ESTA申請の際にはCBP(米国国土安全保障省 税関・国境取締局)によりESTA申請者が一体何者なのかということを証明しなければなりません。その時にご自身の姓と名・パスポート番号・生年月日・国籍・連絡先(メールアドレス・電話番号)・出生地・現住所などの個人情報を開示する必要があります。ESTA申請時の質問項目の中には、申請者のソーシャルメディアアカウントという項目も存在します。なぜソーシャルメディアの情報が必要なのでしょうか。その背景と情報提供の手順、ソーシャルメディア(SNS)のアカウントを開示した際の注意点を分かりやすくお伝えします。
またソーシャルメディアが原因でアメリカやハワイに入国できなかったという事例も増えています。正しい情報を知ることで、安全にアメリカ渡航することができるので、この記事を読んで対策をしましょう。
ソーシャルメディア情報とESTA申請の関係
米国への短期渡航を計画している方は、ESTA(Electronic System for Travel Authorization)申請が必須となります。ESTA申請での重要なポイントとして「ソーシャルメディアの情報」の提出が挙げられます。この記事では、ESTA申請におけるソーシャルメディア情報提供の仕組みと、その影響について詳しく解説します。
ソーシャルメディアアカウント情報の提供
アメリカ政府は、テロリズム対策の一環として、ESTA申請者からソーシャルメディアアカウントの情報提供を「任意」で求めるようになりました。ソーシャルメディアアカウントとは主要なSNSプラットフォーム(Facebook、X(旧Twitter)、Instagramなど)のアカウント名が対象となります。
この情報は、申請者の一般的な活動や意見、交友関係を審査する際の参考資料として用いられています。情報を提供することで、審査がスムーズに行われる場合がある一方、不正確な情報が原因で審査に影響する可能性も考えられます。そのため、もし提供する場合は、正確な情報を記載することが重要です。
ソーシャルメディア情報提供におけるプライバシー対策
ソーシャルメディア情報の提供は任意ですが、情報提供しないという選択も可能です。その場合、申請が承認されるまでの時間が長くなる可能性が高まるとされています。 プライバシーの保護が目的の場合は、ソーシャルメディア情報を提供しない選択も一つの方法です。しかし、その選択が審査時間の長期化を招く可能性があるため、通常よりも早めにESTA申請を行うことをおすすめします。
特にピークシーズンや繁忙期や米国の祝日・米国のイベント時には、審査が通常よりも遅くなる場合があるので、計画的に申請を行うとよいでしょう。
米国ビザとSNS情報
米国への長期滞在や特定の目的(仕事、留学学習など)での訪問を考えている方にとって、ビザ申請はとても重要です。近年、ビザ申請においてソーシャルメディア(SNS)の情報提供が重要な要素となってきました。この記事では、ビザの取得とSNS情報開示に関する詳細と注意点を解説します。
米国ビザ申請とSNSアカウント情報の関係
ビザ申請の際に、ソーシャルメディアアカウントの情報提供が任意または必須とされるケースが増えています。特に、長期滞在を目的とするビザ(例:就労ビザ、学生ビザ)や特定の訪問目的(例:ビジネス、研究)を持つ場合、より詳細なソーシャルメディア情報が審査に用いられるケースが増えています。
この情報は一般的に、ビザ申請者が社会的・政治的なリスクを持たないか、アメリカ国内での活動が信用できるものであるかを評価するために使われます。
米国ビザ申請者のSNS情報提供のメリットとデメリット
メリット
がスムーズに進む可能性が高まる。 提供したSNS情報がポジティブな評価を受ければ、ビザ承認の確率が向上すると共に、ビザ申請者の地位が向上するでしょう。
デメリット
ビザ申請者のプライバシーが侵害されるリスクがある。 SNS上の不適切な投稿や友達関係が、審査で不利に働く可能性がある。ビザの取得ができたとしても、アメリカ生活で不適切発言の影響を受ける可能性があります。
ESTA渡航拒否とSNS情報開示対策
アメリカに短期間滞在する予定がある方は、ESTAの申請が必須です。しかし、申請が拒否されるケースも年々増えている傾向にあります。ESTA申請の拒否原因とその対策、特にSNS情報の影響について詳しく説明します。
