アメリカの現地企業で働くことを希望している方は、就労ビザを取得するしかないと思っていませんか?しかし、アメリカのインターンシップビザである、「J-1ビザ」を利用する事で米国企業にインターンシップを受けに行くことができます。
しかし、J-1ビザの申請方法やどのような要件かわからない方も多いはずです。
この記事では、アメリカのJ-1ビザについて徹底解説していきます。
アメリカのJ-1ビザのインターンシップ制度とは?
J-1ビザとは、アメリカと各国の交換留学プログラムの一環として導入されたビザ制度です。通常、アメリカでの就労を希望する場合には「Hビザ(就労ビザ)」を取得する必要があります。しかし、Hビザは取得するのが年々難しくなっており、ほとんど不可能になっています。
このような背景がある中で、J-1ビザは短期間で取得することができ、Hビザよりも比較的取得しやすいという一面から申請者の増加が著しいビザです。
Hビザで働く場合には、ワーキングホリデー制度同様アメリカ企業のインターンシップとして働くことが出来ます。
J1ビザインターンシップ制度と短期インターンシッププログラムの違い
長期休暇の時期等に2週間から3か月くらいの長さでアメリカで短期間かつ無給のインターンシップを募集するプログラムは数多くあります。しかし、観光ビザやESTAで渡航可能ということもあり、あくまで観光の延長として処理されてしまい、履歴書などにかけない事が多いです。また、無給のためアメリカ滞在中の費用は自費で賄わなければなりません。
しかし、J-1ビザでは有給で働くことが出来るため、米国企業からの給料で生活費を稼ぎながら働くことができます。また、インターンシップのため履歴書に堂々と記載する事ができる点も魅力の一つです。
アメリカJ1ビザと就労ビザ(H-1Bビザ・Eビザ・Lビザ)の違い
J-1ビザは、アメリカでの企業に所属して行うインターンシップや研修を目的としたビザです。しかし、就労ビザ(H-1Bビザ・Eビザ・Lビザ)では、管理職として雇用されたり、給与に違いがあったりします。
また、特徴的なのが、就労ビザの申請には学歴や職歴が必要になりますが、J-1ビザでは20歳以上で1年以上の職歴があればだれでも申請を行うことができます。
下記表を見るとその違いが一目瞭然です。
J1ビザと就労ビザの違い | |||
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J-1ビザ (研修ビザ) |
H-1Bビザ (専門職ビザ) |
Eビザ (貿易ビザ・投資家ビザ) Lビザ (海外転勤ビザ) |
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申請条件 | 20歳以上 1年以上の職歴 役職不問 |
学士以上の学位取得者 6年以上の職歴 役職不問 |
1年以上の職歴 Eビザ:重役・管理職のみ Lビザ:重役・管理職のみ |
申請日 | 年間通して申請可能 | 毎年4月に申請・10月発給 | 年間を通して申請可能 |
給与 | 最低賃金以上 | ポジションに応じた最低給与額を保証支給 | ポジションに応じた最低給与額を保証支給 |
ビザ有効期限 | 最大18か月 | 3年 更新可能回数 1回 最長6年間 |
Eビザ:5年 毎回更新することで無期限 Lビザ:3年 更新で最長7年間 |
ビザ申請費用の合計 | $4,000から$5,000 (滞在期間中の保険料込み) |
$4,000から$5,000 | $5,000から$10,000 |
取得までの準備期間 | 最短8週間 | 6カ月から1年 | 6カ月から1年 |
アメリカのインターンシップに必要なビザの申請方法
J-1ビザの申請から取得までの流れを目安となる期間と共に解説します。
この流れを確認して、計画の一助になると幸いです。
インターンシップ企業探し・採用内定(期間1~2ヶ月)
J-1ビザの取得には、まずスポンサーとなるアメリカの企業を探さなければなりません。インターンシップですので、給料が発生するため企業との面接やインタビューを通して採用したいと思える人材でなければなりません。
J-1ビザ申請に必要な書類の収集・作成(期間1ヶ月程度)
J-1ビザの申請に必要な書類として最も重要なのが「DS2019」です。「DS2019」はアメリカの滞在許可証でJ-1ビザ申請の際に必ず提出する必要があります。
そのほかにも、スポンサー団体への提出書類や、アメリカ大使館に提出するビザ申請の書類も必要になります。ビザ申請の際には、パスポート、英訳された最終学歴証明書、署名写真等が必要になりますので不足なくご準備ください。
アメリカ大使館または領事館での面接
全ての書類が揃ったら、スポンサー団体やアメリカ大使館・領事館での面接やインタビューが行われます。この際、原則英語でのコミュニケーションになりますので、あらかじめ英会話の講義や練習を行っておきましょう。
J-1ビザ発行
大使館の面接を無事通ることが出来たら、2週間から3週間いないにJ-1ビザが貼付されたパスポートが郵送されます。引っ越しの準備や海外保険の加入など渡米の準備を開始しましょう。
アメリカのインターンシップ(J-1ビザ)制度の条件
上記表からも分かりますが、J-1ビザの申請はほとんど無条件で申請を行うことが出来ます。しかし、目安としてある程度の条件が決まっていますので、下記にてJ‐1ビザ取得の4つの条件を解説していきたいと思います。
年齢
上表を参考にしていただければわかるように、J-1ビザの取得には、20歳以上という下限が設けられていました。しかし、上限の年齢は何歳ぐらいなのでしょうか。
在日米国大使館ではJ-1ビザ取得の目安として、20歳から35歳までの若年層を中心に交付を行っています。ただし、希望する業務によっては、35歳以上の方も申請可能な場合があります。
学歴
