ビザ取得の際に提出する残高証明書とは?どれくらい残高があればいいの?徹底解説

海外に中期から長期滞在する場合にはビザが必要になります。しかし、ビザの申請には、「残高証明書」という聞き馴染みのない書類を提出しなければならない場合があります。

「残高証明書の発行方法は?」

「残高はどのくらい無ければいけないの?」

「残高が足りない場合にはどうするべき?」

などの質問にも、記事内にてしっかりとお答えします。

また海外から日本に短期滞在ビザで入国する外国人の方も預金残高証明書が必須になります。

この記事では、ビザ取得に必須な預金残高証明書について徹底解説していきたいと思います。

預金残高証明とは

預金残高証明書とは、所持している銀行口座内にどのくらいの残高が入っているかを示す書類です。預金残高証明書や財政能力証明書などとも呼ばれており、口座内に残高があることを証明することで滞在中の生活費が十分にあることを証明でき、不法就労の危険がないことを証明することができます。

また、提出時には渡航先国の公用語に翻訳された残高証明書を発行する必要があるので、発行時に日本語で発行しないように注意しましょう。

なぜ残高証明書が必要なの?

残高証明書は、ビザ申請の際に外国での生活を行う際に十分な資金があることを証明するために提出する必要があります。

例として、アメリカでの留学を行うために学生ビザ(F-1/M-1)を取得しようとしている場合、留学生は、アメリカ政府と大学に対して、「預金残高が十分にあるため学費や生活費の支払いは滞りなく行えます」とアピールすることができます。

経済的な理由で学費が払えなくなり、大学をやめざるを得なくなったら大学側も困ってしまいます。ま多、アメリカ政府側も、学生ビザで入国したのにもかかわらず、経済的に困窮していては、不法就労を行うのではないかと疑わざるを得なくなってしまいます。

そのため、ビザ申請時に事前に経済的な余裕があることを確認する為に、「残高証明書」を提出することを求めているのです。

預金通帳コピーとの違い

預金残高証明書と預金通帳のコピーの違いは、大使館・総領事館ごとに要求する書類の組み合わせが異なる点です。

預金通帳のコピーは、「ある時点での口座の残高を証明する点」では同じですが実務上、預金通帳のコピーの提出を許可している大使館・総領事館は少数派です。

通帳コピーの方が発行は断然楽ですが、財政能力証明書の提出を求められた際には、預金残高証明書を提出することを求められているという認識を持ちましょう。

残高証明書の取得先と見本

預金残高証明書はビザ申請者が利用している金融機関に発行を依頼し、入手することができます。信用金庫や銀行の専用窓口または、オンラインにて発行依頼を行えます。

口座名義人が本人以外の代理人が手続きする場合には委任状や代理人の本人確認書などを持参しなければ発行出来ませんので注意する必要があります。

では、残高証明書の発行の際に必要な物について解説していきます。

必要なものは?

残高証明書の発行に必要な物は以下の通りです。

・通帳

・通帳作成時の届け出印鑑

・本人確認書

・手数料

本人確認書については、免許証や保険証、パスポートなどが利用できます。

また、手数料については各銀行によって異なりますので、あらかじめ調査しておきましょう。

発行までにかかる時間は?

残高証明書の発行に係る時間は、本人が手続きを行った場合にはその日のうちに入手することができます。ただし、当日の銀行の混雑状況によっては、時間がかかることも考えられますので、時間には余裕をもって発行依頼を行いましょう。

また、本人以外の代理人が発行依頼手続きに訪れた場合や印鑑・通帳を紛失している場合には発行までに時間がかかるためご注意ください。

残高証明書の有効期限は?

残高証明書の有効期限は発行した日から数えて1か月です。ビザ申請に必要な場合には、一か月以上の日数が経過してしまうと期限が切れてしまうため、発行のタイミングには十分ご注意ください。

大使館での面接や書類提出日時が前もって決定している場合には、その日に合わせてスケジュールを立ててから発行を行うと良いでしょう。

また、残高証明書で取得できるのは前日までの残高です。当日にお金を移動しても証明書には反映されませんので、発行依頼の前日に緯度うを行っておきましょう。

出来るだけ多くの残高を証明するために学費の振り込み前などに合わせて残高証明書を作成しておくという選択も合理的です。

残高証明書の見本

残高証明書の見本

英文の残高証明書について

基本的には、翻訳された残高証明書が必要になります。しかし、上記の例のように、日本語と英文が一枚の証明書に併記されている事が多いです。そのため、残高証明書を発行する場合には、必ず

「ビザの取得に必要になるのですが、翻訳された残高証明書を用意することは出来ますか?」

と、銀行の窓口で確認を行いましょう。

もし、残高証明書が日本語のみでの記述であった場合、自分で翻訳を添付しなければならない場合があります。

残高はいくらあればいいか

口座の残高の目安は100万円〜200万円と言われています。ただし、実務上、厳密に決められた額はないため、外国での滞在期間を文化的に過ごせる範囲で貯金があれば良いです。

申請内容に大きく左右される

口座の残高は多ければ多いほど申請内容に有利に働きます。年収や滞在予定日数などを加味してボーダーが決まるため、一概にこの金額がボーダーとは言えません。

そのため、なるべく金額が多いタイミングを見計らって、残高証明書を発行する事を徹底しましょう。

例えば、「学費納入前」や「給料日」等です。

残高額がすべてではない

しかし、残高が多ければ必ずビザが取得できるわけではありません。申請者の提出した書類の内容の整合性や合理的な渡航目的、渡航後に不法行為をする恐れがないかなど、様々な要素をもとにビザ発給が判断されます。

つまり、金銭的な保証だけでビザ発給の審査がされるわけではないということです。

残高が足りない場合はどうする?

