例えば片方の親がもう片方の親の同意がない状態で、子供を他国へ連れ去るといった行為のことを指します。これは、誘拐と同様の行為として扱われ、国境を超えた犯罪となりえます。
ハーグ条約は、このような国境を超えた子どもの不法な連れ去りや留置をめぐる紛争に対応するため、国際的な枠組みとして、制定されました。子どもを元の居住国に返還するための手続きや国境を超えた親子の面会交流の実現のための締約国間の協力等について定められている条約です。
なお、日本では、日本人と外国人の国際結婚および離婚に伴う子どもの連れ去りなどに限らず、日本人同士での同様の事象に関しても対象となっています。
既に両親が離婚している場合のESTA申請について
ESTA申請時の両親の名前の必要性について解説しましたが、既に両親が離婚しているため、片方の親しかいない方もいらっしゃると思います。その場合のESTA申請はどうしたらいいのかを解説していきます。
結論から言いますと、両親が離婚している場合でも名前を記入する必要があります。
しかし例外として、片方の親の名前がどうしてもわからない場合はその親の名前欄に「UNKNOWN」と入力すれば大丈夫です。
では、なぜ両親が離婚している場合でも名前が必要になるのか説明します。
アメリカは日本とは違い、夫婦が離婚しても親権がお互いに与えられます。これを共同親権といいます。アメリカでは、離婚時に両者が有益になるように協議を進めていくのが一般的です。こういった法律の違いがあるため、両親の離婚に関係なく記入が求められます。
両親の名前がわかる場合は、離婚していても記入をするようにしましょう。
ESTA(エスタ)の申請方法
ESTAの申請方法には、ご自身で公式サイトから申請を行う方法とESTA申請代行サービスを利用する方法の2つの方法があります。
ご自身で申請を行う場合は、ESTA公式サイトより米国税関・国境警備局(CBP)に直接申請をします。その際、申請フォームへの入力は全て半角英数字で行う必要があり、注意が必要です。
なお、申請時には申請手数料として4ドルに加え、認証許可が下りた際は追加で17ドルの認証許可費用の計21ドルの申請料が発生します。
しかし、英語が苦手な方や自分で申請を行うことが不安な方がいると思います。
そのような方は、ESTA申請代行サービスの利用をおすすめします。
ESTA(エスタ)についてCBPに問い合わせる際は、英語の文章でメールを送る必要があり、返信も英語での回答となるのに対し、代行サービスでは日本語でのやり取りが可能となります。ESTA申請時に不安なことなどを気軽にお問い合わせすることができるため、初めて申請wおする方やESTAの申請について詳しくない方でも安心してESTAの申請が可能です。
ESTAの申請が不安な方や英語が苦手で公式サイトでの申請ができない方は、ESTA申請代行サービスの利用を検討してみてはいかがでしょうか。
再申請について
ESTAの有効期限内に両親が離婚してしまった場合、再申請が必要なのか悩んでいる方がいると思いますが、両親が離婚して名義変更をした場合でも、パスポートが旧名のままならESTAの再申請の必要はありません。
しかし、パスポートが更新され、名義が変更になった際に、必要に応じて再申請を行いましょう。
なお、ESTAの再申請を行う場合でも申請料の21ドルが発生しますので注意してください。
アメリカ渡航時に、ESTAのパスポート情報と所持しているパスポートの情報に相違があった場合、入国審査で虚偽申告として扱われ、入国拒否になるため注意しましょう。
パスポートの更新を行った場合や名義変更などでパスポート情報に変更があった場合などは、ESTAの再申請を必ず行ってください。
ESTA申請時の疑問は解消されましたか?
両親の離婚で片親しかいない場合でも、名前がわかる場合は両方の親の名前を記入しましょう。
また、思いもしなかった原因によって入国が拒否されてしまう可能性もあります。そういったトラブルが起きないよう、ESTAの申請をする際は正確な情報をしっかりと申告しましょう。
本記事を参考にして、ESTA申請について理解を深めていただけると幸いです。