ESTA申請拒否の主な原因と対策
ESTA申請が拒否される主な原因は以下のようになります。
申請情報の不正確さ | 申請情報が不正確または不完全な場合、拒否される可能性が非常に高いです。 |
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対策 | 申請書は正確に、そして全ての項目を確実に埋めて提出しましょう。 |
過去の米国訪問歴 | 過去に違法行為があった、または過去に米国からの出国が遅れた場合などは拒否されやすいです。 |
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対策 | 過去の行動が問題とならないよう、訪問歴や過去のビザ状況をきちんと確認しておきましょう。 |
SNS情報 | 最近では、SNSの情報も審査に影響することがあります。 |
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対策 | SNSの投稿内容に不適切なものがないか、事前に確認しておきましょう。 |
SNS情報とアメリカ入国拒否の関連
SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の情報がアメリカ入国拒否の原因となるケースが増えています。特に、政治的な発言や極端な意見、過去の違法行為に関する投稿などが審査員の目に留まると、入国が許可されない可能性があります。
対策 申請前に自身のSNSをチェックし、問題のある投稿は削除または非公開にする。 新しい投稿も、渡航前後は慎重に行いましょう。 |
アメリカ渡航を成功させるための入国審査対策
入国審査では誠実な回答が求められ、その他にもいくつかのポイントに注意する必要があります。 以下、渡航前に確認しておくべきチェックリストの作成をしたので、入国審査対策を徹底するようにしてください。
必須チェックリスト
〇必要書類の準備
パスポート (ICチップ付き)
航空券 (eチケット)
ホテルの予約確認書 (バウチャー)
ESTA取得ページの印刷・スクリーンショットまたはビザ
〇短期滞在の目的の明確化
旅行、ビジネス、観光など、目的に応じた証明書類や説明ができるようにする。
ESTAで入国審査を通過して報酬が伴う商用の場合はルール違反になります。アメリカ政府によって処罰されるまたは今後一切アメリカに入国することができないといった可能性もあります。
〇誠実な回答
審査官の質問に対して、嘘をつかず一貫性をもって回答
滞在日数や目的などは明確に答えましょう。
〇金融状況の証明
万が一、入国審査中に別室送りになったときには、個人を証明するものとその他に、クレジットカード、現金、銀行の残高証明書などで滞在費用を支払えることを証明する為です。
〇緊急連絡先
アメリカ国内での緊急時の連絡先をメモして旅行中に持ち歩きましょう。
〇SNSの投稿内容確認
過去の投稿が滞在目的と矛盾しないか、不適切な内容がないかチェック
SNSの投稿内容によっては入国できないといったリスクも起こります。アメリカ渡航前に整理をしましょう。
〇医療保険の証明
万が一のために、短期間の海外医療保険に加入している証明。
アメリカの病院は日本と違って、高額です。海外保険の証明書があるだけで、救急車が対応してくれるようになりますので、必ず持参しましょう。
SNSアカウントを1つも持っていない方の対応方法
ESTA申請でのソーシャルメディアを入力する欄は上記の画像のようになっています。
SNSアカウント(Instagram・X・facebook・youtube等)をお持ちでない方はESTA申請のソーシャルメディアの項目欄で『オンラインプレゼンスはありません。』のチェックボックスをクリックしましょう。任意項目であってもしっかりと対応することで心証が良くなります。
任意開示ソーシャルメディア一覧 |
ASK.FM・DOUBAN・FACEBOOK・FLICKR・GOOGLE+ ・INSTAGRAM・LINKEDIN・MYSPACE・PINTEREST・ QZONE(QQ)・REDDIT・SINA WEIBO ・TUMBLR・X(TWITTER)TWOO・VINE・ VKONTAKTE(VK)・YOUKU・YOUTUBE |