残高が足りない場合は、審査に落ちてしまう危険性が高まります。

例としては、年間の学費が100万円の学校に留学する場合、残高が50万円しかない場合、学校側は本当に学費を払えるのか疑問を持ちますし、ビザ発給を行う機関の職員は「留学中に現地で不法に労働する可能性があるのではないか」とリスクを疑います。

また、学費だけではなく、現地での生活費や滞在費などの支払があるため、学費ぎりぎりの金額ではなく、余裕をもって過ごせるくらいの金額、つまり学費の1.5倍から2倍くらいは確保しておきましょう。

ただし、お金が足りないからと言って借金を行うことは極力避けましょう。借金は利子を着けて返済するものが多く本人だけではなく、家族にも迷惑がかかるケースが多いです。

もし、お金が足りない場合には公的機関を利用する、若しくは奨学金を利用しましょう。

虚偽申告は絶対にやめましょう

書類の提出を行う際に、記載内容に虚偽を記載する事は絶対にやめましょう。ビザ申請などの公的書類を申請する際に、必要書類に虚偽の内容が確認された場合、ビザが却下されてしまいます。また、ビザを取得できたとしても取り消しの措置となり対象国に渡航することが出来なくなる可能性もあります。

また、ビザ申請時に挙動不審な行動があったり、あいまいな発言がある場合にもビザ申請が却下されることがあります。ビザ取得の面接や申請窓口では堂々とした態度で臨み、不信感を抱かせないようにしましょう。

ビザ申請が却下されても、再申請を行うことができますが、二度目の申請では一度目よりも審査が厳しくなりがちです。ビザ申請が却下された経験があると、電子渡航認証(ESTAやETAなど)の取得も難しくなってしまうため、しっかりと対策を行ってから再申請を行う事をお勧めします。

ビザが1度でも却下された場合は、履歴が残ります。その後のビザや電子渡航認証の申請が不利になってしまうので、虚偽申請だけは絶対にしないようにしましょう。

残高証明書に関するQ&A

下記には、残高証明書に関するよくある質問とその解答を記載しました。疑問に思っている点がある場合は参考にしてください。

面接で残高のことを聞かれることはある?

ビザの取得にあたって、面接をしなければならない場合、口座の残高が少ないと理由を聞かれる場合があります。特に、現地で就労できないビザ(留学を目的とする学生ビザや観光ビザなど)の取得では、「渡航目的が就労目的ではないか?」と疑いをもっている面接官も少なくありません。

そのため、面接では就労するつもりはないことと、目的遂行後は帰国する意思があることを強調して発言しましょう。

特に学生ビザの取得では、留学費用を誰が支払うのかを確認するケースもあります。この場合は、正直に留学費用を出してくれる方の名前を言いましょう。

また、社会人の方が留学する際には、資金調達の経緯なども質問されることがありますので、回答をしっかり用意しておきましょう。

他国に比べてアメリカの必要残高金額は高いの?

アメリカは渡航先として人気のある国ですが、必要になる残高金額は他国に比べると高い傾向にあります。昨今の円安状況を加味し、資金面で検討せざるを得ないという方も多いです。

例として、主要な国の一年間の留学に必要な残高金額を比べてみましょう。

留学に必要な残高金額の目安
アメリカ 400万円ほど
イギリス 500万円ほど
カナダ 300万円ほど
オ―ストラリア 300万円ほど

アメリカやイギリスは物価・学費が共に高く、他の英語圏の留学費用に比べて必要な残高が多めな傾向があります。また、学生ビザでは基本的に働くことができないため、生活費や滞在費を事前に用意しておく必要があります。

一方で、カナダやオーストラリアは物価の安さやアルバイトが可能である点を考慮すると、事前に用意する金額は比較的少なく手も良いとされています。

上記の金額はあくまで目安です。学校や地域によって金額は異なりますので注意しましょう。

まとめ

以上、預金残高証明書について、取得方法や必要な理由を解説しました。

預金残高証明書は、ビザ申請を受ける職員から見ると、申請者が自国で不法行為を行わないかを判断する材料になっています。そのため、ビザ取得には大きな影響を及ぼします。外国滞在中に滞在費や生活費をしっかり賄えるだけの資金力を証明する事が重要なポイントとなります。

証明書の発行はお持ちの口座の銀行に行き発行依頼を出すだけなので、比較的簡単ですが、有効期限があることには十分注意し、スケジュールを組みましょう。

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