ハワイ州保健局は、アメリカ国内および国外で麻疹(はしか)の感染者が増加している状況を受け、市民に警戒を呼びかけています。最新の報告によると、アメリカ疾病予防管理センターは、16州で41件のはしか感染が確認されたと発表しました。
ハワイ州では現時点ではしかの流行は確認されていませんが、州内での予防接種率の低下が懸念されています。州政府発表のデータによると、ハワイ州の幼稚園児で、はしかワクチンを接種しているのは85%以上ですが、推奨される接種率に対して10%低くなっています。
疫学者のサラ・ケンブル博士によると、「新型コロナウイルスのパンデミック中、ワクチン接種へのためらいが見られました。はしかの流行の可能性が高まっている今、予防接種や健康情報の重要性を改めて認識する必要があります。」と述べています。
ハワイ州では、12カ月以上の子どもにはMMRワクチンを2回、生後6〜11カ月の乳児には1回の接種が推奨されています。
一方、日本でも東京や大阪をはじめとする地域で、はしか感染者が確認されており、海外から帰国した人や訪問者からの感染が指摘されています。
専門家は、特に海外への渡航予定がある人に対し、ワクチン接種の履歴や抗体の状況を確認し、必要に応じた接種を検討するよう呼びかけています。
はしかは空気感染も起こり得る非常に感染力の強い病気であり、免疫がない場合は感染者と同じ室内にいるだけでほぼ確実に感染するリスクがあります。重症化する場合もあり、特に小児や免疫力が低下している人は注意が必要です。
このような状況下、厚生労働省をはじめとする各機関からは、はしかの予防接種を受けていない人に対し、接種を促進する呼びかけが行われています。特に海外渡航を予定している人や、海外から帰国後2週間以内に体調不良を感じた場合は、速やかに医療機関を受診することが推奨されています。
はしかの流行は、国内外での人の移動の活発化に伴い、再び広がる可能性があるため、予防接種を含む適切な対策が求められています。市民一人ひとりが正しい知識をもち、適切な行動をとることが重要です。