ESTA(エスタ)は、アメリカでの90日以内の滞在かつ観光または短期商用を目的とした渡航の際に、VWP対象国の渡航者が申請及び取得を行う事が可能な「電子渡航認証システム」です。また、ESTAの申請及び取得をすることで、ビザの取得なしで入国が可能になります。
上記のように、ESTAは短期商用での滞在も許可されているため、90日以内のアメリカ出張を行う場合はESTAを利用しての滞在が可能です。
本記事では、海外出張に伴うESTAの取得をする場合、申請料金は経費として計上が可能なのかどうか、勘定科目についてとともに解説していきます。
ぜひ、ご覧ください。
出張に伴うESTAの申請料金は経費になるのか
ESTA(エスタ)は、観光または短期商用を目的とした滞在の際に利用ができるため、海外出張の際でも利用が可能です。
では、アメリカ出張に伴うESTAの申請料金は経費として計上できるのか、解説していきます。
ESTAをアメリカ出張で利用する場合は、ESTA取得時の申請料金を経費で計上することができます。理由としてはESTAは、アメリカ渡航の際には必要不可欠となるため、アメリカへの出張に伴うESTAの申請料金は業務上必要な費用として扱われるためです。
また、海外出張におけるパスポートの取得も経費で計上することが可能です。理由はESTAと同様で、パスポートは海外渡航に必要不可欠となるため、海外出張を行う際は、業務上必要となる費用にあたるからです。
ESTAの申請料金を経費で計上する際、ESTA申請公式サイトにて申請を行った際の申請料はビザ取得と同様で非課税取引となるため非課税となります。しかし、申請代行サービスを利用した場合、申請手数料は課税取引となり、課税対象となるため注意が必要です。
なお、ESTAに関する経費清算について詳しくは下記ページをご確認ください。
ESTAの申請料金は非課税?海外渡航に関する課税・非課税を一目で確認
申請料金の勘定科目は旅費交通費になります
勘定科目とは、経費を計算する際に、それぞれの経費がどのような費用なのかを振り分けるための科目です。
経費には資産・負債・純資金・収益・費用の5つのグループがあり、それぞれのグループの中でさらに細かく分けられている項目が勘定科目になります。
ここではESTAの申請料金の勘定科目について解説していきます。
出張に伴う交通費や宿泊費などの料金は「費用」のグループに分類されます。
そのため、海外出張に伴うESTAの申請料金は、出張に伴い発生する料金のため「費用」のグループになり、勘定科目は海外渡航費が含まれている「旅費交通費」となります。
出張時の旅費交通費に該当する費用とは
旅費交通費とは、業務を遂行するために社員が使用した費用のことです。具体的には、業務をする中で使用した移動手段で発生した費用や宿泊費が対象です。
なお、通勤費用とは別であるため、注意が必要です。
移動手段として、車・タクシー・電車・バス・飛行機などがあります。それぞれの移動手段を業務に伴って利用した場合の費用は旅費交通費として扱われます。また、海外出張などに伴うパスポートの取得やビザの取得にかかる費用も旅費交通費として計上が可能です。
旅費交通費として計上する際の注意点
ESTAを旅費交通費として計上する際に注意すべき点をご紹介します。
領収書のない交通費の計上
出張先などでバスや電車を利用した際に、領収書の発行を行っていない場合、会計額が3万円未満であれば領収書の発行は不要です。しかし、会社の多くは、交通費の計上を行う際に、精算書へ詳細を正しく記載するのが一般的となります。
清算は適時行う
出張費などいくつかの費用項目がある場合は、出社後速やかに清算を行わないと経理処理が遅れてしまったり、出張時に発生した費用があること自体を忘れてしまったりする場合があります。そのため、仮払金を事前に支給された際の処理は早急に行うようにしましょう。
領収書の必要性
会社の業務上で必要になり、ESTA(エスタ)を取得した際には、経費として計上することが可能です。また、経費として計上する際には、支払い証明書や領収書が必要になります。
しかし、ESTAを管理している税関・国境警備局(CBP)はESTAの取得完了後に、支払い証明書及び領収書の発行または発送を行っていません。
そのため、領収書が必要な場合は、ESTA申請公式サイトにてご自身で領収書を取得する必要があります。
なお、ESTA申請代行サービスを利用した場合は、サービスを受けたサイトにて問い合わせを行うことで領収書の発行を行っているため、各サービス運営サイトまでお問い合わせください。
インボイス制度について
2023年10月1日より、日本ではインボイス制度が施行されました。
そのため、経費の計上を行う際は、利用した事業者がインボイスの登録を行っているかどうかを確認する必要があります。
なお、インボイスの登録を行わなければいけない事業者は課税事業者となっております。
したがって、ESTA公式サイトから税関・国境警備局(CBP)に対して、直接ESTAの申請を行った際は、インボイス登録の有無は関係ありません。しかし、ESTA申請代行サービスは課税事業者となるため、代行サービスを利用した際は、経費精算の際にインボイスへの登録を行っているかを確認する必要があるため注意してください。
また、インボイス制度では、領収書への記載項目が決まっているため、インボイス登録事業者より取得した領収書に既定の項目が記載されているかの確認をしましょう。
ESTAの領収書の取得方法
では、ESTAの領収書の取得方法について解説していきます。
①下記ESTA申請公式サイトにアクセス
下記URLよりESTA申請公式サイトにアクセスしてください。
https://esta.cbp.dhs.gov/
「CHECK ESTA STATUS」から「CHECK INDIVIDUAL STATUS」をクリックします。
②セキュリティに関する通告の確認
「SECURITY NOTIFICATION」(セキュリティに関する通告)が表示されるので、確認をしたら「CONFIRM & CONTINUE」をクリックし、進んでください。
③申請者情報の入力
「Passport Number」(パスポート番号)と「Date of Birth」(生年月日)を入力します。
その後、「Application Number」にESTAの申請番号を入力しましょう。申請番号が不明な場合は、「Country of Citizenship / Nationality」(国籍)、「Issuance Date」(パスポートの発行日)、「Expiration Date」(パスポートの失効日)を記入しましょう。
④領収書の出力
取得済みの有効なESTAがある場合、「AUTHORIZATION APPROVED」と記載された画面が表示されます。
その画面の右上にある「Download」と「Print」にて、画面のダウンロードおよび印刷が可能です。
ダウンロードおよび印刷した書類には、ESTAの有効期限とともに申請料金と支払い日時が記載されているため、領収書として使用することができます。
※申請代行サービスを利用して取得を行った場合の領収書取得については、利用した代行サービスにてご確認してください。
なお、詳しい印刷やコピーの手順については下記のページでも解説していますので、ぜひ併せてご覧ください。
ESTA(エスタ)の渡航認証は印刷するべき?入国時の提示の必要は?
ESTAの申請料金が経費になることは理解できたでしょうか?
海外出張に伴うESTAの申請料金は、経費の旅費交通費として処理されます。
また、海外出張に伴いパスポートを新たに取得した際の取得料金も経費として計上されます。
業務上で必要となる物を取得する際に発生した手数料や申請料は全て経費として計上できる事を覚えておきましょう。
この記事を参考にしていただき、アメリカでの海外出張がある際は、ESTA申請料金の経費計算に役立てていただけると幸いです。