オンラインプレゼンスとは何を意味するのか
オンラインプレゼンスという言葉自体、知らない方も多いかと思います。オンラインプレゼンスとはオンライン上の存在や存在感という意味があります。まれにWEBプレゼンスと言われる場合もあります。ソーシャルメディアのアカウント確認は、言い換えれば『あなたはWEBまたはオンライン上でも存在しているのか?』という質問をされていることになるのです。ESTA申請におけるソーシャルメディアアカウントの確認は、WEBやオンライン上で申請者がどんなことをつぶやいて、どのような行動を取っているのかを調査されるのです。オンラインプレゼンスはありませんと答えることは、WEBまたはオンライン上での存在はありませんと報告していることになるのです。
ビザ申請時にはSNSアカウントの開示が必須
ビザを取得するときはESTAと同様にWEB上で、申請フォームに必要事項の入力をしていきます。ビザの申請フォームには、SNSアカウントの開示が必須なので入力をするようにしましょう。SNSアカウントを1つも所有していない場合は入力をしなくても問題はありません。しかし、この場合にSNSアカウントがあるにも関わらず、保有していませんと虚偽申請をすると、ビザの申請が拒否される可能性があります。またビザを申請するときには米国大使館または領事館にて面接を行います。この時にSNSアカウントについての質問をされる可能性もあるので、携帯を持参してSNSアカウントを持っていないことを証明しましょう。
移民ビザ・非移民ビザに関わらず、現在ではほぼすべてのビザでソーシャルメディアの開示が義務付けられているので、ビザ申請時には注意が必要です。
ソーシャルメディア情報で強制送還された事例も
日本人の20代女性がESTAを取得後、ハワイに到着。ハワイの空港で入国審査を受けた際に申告した滞在日数よりも荷物が多いという理由で、アメリカ政府指示のもと入国審査官はソーシャルメディア情報の開示を要求しました。ESTA申請内容では『会社員』と職業を申告していた20代女性が、実はSNSを活用しインフルエンサーとして活動していた事実が判明し、虚偽申請を行ったことで20代の女性は日本に強制送還されるという事件が起こりました。入国拒否や強制送還になった場合はアメリカ・ハワイに10年間入国することができなくなります。
昨今ハワイでは売春疑いのある渡航者に対して厳格な入国審査を行うようになりました。
本来ESTAの取得をしてアメリカに滞在できるのは、90日以内の観光または報酬を伴わない短期商用目的とルールが決まっています。売春をしているということは、高い報酬を得ている可能性があるという観点からアメリカ政府も対策をしているわけです。
たとえ健全なアメリカ旅行目的だったとしても、アジア人の若い女性が一人でハワイやアメリカに入国を希望する場合は今後ソーシャルメディアの開示が義務付けられる可能性もあります。
・滞在日数以上の荷物を用意しない ・露出が高すぎる格好は控える ・ESTA申請時には正しい情報を入力する ・職業など変更があった場合にはESTAの再申請を行う |
上記に気を付けるべきことをまとめました。
このように現在の自分の状況(名前の変更や職業の変更など)とESTAの内容に不一致が起こらないようにすることが大切です。また見た目で判断されることもあるということを覚えておきましょう。
まだESTA申請を行っていない方
ここまででESTAとソーシャルメディアについて詳しく解説をしましたが、これからESTA申請を行う方は
こちらで解説をしています。
また、ご自身でESTA申請を行うのが不安という方は代行サービスのご利用も有効です。
ESTAの有効期限の確認方法については『ESTAの有効期限の確認方法と再申請について』をご確認ください。
ESTA申請ステータスの確認方法はこちら『公式サイトの登録情報の確認方法を解説』をお読みいただきステータス確認を行いましょう。
まとめ
以上がESTA申請のときに注意するべきソーシャルメディア情報になります。SNSも使い方次第でESTAの申請ができず渡航拒否になってしまうこともあります。SNSの扱い方には十分注意し、ESTAの申請やアメリカ渡航をするようにしましょう。