基本的に、高校卒業以上の方が対象となっています。最終学歴が中学校卒業の場合には別途、法律事務所などに相談を行いましょう。
職歴
J-1ビザを取得する方が必要になる職歴として、アメリカ国外の最終学歴が短大または大学のかたは、1年以上の職歴が必要になります。
アメリカ国外の最終学歴が高校または専門学校卒業の場合、5年以上の職歴が必要です。
この職歴には正社員以外のアルバイト・派遣を含むトータルの職歴年数をカウントすることができます。
注意点として、アメリカの短大・大学を卒業されている場合は、学歴としてはカウントすることが出来ませんのでご注意ください。
英語力
J-1ビザを取得しアメリカ企業にインターンシップに行く場合には、指示や講義など全て英語でのコミュニケーションになります。そのため、目安としてTOEIC650点以上が望ましいです。必要になる英語力は企業によって異なります。
J1ビザ(トレーニング・インターンシップビザ)の特徴
J‐1ビザの主な特徴は、大きく8つあります。
①ビザの期間は最長18か月まで
※宿泊業界は12か月間のみです。どちらも延長はできません。
②ビザ申請時期は年中通して行うことが可能
③受け入れ先企業が雇用主としてのビザスポンサーにはならない
④J-1ビザのインターンシップ修了後、他のビザに移行する事ができる
⑤国務省管轄のビザであるため、移民弁護士を雇う必要がない
⑥ビザスポンサー団体が指定する海外障害保健が自動でつく
※保険料はビザ申請料に含まれています。
⑦「Social Security Number」(アメリカの社会保障番号)が取得できる
⑧合法的に給与を得ることが可能
J1ビザ研修分野の例
J-1ビザを取得することで研修に行くことができる業界の分野のいちれいをご紹介します。非常に多岐にわたるため、下記の例を参考にしてJ-1ビザを取得する前にどのような業界に入りたいかを選択しておきましょう。
経済・広報・管理分野
J-1ビザでインターンシップすることができる経済・広報・管理分野の業界の職種例 |
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・事務職 ・会計 ・経理 ・営業 ・マーケティング ・店舗運営 ・カスタマーサービス ・HR/人事 ・金融 ・貿易や物流 など |
情報・SNS・コミュニケーション分野
J-1ビザでインターンシップすることができる情報・SNS・コミュニケーション分野の業界の職種例 |
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・広告 ・出版 ・ウェブマネジメント ・グラフィック/ウェブデザイナー ・マーケティング ・マスメディア ・テレビ制作 など |
行政・法律分野
J-1ビザでインターンシップすることができる芸術・文化分野の業界の職種例 |
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・映画制作 ・フォトグラファー ・アートマネジメント ・インテリアデザイン ・ファッションデザイン ・脚本 ・シアターアート ・パフォーミングアート など |
観光・宿泊分野
J-1ビザでインターンシップすることができる観光・宿泊分野の業界の職種例 |
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・旅行業務 ・ホテル ・アミューズメント ・インテリアデザイン ・レジャー施設 ・脚本 ・飲食 など |
科学、工学、建築、数学、工業分野
J-1ビザでインターンシップすることができる科学、工学、建築、数学、工業分野の業界の職種例 |
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・ITエンジニア ・建築 ・情報処理 ・科学 ・薬学 ・金属加工 ・ガラス加工 ・サイエンス関連 など |
アメリカのJ-1ビザ取得に必要な費用
J-1ビザを取得後、インターンシップに参加する場合に係る費用を内訳と共にご紹介します。下記に記載したものはあくまで一例ですので、個人の状況によって増減する可能性があることをご了承ください。
各費用の詳細 | 料金 |
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J-1ビザスポンサーとなる企業に支払うDS2019申請料金 | 12か月の場合:$3000から$4000 18か月の場合:$3400から$4500 |
SEVIS登録費用 | $220 |
アメリカ大使館に支払いビザ申請料 | $160 |
インターンシップ開始までの合計金額 | 12ヵ月滞在の場合$3380から$4380 18か月滞在の場合$3780から$4880 |
アメリカのJ-1ビザ・インターンシップについてのよくある質問
アメリカのインターンシップ参加者はどういう人?
J-1ビザを取得する方は26歳から30歳までの若年層の方が多いです。職歴としては、「営業」「事務職」の方が大半を占めています。英語のスキルに関しては、TOEIC650点以上の方が8割ほどです。
アメリカのインターンシップ(J-1)ビザ取得手続きは難しい?
J-1ビザを取得するには、スポンサー企業を探したり、インターン先の受け入れ企業を探す必要があります。それだけでなく、スポンサー企業への提出書類の作成やアメリカ大使館にビザ申請を行ったりと非常に複雑かつ工程の多い作業があります。
しかし、提出書類をしっかり準備することができれば、就労ビザよりもビザ発給は簡単です。
まとめ
以上J-1ビザについて、概要、必要書類、申請の流れを解説しました。
J-1ビザの取得の際に重要な点として、スポンサー企業や受け入れ先企業を探さなければならない点にあります。どのような企業でもいいと思うのではなく、自己実現のために自分にできる最大限のリソースを使ってアメリカのインターンシップへの道を切り開いて行きましょう。